みなさん、こんにちは。

 

3月29日から4月1日(月)までのイースター期間、 バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所は休診とさせていただきます。4月2日(火)から通常通り診療を開始いたします。

 

ご不便をおかけいたしまして誠に申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

バルセロナキアリ研究所チーム一同

希少疾患は「希少」という名前にもかかわらず、世界中で驚くほど多くの人が希少疾患にかかっています。「希少」と呼ばれる理由として、その病気の原因が不明であることが挙げられます。

 

医学では、希少疾患の多くは遺伝的要素を持つと考えられており、たとえ症状が後になって現れたとしても、妊娠時または出産時にすでに発生していると考えられています。希少疾患によっては遺伝的要因と環境的要因の組み合わせによって発生する疾患もあります。診断の遅れによって不適的な治療が行われ、更なる合併症の発生の可能性があるため、早期診断が非常に重要になってきますが、その希少性により、病気に関する知識が乏しく、十分な研究も行われていないため、正しい診断と治療が見つかるまでに長い時間を要することがあります。

 

アーノルド・キアリ0型/I型症候群(キアリ奇形)、特発性脊髄空洞症は、当研究所で専門的に研究と治療が行われている疾患ですが、これらの疾患は出生時またはその後に現れる可能性があり、時にはある外傷によって全ての症状が引き起こされるため、正しい診断、治療法に辿り着くまでに時間がかかり、その間に症状の悪化を引き起こすことがあります。

 

当研究所の創設者であるロヨ・サルバドール医師の研究により、キアリ奇形、脊髄空洞症を含む終糸病が先天性の要因で起こっていることがわかり、これは胎児の発育の段階で起こり、家族の中で複数の人がこの病気を患う可能性があります。

今年、2024年の世界希少・難治性疾患の日に際し、当研究所ではキアリ奇形および脊髄空洞症を含む終糸病/神経頭蓋脊柱症候群に関する研究を促進し、終糸による牽引がどのように神経系に影響を与え病気を引き起こすのかを広め、終糸病患者に対する早期診断と早期治療が行われるよう取り組んでいきます。

 

キアリ奇形、脊髄空洞症が「希少」疾患ではなくなる未来のため、そして患者さんの生活の質の向上を目指すために、キアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金(https://chiarifoundationbcn.com/en/donation-chiari-foundation/)への寄付を通して、更なる病気への研究にご支援ください。

 

 

当研究所のホームページからご覧になる場合はこちらから。

 

みなさん、こんにちは。

 

本日お届けするのは、フランス人のマノンさんの動画体験談です。

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マノン・ディアス: 脊柱側弯症、小脳扁桃の嵌入、終糸病、神経頭蓋脊柱症候

 

手術日: 2022年10月27日
動画体験談撮影日: 2023年10月26日


私の名前はマノンで、現在32歳です。13歳の思春期に入ってから脊柱側弯症
診断され、複数の治療を受けましたが、その中の一つが外科治療でした。今か
ら3年前に頸部痛、関節症などの症状が悪化し、脳神経系の症状も出るように
なりました。腕や脚の灼熱感、しびれ、肉体疲労と精神疲労、頭のモヤモヤ、
集中力の低下、腕と脚の脱力感など、どうして起こっているのかわからない症
状ばかりでした。フランスではあらゆる検査を受け、何度も医師に診てもらい
ましたが、なんの説明も解決策も得られませんでした。インターネットで検索
した結果、バルセロナキアリ研究所のホームページにたどり着き、研究所から
「終糸病」の診断を受けました。私の症状すべては、終糸が過度に緊張してい
ることから起こっており、神経・頭蓋・脊柱関連の症状が出ていました。私は
終糸切断手術の治療を受けることにしました。手術は成功し、バルセロナキア
リ研究所のスタッフには手厚い対応をしていただき、主治医もとても信頼でき
る先生でした。私の病気、検査、症状についてたくさんの説明を受け、私の話
にも熱心に耳を傾けてくれました。


現在、手術を受けてから一年が経ちます。体調は本当によくなりました。言葉
で説明するのは難しいのですが、体全体、特に肩と首周りがとても軽くなった
ように感じます。以前は首と頭部の痛みがあり、よく眠れなかったのですが、
現在は質のいい睡眠が取れ、頭のモヤモヤも術後だいぶよくなり、知的能力も
大幅に向上しました。以前よりも活発に動けるようになり、やれることも増え
、健康になったと感じます。


術後、最初に感じたのは安心感でした。疲れにくくなり、知的能力や活力がは
るかに改善しました。病気の診断が下りたという事実も、精神的にかなり救わ
れました。現在、終糸が切断され、これ以上病気が悪化しないということで、
自分の将来、症状の改善、そして自分の能力に自信が持てるようになりました
。終糸病という病気がフランスで認識されていないこと、医師たちが最新情報
を把握しておらず、患者の声に耳を傾けないことは悲しいことですが、私はバ
ルセロナキアリ研究所スタッフの対応に深く感謝し、今のこの新しい人生を得
られたことに大変感謝しています。


メールアドレス: manondiaz@yahoo.fr

みなさん、こんにちは。
 
本日ご紹介するのは、カナダ人のデボラさんの最新体験談です。当研究所のホームページからご覧になる場合はこちらから。
 
デボラ・ウィルソン:アーノルド・キアリI型症候群、神経頭蓋脊柱症候群、終糸病、大後頭孔減圧術


手術日:2023年7月4日

私は数年前に、アーノルド・キアリI型症候群と診断されました。これを読んでいる皆さんと同じように、症状、特に毎日起こる頭痛を軽減するため、あらゆることをやってみましたが、どれも効果を得られなかったため、医者からは大後頭孔減圧術を受けるように提案されました。私はそれが最後に残された唯一の選択肢だと思い、また、手術を受ければ症状が改善されると信じて手術を受けましたが、それは間違いでした。

