荊州市の関羽像移転について | 呉下の凡愚の住処

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三国志(孫呉)・春秋戦国(楚)および古代中国史絡みの雑記、妄想、感想をおいてます。
文物や史跡など、誰もが実際に見に行けるものを布教していきたいな。
他、中国旅行記や中国語学習記も。

荊州市の関羽像が移転を命じられているそうです。
ちなみに荊州は後漢では江陵で、楚の首都です!

大きすぎる関羽像、違法建築認定で移転へ 中国・荊州:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASNCL4DZXNCKUHBI018.html

当然ですが中国のニュースのほうが詳しいので読みました。

荆州关公义园巨型关公像或“搬家” 荆旅集团投资已超8亿元-中经实时报-中国经营网
http://www.cb.com.cn/index/show/zj/cv/cv135104441264/p/s.html

・今年7月に「施設が消防検査を受けていない」という報道があった
・運営元社長が取材拒否
・現在、像以外何も見られず閉門状態
・台座に「沈降問題」が発生している
・現在の入場料は40元(最初は120元)。
・像だけで一億729万元かかっているが、総収入は1300万元未満
・荊州の古い街並みを再現した大型のストリートも建築中
・どこに引っ越すのか、いつ着手するのかなどという
 具体的な話はまだ無し

このあたりが気になった話題です。
消防検査受けてない・沈降問題発生は不安ですよね……
地震大国の日本に住む者からすれば、
海外の建築基準など取るに足らないようなものでしょうが。
その基準に達しているかどうかが不明というのは……
観光中に関羽の下敷きになってしまうかも? うーん……

荊州 関羽像▲2016年9月 自分で撮影

荊州には今年を除いて2011年から毎年行っていまして……
やはり楚文化の中心地でありますし、
紀南城遺址という楚のお城の跡にも市内バスで普通に行けますし、
紀南城址にはもう突っ立っているだけで幸せになれるわけです。
(行った当時は牛が放し飼いになっていましたが……)
古城の城壁にも明清代の名残りが残っており、
お城は西安ほど巨大ではないですが、城壁にも登れますし。
お城の形や大きさは後漢代から変わっていないそうです。

このブログ、2009年からやっているので
初めて荊州古城に行ったときの記事もあるんですが、
今読むと悶死不可避のため、「武漢旅行記」カテゴリか、
昔話に興味のある方はPC版の検索機能からご覧ください……

で、関羽像!
いつ突然死しても自然でしかないほど忙しい時代に完成したので
話題にできたこともなかったですが……行っていました。
駆け足の記録ですが一応当時の記事もあります。

【中国7日目上海】第9話 荊州古城

そして、上にも記したように当時の入場料は120元……
建設中の施設には入れず、像を見るためだけに120元……
う〜ん、これダメそうだなあと、
当時から……と言うか完成前から思っていました。

地上からの高さは58m弱ということで、「すごく巨大!!!」
と謳われていますし、実際見ると確かに巨大ではあるんです。
今回も「規則を超えて巨大すぎるから」が移転命令の理由ですよね。
しかし、メインのターゲットになりそうな三国志オタが
お金を落とすためには、もっと鉄道駅から近い必要がありました……
駅からは……バス・タクシー必須です。徒歩で行くのは厳しいです……
遠いので、相当近付かないとこの像は見えてこないのです……
これが結構な問題だなと、完成前から思っていた。

その上、去年行ったときにも
駅から観光案内があるわけでもなかったです。
「荊州観光の中心」と言うには影薄すぎるなあという印象でした。
そもそも開園から3年経っている去年の時点で
開いてないお部屋が結構ありましたしね……
そりゃ、どうなの? って思われちゃいますよ……


気付いたら関羽像への愚痴で終わってる!?
いや……荊州はね……
政治問題なのであんま言わないようにしてるんですが〜。
孫呉の土地じゃん……?
(関羽)違うじゃん……?
っていうね、これに尽きるよね……
て言うか楚の土地だしー。楚で客引きは不可能なので
三国志に頼っていくというのは分かるんですがー。
孫呉より関羽だよねというのも頭では分かるんですがー。

というわけで最初からあまりいい印象を持っていなかったのでした。
もうどこにでも行ってくれという感じです。(言ってはいけない本音)
   糸冬

荊州 関羽像▲2019年12月 自分で撮影