数年前にも似た記事を書いたが、直近で同事例があったので改めて記載。

開業間もない士業が紹介を増やすポイントは、「即答で金額を提示する勇気」、にあると思う。

就業規則を作って欲しい、と聞かれた時、「1ヶ月以内に20万円で作ります」と紹介者に対して歯切れよく即答出来ることだ。

士業と言えば「センセイ」と呼ばれやすい身分であり、自分から営業、というのはそぐわない空気がある中、ベテラン士業になれば「紹介で顧客を得ること」というセリフを誰もが言う。
だから新人・開業歴の浅い士業もそれに倣い、動いていることと思う。
紹介とはどこから訪れるのか分からず、何が発端になるのか分からない。勉強会や異業種交流会に限らず、ちょっとした飲み会であった人づてでやってくることもある。

自分が先日、趣味の集まりでよく会う友人に、「働き改革が始まって就業規則を見直さないといけないようだから、専門家を紹介してほしい」、と言われた。
その友人は親から譲り受けた会社を小さいながら会社を経営している。

社労士の知り合いがいないことも無かったので、早速連絡を取り、その旨を伝えると、上記のような、「1ヶ月ぐらいあったら、20万円ぐらいで作れるよ、もちろん相手の意向も聞きながらだけどね」と私に対して歯切れよく答えが返ってきた。
自分の中で、目安はあるけれども、相手の意向に沿いますというスタンス。

試しに他の人にそれとなく聞いてみると、
「依頼者の会社規模による」とか「その人怪しい人じゃないよね」とか「幾らぐらいが希望なのか聞いてみて」などなど、歯切れの悪い回答ばかり。
これでは、先に進める気になれない上に、今後紹介することも無いだろうと心に秘め、愛想笑いして別れた。

この2人の対応の仕方を見れば、どちらが紹介が増える士業なのか、明白ではないだろうか。後者の例はここまでひどくなくても、似たような人は結構多い。
その理由は
①自分の中で明確な金額のラインが無い
②その仕事に対する経験値が浅く、自信が無い
③紹介責任を果たすことが出来るのか
④作業内容や時間をイメージできない
など、「自信の無さ」があると思う。
出来るなら、即答出来るはずだ。

新人や開業浅い人は、自信という点でなかなか難しいところもある。
が、向こうはプロとして依頼してくるわけで、歯切れの悪い回答では、この人大丈夫なのか・・、とつながる恐れもある。それは紹介者に対してもだ。

即答すると、それに縛られると思う人もいるのだろうが、その辺りは依頼者と調整して、掛かる時間と金額を交渉していけば良いのではないだろうか。
条件が合わなければ、決裂するだけの話である。
依頼者の方も、事情云々で金額が変わることは分かるであろう。

一旦交渉のテーブルについて相手の腹具合も見ながら・・、というのが士業の慣習というのは、自分も社労士事務所にいたので分かるのですが、やはり最初に具体的な時間と金額を紹介者へ出しておいた方が後に繋がりやすいですね。

金額の明示には、自分の懐具合や銭勘定をさらけ出す勇気が要ります
あとは、誰にどこまで開示できるかという度胸ですね。

こういう部分は顕在化しないだけに、知らないうちに紹介を取りこぼしている士業の方は結構多いと思う。