2016年はマスコミの凋落が身をもって感じることができた象徴的な年となることでしょう。
参院選では「改憲勢力」などというレッテル張りのための造語を作り、「2/3阻止」などという非建設的な目標を定めて世論をあおりました。
しかし、反日勢力による1/3の確保すらできなかったのが現実でした。
シールズなどという共産党の下部組織を持ち上げてみても、本当の若者には見向きもされませんでした。
都知事選では、鳥越氏を応援し、鳥越氏の犯罪を報道せずに必死に支援したにもかかわらず、ネットを通じた情報の拡散によって、まさに「見向きもされない」状況となりました。
かといって自民都連が担ぐ増田氏にも乗れず、マスコミがこれまでスキャンダラスにこき下ろしていた小池氏に、都民の民意によって勝利を奪われるという結果になりました。
米大統領選においては、泡沫候補と嘲り、差別主義者だ、攻撃的だと人格批判を繰り返したトランプ氏の当選を招くという体たらくです。
米大統領選については、現地のマスコミの情報をうのみにしたからでしょうが、そうであったとしても、日本のマスコミの情報収集力のなさにはほとほとあきれかえります。
世論操作のために情報を流し、「こうなってほしい」という希望的観測のために記事を書くマスコミに、今どれだけの価値があるのでしょうか。
日米のマスコミにとっては「番狂わせ」であっても、トランプ氏自身にとっては、戦略の勝利であったようです。
「マスコミのトランプ叩きが米大統領選の行方を決めた」
ここでは、トランプ氏の『勝因は、大統領選を「史上最低の戦い」という次元にまで落としめたことに尽きる」』と、トランプ氏のメディア戦略が描かれています。
政策論争ではなく、「相手のスキャンダルや古傷をこきおろす誹謗中傷合戦になれば、トランプ氏は俄然有利になる」と。
普通は誹謗中傷合戦になれば、トランプ氏のほうが「暴言・失言のオンパレードで、セックステープ、脱税などスキャンダルだらけで不利になるだろ、と思うかもしれないが」として、「一部で報道されているようにクリントン氏のスキャンダルは汚職がらみ。トランプ氏より遥かにヘビーな内容なのだ」と筆者は書きます。
つまり、「個人の醜聞」対「汚職スキャンダル」の戦いになったわけです。
民主主義国家の国民にとっては、個人の醜聞よりも、政治上の汚職のほうが遥かに問題であったということです。
ところが、日本のマスコミではクリントン氏の汚職スキャンダルは報道しない、トランプ氏のスキャンダルと暴言だけを報道したわけです。
ある程度世論を誘導したかった、アメリカのメディアならいざ知らず、本来、外国の選挙に対して、客観的に見れるはずの他国のマスコミがこれではいただけません。
さて、アメリカのメディアでも、今回の大統領選挙では、マスコミの世論誘導がうまくいかなかったことも描かれています。
その一つが、「クリントン・ニュース・ネットワーク」という『あまりにもクリントン氏に肩入れをした「偏向報道」を行うCNN』です。
『たとえば、ニューヨーク・マンハッタンで爆発事件が起きた時、CNNはトランプ氏が「ニューヨークで爆弾が爆発したと聞いた」と発言したことを受けて、詳細がわからないうちに「爆弾」と決めつけたのが軽率で、大統領には向かないと批判した。が、実は他のテレビ番組ではクリントン氏も「爆弾事件」と言っていたのだ』。
日本の反日マスコミでも常用される手段です。日本でも、気に入らない政権批判のために言葉尻やある部分だけを切り取った報道などが行われています。
記事でも『こういう経緯からおわかりのように、日本のネットで「朝日新聞」などが叩かれる文脈でつかわれる「マスゴミ」みたいなものだと思ってもらっていい』と断じています。
そして、記事は以下のように、国民がアメリカのマスコミを信用しなくなった過程を説明します。
