楽になるには"コツ"がある

広島県東広島市にある「すじと骨の けんびきや」のブログです。

スジをみる。

「少し痛いですよ」
「ちょっと痛いのを我慢してください」

 これは私が施術中によく言う言葉です。特に○引き療法で筋肉(すじ)の調整をする時に言います。(※2020年9月より讃岐骨法」を軸として補助で「手技による筋肉の調整」を提供)
 すると、たまにこんな事を言ってくるお客さんがいます。
「触る前から痛いって分かるんですね」
 正確には調整前に軽く触れ状態を見ているのですが、施術された本人は「痛み」の印象が強くて、その時に初めて〝触られた〟と思うようです。
 まず軽く触れた時に筋肉(すじ)が固いようであれば「痛い」であろうと推測できます。あるいは施術で触れる場所が大きな神経の近くであったり、神経が比較的表面に出ている場所であれば同じく「痛い」であろうと推測できるのです。
 ですから本格的な調整の前に状態を確認して最初のようなセリフを言います。

 ○引き療法というのは主に筋肉(すじ)の調整を行います。ということは筋肉(すじ)を直接触ることになります。〝揉む〟のとも〝圧す〟のとも違う〝引く〟指使いで筋肉(すじ)を触ります。
 では〝引く〟指使いだと何が違うのか?
 個人的に一番大きく違うと思うのは筋肉(すじ)に対する影響力です。〝揉む〟のとも〝圧す〟のもどちらかと言うと〝面〟で筋肉(すじ)を捉えます。これは施術側――つまり〝手(指)が〟面で捉えるということもありますが、捉えられる筋肉(すじ)の側も〝面〟で捉えられている……ということにもなります。
 しかし〝引く〟場合は少し違います。触れている部分のみを取り出せば〝面〟と考えることもできます。ですが指先で〝引く〟場合は筋肉(すじ)の表面だけではなくもっと小さな筋束(筋繊維の集まり)に対して影響を与えます。
 ですので例えば加える力が同じでも〝揉む〟〝圧す〟の時よりも強い刺激を感じることがあるのです。
 実はこの時の刺激を「痛い」と感じるか「痛気持ちいい」と感じるか、はたまた「くすぐったい」と感じるかで、自分でも筋肉の状態を推測することができます。

 人間には感覚があり、その感覚を通じて「安全」であるかどうかを認識します。普段、主に使われているのは「視覚」と「聴覚」。人間は見ることで周りを確認し、音を聞くことで視覚外を確認しています。
 それ以外の五感ももちろん使用します。その中でも「触覚」はやや特殊です。何かを〝触れる〟。もしくは〝触れられた〟時の刺激に対して反応します。
 その刺激が「痛み」を伴うものであれば危険とみなすし、「心地良い」ものであれば安全とみなします。
 ちなみに日本語には「肌で感じる」という、実際に触れなくても雰囲気などを察する言葉もあります。ですがこれはいくつかの感覚を総合して情報を得て、その中から判断しているとも言えます。
 ところでこの『「痛み」を伴うものであれば危険とみなす』というのは、体からの訴えでもあります。怪我をするなど、実際に傷害を負ったわけではない場合。それは「痛い」という刺激を与えることで体は「弱ってるから気をつけてくれ」と意識に訴えかけているのです。
 つまり筋肉(すじ)の調整を行う時に「痛み」を感じたのであれば、それは筋肉(すじ)の状態が良くないと体が訴えているのです。

 では施術中にどのように感じれば「筋肉(すじ)の状態が良い」と言えるのか?
 「痛みもなく心地よく感じる」もしくは「くすぐったい」のが理想ですが、一定の年齢を重ねてくるとなかなかその状態まではいきません。
 なので目安としては「痛気持ちいい」になります。施術を受けても痛気持ちいいと感じるのであれば筋肉(すじ)の状態は決して悪くありません。
 実際、ウチに来られたお客さんで最初は施術を痛がって方も、メンテナンスで何度も来られるうちに当初ほど痛がったりはしなくなります。これは痛みに慣れた……という見方もあります。
 しかしそう言った方でも時期によって、施術を痛いと思うかそうでないかがというのが出てくるのです。
 例えば農繁期かそうでないか。米を育てている農家の方などは、田植え~稲刈りまでの間に来られるとだいたい痛がります。稲刈りの後だと特に。
 ですが、それ以外の時期に来られるとそれほど痛がりません。それはどれだけ体に負担をかけて仕事をしたか……という違いが出てくるからです。
 負担が大きく、日常生活には支障はないがもう少し回復が必要という場合。体は刺激に対して敏感になり、元気であった時よりも痛みに敏感になります。そうすることで普段よりも体が弱っていると警告しているのです。

 以前、こんな記事を書きました。

kenbikiya.hateblo.jp

 この〝気にする〟の中に、施術を受けた時の「痛み」も入れてみてください。日常生活ではまったく問題ないのに、施術を受けたら痛かった。
 それはわざと痛くしたからではありません。少なくとも、けんびきやではそうです。
 以前、「わざと痛くして不調箇所の痛みを感じなくさせて誤魔化している」と言われたことがあります。そのように思われたは心外であり私の実力不足ゆえです。

 ですが、そのような目的で施術をしたことはただの一度もありません。それだけは自信を持って言えます。
 筋肉(すじ)を直接触って痛かったのであれば、アナタの体か「筋肉(すじ)の状態が良くないよ」欲しいと警告しているからなのです。
 施術を受ける時も、自分の体を気にしてみてください。色々と見えるものが出てきます。

 ちなみに施術する側としては、筋肉(すじ)の張りや施術をした時の「痛み」の感じ方以外にも、色々なものを見てお客さんの体の状態を推測します。
 その辺りのお話は次回に。


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