時間の陥穽75
の次に期待されるのは、、1964年にピーター・ヒッグスが提唱したヒッグス機構において要請される素粒子発見の数十年に及ぶヒッグス粒子探しの成果だけでは「宇宙の謎」の解明が、端緒に就いた(「ちょにつく」は慣用読み)ばかりさらなる難問が待ち構えます。ヒッグス粒子の発見だけでは次期の疑問へのエピローグです。日本語では「暗黒物質」と訳されることもあるダークマター(dark matter)、要(かなめ)は正体が不明であるところの物質が未だまだ多く、我々宇宙に存在するとされる物質の23%がダークマターであり、残る73%がダークエネルギーとされており、残存4%が物理科学の説明可能な分野とされるに過ぎずの状況にあります。ヒッグス粒子の次のターゲットはダークマターであることは現在の宇宙が加速度的な膨張をしていることの観測から、そのエネルギーの源に何らかのダークエネルギー(dark energy)、現代宇宙論および宇宙観測物理学において、宇宙全体に浸透し、宇宙の拡張を加速していると考えられる仮説上のエネルギーが密接にかかわっているとするのです。特に、暗黒物質と呼ばれるようにダークマターは光子とは相互作用をしないので一切が光りません。つまりは、我我人間が光覚反応に頼る限りでは見えないのです。しかし、重力と相互作用していることは観測上わかっており、存在は疑問の余地なく間違いありません。更に、発見されたヒッグス粒子の質量が理論上予想されたものより比較的軽かったことにダークマターに何か関係があるのではないかとの疑問が浮上。LHC計画は日本のKAGRAを含め検証できる可能性を秘めていると期待されています。ヒッグス粒子の発見、其の後の研究は宇宙の暗黒にスポットが當たり、現存4%の物理科学の説明可能な物理科学の残存する分野に大きな成果を上げる可能性を秘めているわけです。宇宙膨張説を其の儘に受け入れれば宇宙のエネルギーは無限大になります。此処に素人的には無涯のものが膨張することへの疑問が湧き上がります。膨張が空間を予期させるからです。果て無い世界、其れこその起因が哲学・宗教・物理学に解答が求められ、今や逃げ口上が許せない世界に現代人は住しているのです。
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