里親決定!part11 | 35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

35歳年上の夫は師匠でエイリアン! 

【夫】台湾人 × 【妻】日本人

国際結婚? いえ、惑際結婚ですから!

気がつけば2男1女。

あの男を見ていると、とても同じ人類だとは思えない。
漢方薬を水なしで飲めるなんて
一体どんな味覚をしてるんだ、あのおっさんは。

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このおにいさんなら、きっと大丈夫。
ぽんちゃんを大事にしてくれる。





このご縁を信じようと思った。







「ハンコ、お持ちくださいましたか...?」







契約書に署名捺印して頂く。

おにいさんの車の免許証を拝見。
契約書の住所と同じであることを確認。






これで、ぽんちゃんともお別れか...





本当にみんないなくなる。
これから寂しくなる。

でも。

チェリーに加えて、5匹の子供たち。
6匹みんなをうちで面倒見ることはできない。



5匹のうち、何匹かだけ手元に...
というのも気が引けた。


だって、どうやって決めたらいい...?


ママのそばに残る子。
里子に出る子。


手元に置くのなら、みんな置く。
里子に出すのなら、みんな出す。

こうするしかないと考えていた。





みんな可愛かった。
本当に愛らしかった。

だからこそ、怖かった。








「もうすぐ、うちに出入りしている猫が子供を産むんです。」






まだ子猫たちが産まれる前のこと。

こう話した私の耳には、とてもここに
書くことはできない話も入ってきた。

産まれたばかりの子猫たちの
扱いに困った人がしたこと。




私は心底怖くなった。

その人がじゃない。
その人がしたことでもない。

確かに、その話を聞いた時には、
体から血の気が引いた。

胸がつぶれる思いがした。

その話の中の子猫たちは
あまりに気の毒だった。

でも。

私が本当に恐ろしかったのは
別のことだった。







子猫たちをもらってくれる人を見つけられず、
にっちもさっちもいかなくなって、
もし同じようなことをしてしまったら...

同じことはしなくても、もし最終的に
保健所と関わるようなことになったら...

それなら、結局私も同じじゃないの...







私は絶対にそんなことをしないと、
どうして言い切れるだろう。

何を根拠に確信できるだろう。

私がご立派な人間じゃないことは、
誰よりも私が一番よく知っている。

私が何よりも恐ろしかったのは、
切羽詰まった時の自分が何をするかだった。








「これ、もし良かったら、お持ちになります...?」





子猫たちの離乳食の缶。
もう、うちには必要なくなる。


これは、私が望んだ通り、
いや、それ以上に有難い展開なのだ。

感傷と感謝が複雑に入り混じる。




おにいさんに抱っこされて、
玄関に向かうぽんちゃん。

落ち着かない様子で、
声を出しながら身をよじる。

無理もない。

ぽんちゃんは、まだ玄関に
行ったことがなかった。

ついさっき会ったばかりの人に抱っこされて、
生まれて初めての場所へと向かう。

そして、生まれて初めての経験は、
この後からが本番なのだ。




何度見送っても、胸が痛む。
チェリーの顔が脳裏をよぎる。







一体、チェリーに何て言ったらいいんだろう...







おにいさんの車に乗り込む時も、乗り込んでからも、
ぽんちゃんはまだ鳴き声を上げていた。



きょうだいの中で、
一番やんちゃだったぽんちゃん。

5匹の中で、一番冒険好き
だったぽんちゃん。

私の隣で一緒に眠ってくれた、
人懐こいぽんちゃん。



生まれて初めての経験の真っ只中で、
きっと怯えているに違いない。







ぽんちゃん。ごめんね。






他に言葉が見つからない。






ぽんちゃんを乗せたおにいさんの車が
うちの前の坂を下って行く。

チェリーが必死で産んで
育ててきた子猫たち。

見送るのも、これで最後だ。


遠くなっていく、おにいさんの車の
ナンバープレートを眺めながら、
寂しさと申し訳なさ、それと同時に、
何かが胸の奥へと吸い込まれて行くような、
すとんと落ちていくような感じを覚えた。



きっと、切羽詰まった状況に陥らずに
済んだことに、私の心は安堵したんだと思う。







背中にちょこんと白い毛が混じっているのが、
チャームポイントだったぽんちゃん。


おにいさんのおうちに着いても、ぽんちゃんは、
おにいさんの部屋のソファの下にもぐったまま
なかなか出てこなかったそうで。

もらわれて行った日には、色々と心配なさった
おにいさんからお電話があった。


ご飯のこと。トイレのこと。

ぽんちゃんが根性を見せて、
籠城したまま出てこないこと。


そんなぽんちゃんも、後日、
おにいさんが送ってくれた写真の中で、
リラックスした表情を見せてくれました。

しかも、ぽんちゃん。
なかなかの男前へと成長しまして。

チェリーによーく似てる。
ふふふ... やっぱり親子やね。

ぽんちゃんの目にあった傷も、お約束通り、
おにいさんが獣医さんのところへ行って
治してくれました。


おにいさん。本当にありがとう!


ぽんちゃん。
おにいさんたちご家族と
どうか幸せに暮らしてね。

ぽんちゃんと一緒に暮らしたこと。
おばちゃんはずっと忘れません。





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