ヘッドコーチ就任 | 嗚呼 ソフトバンクホークス

嗚呼 ソフトバンクホークス

九州に本拠を置く唯一のプロ野球チーム・ソフトバンクホークスの試合結果を語る場。

小久保裕紀がヘッドコーチとして復帰することが正式に決まった。来年以降の監督交代をにらんだ人事である。放物線を描く打球とバットを華麗に放り投げる姿に魅了されてから20数年。ようやく指導者の王道を歩むことになり、感慨深い。

2015年に工藤公康が52歳で監督に就任、一つ上の秋山幸二が2009年に47歳で一軍監督になった。今年49歳の「小久保監督」は早ければ再来年、二軍監督後なら3年先になる。

球団が求めたのは若手野手の育成と抜擢だ。会見で早くもリチャードの名前を挙げた。松田の後釜を最優先に考えているのだろう。栗原は想定以上の打棒を奮ったので、3塁コンバートはなくなった。守備に時間を割いて余計な苦労をするくらいなら、確実性のある打撃を身に付けるための練習に集中させるべきだ。

同時に右打者として松田に「最後の一華」を咲かせる指導を施すつもりか。打撃コーチがいる手前、大ぴらな指導は憚れるが、次期監督含みであることは周囲が認めている。立花は体調を壊したし、平石は盛り上げ役。2人の打撃コーチに遠慮することもない。

ジャパンの監督時代、小久保は叩かれた。その采配について多くは思い出せないが、継投ミスだったか。ひいき目になるが、采配ミスといえるほどのものではなかったような気がする。大会独自のルールを理解していないことからの失敗ではなかったか。

たかだか数試合の国際大会での経験は、143試合の公式戦で生きるものでもなかろう。指導者としてのスタートが常勝チームのHCというのも重責だが、そこは生え抜きの特権。一から勉強のつもりでやればよい。

 

小久保はしばしば、NHKでの解説で工藤采配を批判してきたが、今回の就任を見ると、それは互いに了解済みだったのではないかと思える。会見内容で少し驚いたのは、次のくだりである。

 

「これからベテランになっていく選手たち、主力の選手たちが腫れ物に触るような存在になっては絶対にダメ。侍の時にも求めていたポリシーなので。そういう選手を絶対に作らないというのがぼくの役割。」

内川のことを念頭に入れて話しているのは明白である。内川と入れ替わるようにHCに就任したのもうなづける。小久保は2012年に引退後、ことあるごとに内川に何度もその趣旨の発言をしていた。

内川は先日インタビューに答えて、「打撃が狂ったのは、4番になった2015年から」と発言している。これを聞いて、ああ、内川は相当工藤監督を恨んでいるなと思った。その年に工藤政権が始まっているからだ。

1年間棚晒しにした指揮官も意固地だが、「絶対に駄目」と断じた小久保の見解は、内川退団を容認したと受け取れる。小久保は過日、「将来、この経験は必ず生きてくる」と内川に向けて話していた。一度も上に上げなかったのは少しやりすぎだが、小久保復帰と内川退団は裏で繋がっているように感じた。

 

小久保はかつて、オープン戦の怪我で2003年シーズンを棒に振り、球団社長と対立した挙句、大学の先輩でもあるオーナー代行の理不尽な求めに応じて巨人に移籍した。脱税事件で袋叩きにされた。取り巻き云々も言われている。そうした事柄を飲み込んで、周囲は指導者の道を用意した。張り切らない理由はどこにもない。球界のエリートは王道を歩む義務があるのだ。


それはともかく、「層が厚い」という幻想は今すぐ捨てて、野手特に内野手のレベルアップに心血を注いでほしい。そして、若大将らしく、時にはピリピリした雰囲気を作り出してほしい。取りあえず、ガム禁止から始めてもらおうか。

 

 

宜しければ、クリックお願いします。

にほんブログ村 野球ブログ 福岡ソフトバンクホークスへ
にほんブログ村