【ひとりごと】珍獣じゃないんだからさぁ
療術というこの業界の宣伝合戦には、昔から色々と思うところがある。
色々……と書くからには当然いくつかあるわけだけど、その一つが次のような謳い文句を見た時だ。
「当店では珍しい○○という手技を使っています」
文言の違いはあれど、たまに見かける謳い文句になる。要は「うちでしている施術方法(手技であれ機械であれ)は〝珍しい〟方法で他にはなかなかないですよ」ということが主張したいらしい。
正直「だから?」と思う。
これとセットでよくあるのが「□□(地域名)初」や「日本では唯一」みたいなキャッチコピー。
この「特定の地域・場所」でしか受けることができない施術というのは、確かに一つのウリになる。だがそれは珍しい〝以外〟の付加価値があるからこそだ。
例えば「○○という手技」は「ギックリ腰を1回の施術で普通に歩けるようにします」というものだったとする。
そうなると「○○という手技」には「ギックリ腰に強い」という付加価値ができる。その上で「○○という手技」がまだ普及していなければ「〝ギックリ腰に強い○○という手技〟をウチでは提供しています。そしてこの地域で〝○○という手技〟が受けられるのはウチだけです」という〝珍しさ〟を強調したウリが成立する。
これが芸術や美術などのアーティスティックなモノであれば話は別だ。こういったものは唯一無二という希少性そのものが一つのウリになる。もしくは珍獣など存在そのものが希少な場合。これはもう「自分の管理する場所に〝居る〟」ことが一つのステータスにすらなる。
だが療術という業種は違う……と僕は考えている。
〝珍しい〟という〝だけ〟ではハッキリ言って意味はない。マイナーな技術やオリジナルの技術が「知られていない」ことや「普及していない」から〝珍しい〟のでは、それのみを価値とするのは難しい。
だからこそ「ビフォア・アフター」の写真や「施術の効果を示した動画」などを載せ、この技術は(特定の症状はもちろん、不調全般にも)〝効く〟という付加価値をアピールするのだ。
それでもとりあえず珍しければ集客できる……と考えている人は一定数いる。こういう人の特徴としては次から次へと新しい(珍しい)技術に手を出していくとこだ。中には資格や技術のコレクターになってる人もいる。
もちろん必要だと思った技術や資格なら、結果として沢山もってしまっても構わないと思う。しかし「一つのモノをやり切った結果、足りない部分を補うために他のモノが必要と思って手を出す」のと、ただ「新しい(珍しい)から早い内に色々と手をつけておく」というのは違う。
後者はどれも中途半端に終わる。結果、その技術が持つ本来の素晴らしさを再現できていないことが多い。
有名な経営戦略論に「ブルー・オーシャン戦略」というのがある。
ブルー・オーシャンとは「競合相手がいない市場・業界・分野」のことだ。逆に「競合相手が多い市場・業界・分野」のことをレッド・オーシャンと言う。
ブルー・オーシャン戦略とはレッド・オーシャンで戦うのではなく、ブルー・オーシャンを目指して新規開拓していくべきだというものになる。
そういう考え方でいくのならこの業界でも〝珍しい〟を全面に打ち出すのは間違ってない……と思われがちだ。だけど少し考えてみて欲しい。上にも書いているようにその珍しさに〝珍しい以外の付加価値〟が存在しているのか、ということを。
もっと言うとその店の主張している〝珍しさ〟には、施術を受ける側に「知られていない施術を受けた」以外のメリット(困っていた症状が改善する。健康を維持していく上で有用……など)があるのか、を。
それがなければ〝珍しい〟は決してウリにはできないし、お金を払ってまで行く意味がない。そして払う価値がなければ、いくら競合相手がいなくても〝市場〟にはならない。
……なんて偉そうなことを書いてはいるが僕は別にマーケッターではないし、この業界で目立った成功もしていない。
ようするにただの戯言だ(笑) もともとタイトルに【ひとりごと】とつけている時は、僕が好き勝手に言いたいことを書いている時だしね。
でもまぁ、うちはこんな考えをもつ人間がやっているという宣伝(?)くらいにはなるんじゃないかと思っている。
技術に関しては標準以上のモノは持っているという自負はある。
だからホームページなりこのブログなりを読んでみて、僕の施術に対する考え方。あるいは、人となりを知って貰えればいい。そしてピンとくるものがあれば、ぜひ施術を受けに来て欲しいと思う。
多分ピンと来た人は「自分の体と真摯に向き合うことのできる人」だ。
そして僕は「自分の体と真摯に向き合うことのできる人」を応援する。
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