映画、ドラマ、アニメ、マンガでも好きな作品なら好きなシーンは誰にでもあるだろう。


友人と互いに好きなアニメの話をしていると、好きなシーンの話になる。


あのシーンはあのキャラがあぁするのが良い!というような話を互いにして、互いに良いよな、と言い合うだけの他愛のないものだ。


テレビなんかでも名場面、名台詞として紹介されるようなシーンは、やはり良いと思えるものが多く見る者の共感を誘う。


ありとあらゆる名場面や名台詞を紹介されると、その作品がなぜ人気なのかを改めて実感する。


そこにあれこれ理屈を語るのも野暮に感じるくらい良いものは良いと思ってしまう。


しかし、それだけ良いものが何の理由や理屈も無く作れるだろうか。


最近の稽古で、自分が演出の立場になって、提示されたエチュードの演出や設定を考えて他の人に演じてもらう、ということをしている。


今まで既に出来上がった内容で演出の意図をいかに汲み取って演じるかの稽古だったが、今回は台本はあるが登場人物の名前、年齢、時間、場所、どうしてそうなったのか、などは各々で考えることができる。


そしてその考えた演出プランで他の人に実際に演技してもらい、自分の演出プランから離れてしまった演技になっていたら修正する指示をする。


そして出来上がった演出プランで演技が出来るようになったらカメラで撮影する、というものである。


今回は舞台だけでなく映画やドラマの制作も視野に入れての稽古なので、演技も舞台よりではなくなるのでまた違った演じ方が必要にもなる。


そこで、事前に自分の演出プランを考えてくる必要があるのだが、そこも各々自由に作ることになるのだが、各シーンや登場人物などの設定を文章で書いても絵で表しても良い。


今回自分は絵コンテの形式で各シーンのオーダーを考えて書いてみた。


このシーンではこんな風に見せたい、とやりながら考えていたので、不慣れでも伝わるように絵を描いてみた。


自分なりに満足できる形になったので、早速絵コンテ通りの演出プランで演技をしてもらった。


……結論から言うと、自分の中でそれぞれのシーンをどんな風に画面に映したいかは絵コンテを描いて考えることが出来たが、登場人物の背景や心情、そのシーンに至るまでの経緯などは全く考えていない、という結果に終わった。


これは、自分が演じるときにも陥りやすいことである。


台本の表面だけなぞって、あまり深く考えて演技をしていないというものであり、それが演出する立場でも現れてしまったのである。


演じる側も、どのように演じていいか分からなかったと思う。


自分の後に今度は他の人の演出プランで、自分が演じる立場になった。


他の人は登場人物の名前と年齢、職業、背景などを書いたものを貰い、一通り読み合わせてからの演技となった。


とても演じやすいと思った。


最初のセリフを言うに至るまでの経緯、心情、あらゆる要素がたった一言のセリフにこんなにも込められているのかと思い知った。


こんなシーンにしたい、というよりこんな気持ちで演じてほしい、というものが非常に伝わりやすいと思った。


台本にはト書き、セリフ、全てにおいてどこにも無駄なものは無い。


なぜなら一つのシーンを100のセリフ、ト書きで構成したとして、一つのセリフ、ト書きには更に100の要素を含むように、全て非常に密度が濃いものだ。


目の前にボールがあったとして、そのボールを無数の分子が集まって構成し、その分子もまた無数の原子が集まって構成するかのように、一つの台本にはたくさんの要素が集まって構成されていて、どこか一つ欠けてもいけないのである。


最初に書いた、好きな映画、ドラマ、アニメ、マンガの好きなシーンというのもやはり作品全体があって初めて輝くもので、更に制作側が登場人物に込めた設定や背景に対して熟考に熟考を重ねた結果の賜物であり、更にストーリーも綿密に考えられた結果、人々の心に響くシーンが出来上がるのだと気付いた。


そう考えると自分の見ているものは本当に表面でしか捉えられていない浅はかなものであり、それが演技にも出てしまうとあってはどんなに台本が良くても見る人の心に響かないであろう。


そのようなことに気づかせてくれる貴重な体験をすることが出来た。


これからは台本を貰ってから読み方が変わりそうだ。
 
〜【特番】〜
劇団真怪魚の座長 真崎明がJ:COMテレビ番組『調布人図鑑』(様々な分野で活躍する調布人の紹介)で石原プロモーション 金児憲史さんと対談しました。どうぞご覧ください。





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過去の公演
『短編劇&スクリーン上映』
銀サギ特別編
〜つつじヶ丘児童館ホール〜


2019年9月22日
☆終了 満員御礼☆

 

[キャスト]

 

★短編劇:
藤坂みのる    竜ノ宮いか    ねこまたぐりん    真崎明

★映像:
河辺林太郎 赤井ちあき 星ワタル 竜宮いか ねこまたぐりん 真崎明
 
【公演会場】
調布市つつじヶ丘児童館ホール
 
 
 
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