山西省の旅 | 呉下の凡愚の住処

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三国志(孫呉)・春秋戦国(楚)および古代中国史絡みの雑記、妄想、感想をおいてます。
文物や史跡など、誰もが実際に見に行けるものを布教していきたいな。
他、中国旅行記や中国語学習記も。

無事に全日程を終え、帰国しました。
今回の旅の目的は平遙古城! 雲岡石窟! 喬家大院!
などなど、以前から行きたかったところばかり。
しかし天津インアウトの4泊5日でカツカツの旅程でした。

山西と言えば〜の解州関帝廟(関羽ファンの人たちの聖地)は
山西省ではありながら省のものすごく南にあり、
むしろ西安から行ったほうが全然近いということが分かったので
一人で西安行くときにでも行くか〜? という次第です。

位置関係です。

山西省

1日目:天津in→城际列车で北京→动车组で平遙古城
2日目:平遙古城→バスで喬家大院→バスで太原→硬卧で大同
3日目:現地ツアーで懸空寺、恒山、応県木塔
4日目:雲岡石窟→大同市内からバス(4時間)で太原
5日目:太原→高速鉄道で天津 帰国

でした。
特に2日目が本当に時間の余裕がなく、
よくこの時間で疾走したな……という感じ。
平遙古城は小さな街だと聞いていて、確かに小さな街でしたが、
どんなに短くても一日は必要でした。今回、4時間弱で回ってる……


写真は全部で1,358枚でした。ダイジェスト的に一言ずつだけ!

晋中市平遙県 平遙古城

平遙古城
▲古城! っていうのが分かりやすい写真だなと思い……
既に外城を入って、これは内城の壁です。かっこいい!
世界遺産です。上空写真を見てずっと来たかった場所!

平遙古城 馬家大院
馬家大院。山西省はお金持ちの一族がたくさんいたらしくて
こういう“大院”がいっぱいあります。
内部の構成はすごすぎて理解を超えていた……

晋中市祁県 喬家大院

喬家大院
▲喬一族の集合住宅……なんですが広すぎてダンジョンです。
分かってましたがまったく時間が足りませんでした。
どこを見ても清末ドラマの世界……もちろんドラマの舞台になってます

喬家大院
▲本当に本当にお上品な部屋ばかり!
どの部屋にも美しい置物とか絵画とか飾ってあって、
「どの部屋にも本をぶちまけている自分と同じだ……」と思いました

大同市渾源県 懸空寺

懸空寺
▲491年(北魏)に建てられ始めたらしいのですが……
死んじゃうよね……こんなところで工事したら……
下の“壮観”二字は李白が岩に書いた字(がもと)らしい。

懸空寺
▲地面からはだいたい50〜60m離れてるそうで、
一番高いところは90m。死んじゃうよね……
しかし、廟の御神体は本当に本当に最高でした! また行きたい!

大同市渾源県 恒山

恒山
▲五岳のうちの“北岳”恒山です!
ツアーだったので、集合時間に間に合わないのが怖く
(申込み時点で日本人なのは知られてますし)写真少ないです……

恒山
▲恒山は三國無双8の景勝地に入ってます!
無双で先に行ってしまった観光地の一つ……
懸空寺はこの山の西側の崖に建てられた寺です

朔州市応県 釈迦塔(応県木塔)

応県木塔
▲イタリアのピサの斜塔、パリのエッフェル塔と並んで
世界三大奇塔のひとつらしい。内部撮影禁止でしたが、
本当に感動した……ずっと見ていられました。

応県木塔
▲内部は日本のお寺の五重塔に似てるかも……?
5階建てですが参観できるのは1階のみです。
これを建てるように言ったのが当時(遼)の皇后というのがすごい

大同市内 大同城墙遺址

大同城墙遺址
▲大同は北魏の都(のち洛陽に遷都)だったので城壁があります!
現代のものは明の徐達が建てたそうですが、
基礎は漢代からあったらしい。城壁に登れます。いい眺めです!

大同城墙遺址
▲城壁からの大同市の眺め。
山西省は寺廟がとても多く、写真右側の大きな建物も
“華厳寺”というお寺でした。いろいろ見て回りたかったですね……

大同市内 雲岡石窟

雲岡石窟
▲感動しすぎて昇天する! と何度も思った場所。世界遺産。
仕方なくシンボル的なこの写真を載せてますが、
写真撮影不可な窟たちが本当に……本当に……無理滝汗

雲岡石窟
▲高さ15.5mあるのに、どれだけ緻密に作ってるんだという。
信仰心があればこそこれだけのものを作らせられるんだから、
宗教パワーって本当にすごいと思いました


猫しっぽ猫からだ猫あたま犬しっぽ犬からだ犬あたま牛しっぽ牛からだ牛あたま


大変ざっくりとですが旅のダイジェストでした。

やはり雲岡石窟……神がかってました。
まったく忌憚のない言い方をすると、
窟内の装飾が緻密すぎてもはや狂気を感じるんですよね。

晋代以降は大人しく、洗練されていく文物たち。
しかしここに来て大爆発する文物への情熱。
(北魏は鮮卑族の王朝なので厳密には漢族文化ではないのですが)
その爆発の源は仏教への信仰心だったと思います。
信仰心があればなんでもできる。
まあ、実際に作業してるのは皇帝たちじゃないですから、
信仰心のためになんでもさせるということですよね。やはりヤバい。

雲岡石窟は“修復中なので参観不可”という窟はいくつかありましたが、
莫高窟のように“事前申込み・別料金が必要”な窟はありません。
と言うか観光客の数も莫高窟は段違いに多かったです……
敦煌では市内からたくさん見かけた外国人も、
今回は雲岡石窟内で2,3人しか見かけませんでした。

というわけで
個人的には莫高窟よりも雲岡石窟のほうが落ち着けました。
何より時代が古い! 伝達ホヤホヤの仏教美術! 最高!

次回一人旅は張家界、麗江とか考えてますがどーなることやら……
浙江も行きたいけどもう少し自分の移動力を試す旅に出たいです。
昆明の雲南省博物館に行きたいので雲南は有力候補だし、
河北省博物館にも行きたいし、何も決めてません。
どこか土司遺跡にも行きたいしな〜
ではまた!