その声はわたあめのように。

 

 

正しく声楽を習うとどんな良い事が起きるのでしょうか？

そんな質問も時々お聞きするのですが

そうですね、一番大きな変化と言うならば

声が減らない、のどが疲れない、という事でしょうか？

 

たとえば、カラオケで3時間歌ったらどうなりますか？

大抵の方は次の日には声がガラガラになって

喋り声すら出すのが辛い状態になるのではないでしょうか？

オペラ歌手やミュージカルシンガーの人たちが

１公演3時間にもなる作品を上演して歌い続けたとして

場合によってはリハーサルからずっとだったり

一日に2公演歌う場合や連続で公演日があったり

とにかく歌い続けなくてはならない

それでも声が出なくなる人はまずいません。

…この違いは何でしょうか？

のどや声帯が特別に強い？

いえいえ、みんな同じような骨格で同じような声帯ですよ。

声の無駄遣いをしないので声が減らないだけです。

 

声の無駄遣いって何でしょうか？

そうですね、言うならばわたあめと五平餅の差のようなものでしょうか？

物凄くコストパフォーマンスが良いんですよ。

「わたあめ」って原材料は何でしょうか？

ザラメをごく少量、そして空気です。

あのふわふわした食感は空気がどれだけ含まれているか、なのです。

縁日で売っているわたあめっておいくらでしたっけ？

物凄くコストパフォーマンスが良いのがわかりますか？

 

一方、声が疲れる方というのは五平餅のようなもので

たくさんのお米が半つきの状態でみちっと平たく密になった状態です。

コストパフォーマンスは良いとは思わないんですよね。

「声」「音」の間に隙間が全くのない状態です。

 

声は大量の息の上に「響き」と「母音」そして「子音」

この中でできあがったふわふわのわたあめのようなものです。

背中という割りばしに立体的に巻き付けられた大量の「息」

そこに響きが乗って母音が乗って来ます。

とても軽やかで口当たりの良い音ができあがります。

…聞いている人にとって。

五平餅式の声の作り方は歌っている人がお腹いっぱいになる

そんな発声ではないでしょうか？

 

どちらの発声をしたいでしょうか？

少なくとも和ものの狂言や歌舞伎をするのでなければ

わたあめ式の発声の方が洋物の音楽には似合う

そんな風に思います。

 

 

先月からレッスンに来ている中学生のMちゃんですが
まさに五平餅式発声をしていて
筋肉が上手く使えない、姿勢が真っすぐではないために
割りばしの上で息が潰されて声にならない
そんな状態でしたが
声と息の流れの認識を変えて貰うようにしています。
まだ中学生ですのでどのように変化するかはわかりませんが
そんな柔らかいソプラノの声になって行くように思います。

とにかく疲れない、そして聞いて頂くお客様に喜んで頂ける
そんな発声で歌ってみたいと思いませんか？
実際の方法についてはぜひ体験レッスンにお越し下さい。
知らなかった自分の声が見つかるかもしれません。
楽である、そして声が快楽の産物である
そんな体験を一人でも多くの方にして欲しいと思います。

 

さて、明日はコンクール入賞した生徒さん二人の

入賞者披露コンサートです。

 

 

 

最後の仕上げをして送り出さねば。

お客様に夢の世界を魅せられるように準備をしっかりして

魔法の粉を振りかけて送り出しましょう。

良い演奏会になりますように。

 

最後までお読み下さいましてありがとうございました。

明日からもがんばってブログを更新するモチベーションが上がりました。 

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