林太郎です。
ご訪問ありがとうございます。
最近になって、これまであまり熟考してこなかったことを考えることがありました。自分はセラピストを21年やってるのですが、もしも"あの時"に"あの選択"をしていなかったら今頃は別の人生を歩んでいたのだろうか?どんな事をやっていたのだろうか?と。
こんな事を書いておきながら言うのも何ですが、実はこういう考え方は僕はあまり好きではなくて、あえて考えないようにしてきた所があります。
なぜって、その時々で必要な選択をしてきたはずですし、自分の魂が間違いなくそれを選んできた結果の今を受け取っているという信念があったからだと思います。
実際のところ自分の好きなことをやれているとも思っています。
それがこんな事を考えるようになったのは、別に歳のせいではなく(笑)、たまたま手に取った本の中で「平行現実」について書かれていて久しぶりにこの言葉に触れて、はたと自分の人生について思いを巡らせる機会が与えられたからです。
「平行現実」とか「平行世界」とか「パラレルワールド」とか言われる世界観は未だに市民権を得ていない、怪しいスピリチュアルな世界観だと思いますが(僕自身はそう思っています)、
意識が現実を創り出すという法則を前提として直線的な時間の概念を少し違う角度から見てみるというチャレンジができるならば、今この瞬間が連続的に続いているという事実以外には過去も未来も決まってはいないというのが量子力学的な真実ですし、自分を中心とした今この瞬間に存在している選択肢は無限に広がっている訳ですので、
自分の意識の濃度(やりたい事や夢の優先順位)に応じた現実が実際に創り出されている可能性はゼロではないのではないかと考えるようになってきました。
ただ、こうしたことに詳しい人達が語っているように、今ここに居る現実から別の現実へと移動するなどという離れ業(タイムシフト)は僕にはまだ信じがたいことではあるのですが、それと似たようなことをしているのが役者という人種なのではないかと思ったりしました。
役者の特権は、どんな人にでもなれて、どんな人生でも歩めることが公に認められているということではないかと思います。
これは役者をやってみた人でないと分からない部分かも知れませんが、例えばヤクザの役が与えられれば役者はその時点からヤクザそのものになるために特別な意識を使い始めます。
自分の普段の生活とは別に、ヤクザとしての生活を意識した二重生活が始まる訳ですが、これはある意味では平行現実を歩んでいるようなものかも知れません。
一方では今まで通りの自分で在りながら他方ではヤクザとしての人生を歩んでいる自分を体験していくようになるのです。
と、ここまで書いていてホストクラブのホストさんももしかしたら平行現実を歩んでいるのかも知れないなと思ったりしました。彼らは沢山の女性と同時に交際していたりしますし、
結婚詐欺師とか不倫している人などもそれぞれの相手に全く違う顔をして同時にお付き合いをしている訳ですから平行現実を歩んでいる可能性があるのかも知れませんね。
話を役者に戻しますが、
迫真に迫る演技や観客の心に響く演技というのは表面上で台詞を話すだけでは絶対にできないもので、もしも役者の演技から何かしらのリアリティを感じることがあるとすれば、その役者はどこかの時点で演じている役どころとしての現実(リアリティ)を体験しているはずです。
そうでなければ演技が伝わることはありません。
役どころによってはそれが非常に辛い場合もあって実生活に影響を及ぼしてしまうこともあるので、劇団真怪魚では客観性を常に持つことを教えられているのですが、
ここで僕自身の演技を振り返ってみたときに果たして自分はそこまでのリアリティを感じるほどに役に没頭したことがあっただろうかと、いま改めて反省する思いでいたりします。
僕は劇団真怪魚でこれまでにヤクザ、スパイ、外郎売り、父親などの役をやらせていただいてきましたが、観客からは本当にヤクザかと思いましたと言っていただいたことがあっても、
今こうしてたまたま目にした「平行現実」というキーワードから役者としての在り方を鑑みて、与えられた役どころのリアリティを究極のところまで追求できていなかったと思っています。
今さら後の祭りですが、このことを契機として、今後の役どころに対する向き合い方を変えてみようと思います。
役者には、役者をやっていなければ決して体験できないかも知れない様々な人生を歩める機会があります。
僕は思うのですが、役者としていろいろな人生を体験していると、その間は不思議とエネルギーが充実していてある面では元気になっているように思います。
常に刺激的ですし、劇団に所属している場合には仲間との交流も盛んになりますので脳が活性化します。
独立している場合にはどうか分かりませんが、役作りに没頭する時間があるというのは貴重な体験なのではないかと思います。
これからも役を与えていただける機会があるならば、それはせっかくのチャンスですから、平行現実を歩むつもりでもっとしっかりと楽しんでみようと思います。
以上。
河辺林太郎でした。
Short Drama『告白』
『劇団真怪魚〜2020年度研究生募集』
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