減圧術の効果は全くなく、小脳扁桃の下垂がなくなったにもかかわらず、依然として術前と同じ痛みがありました。減圧術から4ヶ月後、バルセロナキアリ研究所に関する投稿を見つけました。気になったので研究所のウェブサイトに載っているものを全部読むと、すべてが理にかなっているようと思いました。しかし、減圧術を受けたばかりだったということもあり、バルセロナキアリ研究所での治療についてはもう少し経ってから考えることにしました。減圧術から1年が経ち、症状が悪化し、頭痛により仕事や生活するのが困難になりました。

頭の中に「話ができすぎている」「そんなに効果があるなら、なぜ他の国でも終糸切断手術が行われないのか?」といった疑問が浮かび、誰にもその治療の効果について説明してもらえなかったので、半信半疑でした。そこで、もう少しインターネットで調べてみると、バルセロナで終糸切断手術を受けた人を見つけ、手術についての意見を聞くため、連絡してみることにしました。コンタクトを取った人みんなが術後に大きな改善が見られ、手術を受けて満足していることがわかり、その言葉がとても励みになりました。終糸切断手術が見せかけの治療ではなく、本当に存在している治療法であることを確信しました。

2023年7月4日、私はバルセロナで終糸切断手術を受けました。手術時間は局所麻酔で約1時間、抜糸の必要もなく、一泊二日の入院です。大後頭孔減圧術に比べると、術後の回復は非常に早く、手術が終わって病室に戻ると、すぐに首や肩の「張った」感覚がなくなっていることに気づきました。ひどい頭痛はまだありましたが、手術の効果があったことは確かでした。先生には、完全に回復するには数ヶ月かかると言われました。手術から48時間後、頭痛が治まり、2年半ぶりに頭痛のない生活が戻ってきました。まだ頭に圧迫感はありましたが、痛みはなくなりました。その後6週間が経ち、腕と脚にあったしびれや、めまいもなくなり、全ての症状がなくなったか、あるいは明らかに痛みの度合いが軽減されました。この期間、頭痛はあったりなかったりと不安定で、痛みの継続時間も様々でしたが、痛みはずいぶん軽くなりました。

現在手術から10週間が経ち、ここ数年間でいちばん体調がいいと感じています。仕事にもゆっくり復帰し、毎週のように体調がよくなっています。今でも時々頭痛がしますが、軽度で長時間続くことはありません。もう少し時間が経てば、頭痛が完全になくなる可能性が高いと思います。バルセロナで手術を受けられたことにとても感謝しています。バルセロナキアリ研究所のスタッフと医療チームに関してはいいことしか言えません。私が研究所に着いてから国に帰るまで、私のことをサポートしてくれました。バルセロナキアリ研究所の治療に興味のある方はぜひ連絡を取ってみてください。バルセロナキアリ研究所で働くスタッフは、本当に素晴らしい方々です。

デボラ・ウィルソン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当研究所のロヨ・サルバドール所長を中心とする医療チームが執筆した、神経頭蓋脊柱症候群と尾骨前方脱臼の関連性に関する最新論文「尾骨脱臼に関連する神経頭蓋脊柱症候群:予備的研究」が、脳神経外科雑誌『World Neurosurgery:X』に掲載されました。

 

 

「神経頭蓋脊柱症候群は、いくつかの特発性疾患(アーノルド・キアリ症候群0,1型および1,5型、脊柱側弯症、脊髄空洞症)を含みますが、これは終糸と呼ばれる線維組織によって神経軸に異常な牽引が生じることで引き起こされる」とし、終糸が尾骨レベルに達する組織であることを考慮した上で、神経頭蓋脊柱症候群という診断を受けた多くの症例で「尾骨の前方脱臼といった解剖学的変異によって、終糸が引き起こした中枢神経系全体にかかる牽引をさらに悪化させる可能性」を、ロヨ医師率いる神経外科医チームは長年観察してきました。

論文では、「神経頭蓋脊柱症候群患者における尾骨脱臼の有病率の高さが、それらの間に関連性があることを示唆している」と結論づけ、「尾骨前方脱臼を引き起こすメカニズムは、神経頭蓋脊柱症候群の発症に直接影響を与える可能性がある」と述べています。

 

通常、尾骨脱臼の場合、ほとんどの外傷および整形外科で提示される治療は、保存療法(尾骨に体重をかけない、座ることを避けるまたは減らす、座る際の負荷を軽減するクッションや器具の使用などの推奨)ですが、残念ながら神経頭蓋脊柱症候群である可能性が考慮されないために神経頭蓋脊柱症候群の診断は下りず、患者さんの満足いく解決策は提示されずに、患者さんの生活の質に悪影響を与える可能性が出てきます。

 

当研究所では、これらの症例の長年の臨床観察と治療経験を経て、尾骨脱臼によって生じた終糸の牽引を取り除くため、低侵襲治療を含む当研究所独自の治療計画「終糸システム®」の適用を提案しており、優れた治療効果が得られています。

 

論文執筆者であるロヨ医師、フィアヨス医師、ビヤビセンシオ医師、そして当研究所の研究開発(R&D)部門チーム、『World Neurosurgery:X』への論文掲載おめでとうございます。