こんにちは、星ワタルです。
演技を学び始めて、演技している自分は冷静と感情のあいだにいると思うことがあります。
演技をリードするのは感情で、感情をどう引き出すかは演技のスキルです。
演技により役者の心のうちから引き出される感情は、あくまでも演技です。つまり、演技をしている時の自分は、感情的に振舞いながらも本当の感情に支配されているわけではありません。
だから、演技中には、感情を演じている自分とそんな自分を冷静に見ている自分がいます。
演技をする役者は、感情と冷静のあいだに立っていると言えるわけです。
面白いのは、これは演技の上手い下手に関係ないということ。
何となく、感情と冷静のあいだにいると言うと、感情を演技にのせるには、冷静な自分を最小にして、感情の自分を前面に押し出すことに感じますが、そうでもないことに最近気が付いてきました。
本当に感情が演技にのっている時って、確かに感情が強く心の底から湧いてきます。だけど、あくまでも冷静な自分は冷静さを失わず、そこにいるのです。
だから、泣きながらとか号泣しながらも、「今、凄く悲しい気持ちだな」とか演じているキャラクターについて「今のこの気持ちはこうなんだな」とか、瞬間瞬間に冷静に考えていたりします。
そして、これは冷静=現実世界、感情=仮想世界として考えられるでしょう。
舞台で語られる物語は仮想世界の話で、観客は舞台が始まると、現実世界から仮想世界にトリップします。
引き込まれる舞台とは、いかに観客を仮想世界に引き込み、現実世界にいた観客自身を忘れさせられるかということ。
でも、観客が物語に引き込まれるには、仮想世界であっても、そこに現実世界に存在するリアリティが与えられないといけないわけです。
どんなに良い筋書きでも、そこにリアリティを与えるのに一番必要な要素は、役者の演技です。
仮想世界のキャラクターを演じる役者は、つねに、二つの世界の狭間にいます。それは、現実世界のリアリティを仮想世界に与えるため、二つの世界の橋渡しを担うためです。
役者の演技が感情により引き出され、役者の演技が観客の感情を引き出す。こうして、感情を引き出された観客は、物語の一部となる。
役者の演じる感情は、仮想世界に属するものでありながら、観客がそこから感じる本当の感情という現実世界に属するものを引き出すことで、観客を仮想世界に引き込む。
役者の目的は、演じることではなく観客を物語に引き込むこと。演技は目的でなくそのための手段なのですね。だから、舞台の主役は、あくまでも観客で、役者はそれを助けるに過ぎないとも言えます。
そのために、演じる役者は冷静と感情のあいだに立ち、演技のリアリティを追求する必要があるのだと思うのです。
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