時間の陥穽276
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の観測では、エネルギー差を調べることで、温度の非等方性を発見しようとしていました。然し乍ら、この非等方性は温度にしてδT=3×10^-5Kという微小なものであるから、、観測されたデータには、不要な情報も含まれています。その一つは、CMBの静止系に対する地球の運動からくる波音波や電磁波などの波の音源・光源など発生源と観測者との相対的な速度の存在によって、音と動く物体の波の周波数が異なって観測される現象であるドップラー効果(Doppler effect)またはドップラーシフト(Doppler shift)です。其の因は、太陽系が(264.7・48.2°)の方向に369KMで運動していることからくるもので、データからこの見かけの揺らぎを引き去らなければならなかった。もう一つは、銀河系自身からくる信号であり、これを引き去る操作もしなければならなかった。大変な作業であったが、COBEは宇宙の微小な非等方性を発見したのです。この観測の非等方的な揺らぎは、発見された1992年当時には、センセーショナルな驚きのインパクトを与えます。
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