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「クリントン氏びいきのマスコミが、なぜトランプ氏の援軍に?」と首をかしげる人も多いだろうが、実は彼らがトランプ批判に張り切れば張り切るほど、トランプ氏に支持が集まっていく、というなんとも皮肉な現象が起きていた可能性が高いのだ。
今年9月、世論調査会社ギャラップが全米で18歳以上の1200人を対象にマスコミの信頼度について聞き取り調査をおこなったところ、マスコミの報道が「正確で公平」と答えたのはわずか32%だった。
これは44年前から調査をしているなかで、最も低い水準だという。なぜここにきて「メディア不信」が進行したのかということについて、ギャラップは保守系の人々が「マスコミがトランプ候補の揚げ足取りばかりしている」ことに不満を抱いているからだとみている。
妥当な分析だが、個人的にはそれに加えて、トランプ氏に対する悪質とも言える「印象操作」が次々と露呈してしまったことも大きいと思っている。
冒頭でも触れたが、トランプ氏は当初から共和党候補のなかでダントツに人気があったにもかかわらず、マスコミは「泡沫候補」とコケにしていた。さしたる根拠もないのに、支持者は「白人の低所得者層」とレッテルも貼られた。また、ワシントンのインテリらに、「予備選では奇抜な発言で注目を集めるが、すぐに飽きられる」なんて言わせ、それを喜々として掲載していた。
だが、ご存じのように現実は違う。マスコミの予想に反し、トランプ氏は共和党候補として指名を獲得。人気も衰えなかった。
このように無理筋の「印象操作」が1年以上も行われ続ければ、「オオカミ少年」ではないが、「ああ、マスコミなんてまったくアテにならないな」という不信感が一気に広まる。それはなにも保守系の人々だけに限らず、無党派層にも及んだはずだ。
そうなると、「クリントン・ニュース・ネットワーク」がボディブローのように効いてくる。
クリントン氏とトランプ氏の間で揺れる無党派層からすれば、あれだけ偏向報道をやってきた上に、まだクリントン氏を持ち上げるのかと辟易する。さらにいえば、肩入れしているクリントン氏もメール問題等で「ウソつきヒラリー」呼ばわりされている人物。つまり、信用のない人(=CNNに代表されるマスコミ)が、「ウソつき」と後ろ指を指される人(=ヒラリー)を必死に応援をするという、いかがわしさ満点の構図ができあがってしまうのだ。
(中略)
ハーバード大のインテリ学生がこんな言葉を述べている。
「ヒラリーは信用できない。トランプの方がまだ信用できるよ」
この「信用できない」に一役も二役も買ったのが、実は「クリントン・ニュース・ネットワーク」をはじめとする、クリントンびいきのマスコミだったというわけだ。
(中略)
最後の追い上げで、マスコミ各社はトランプ批判を痛烈に展開した。「ニューヨークタイムズ」などは、トランプ氏を「頭が空っぽ」などと評し、中立公平云々以前に、冷静さを欠いた「悪口」まで書いた。
マスコミは、それらがすべてトランプ氏にとってマイナスになった、と信じて疑わなかったが、実はまったくその逆で、彼らが口汚く罵れば罵るほど、メディア不信を加速させ、ひいてはクリントン不信を助長させていた可能性が高い。そのような意味では、トランプ大統領を誕生させた最大の功労者は、「クリントン・ニュース・ネットワーク」をはじめとする「偏向メディア」といえるのだ。
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日本のマスコミも自身の偏向報道によって、徐々に「オオカミ少年」となってきているのは、この1年の選挙戦を見ればわかります。
これからマスコミの偏向報道により、「オオカミ少年」だと気づく人が増えていけば増えていくほど、マスコミの世論誘導は力を失います。
マスコミが偏向報道を続ければ続けるほど、日本の反日マスコミが思い描く社会を構築するチャンスは、どんどん小さくなっていくことでしょう。