後藤 仁「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海)写生・絵本研究旅行」 その1 | 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画・絵本便り

後藤 仁(GOTO JIN)の日本画・絵本便り

後藤仁ブログ2~絵師(日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙)後藤仁の日本画・絵本・展覧会便り。東京藝大日本画卒,後藤純男門下。「アジア/日本の美人画」をテーマに描く。東京藝大,東京造形大講師。金唐革紙製作技術保持。日本美術家連盟,絵本学会,日中文化交流協会会員。

 2019年9月10日(火)~21日(土)の12日間をかけて、「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海) 写生・絵本研究旅行」に訪れました。

 中国(中華人民共和国)北京の出版社から、今年の12月頃に中国向けに発売される予定の「新作絵本」の本画制作を、今年の初めから続けてきました。この絵本は、チベット族の民話を描いたもので、感動的で血沸き肉躍る冒険大作絵本です。(この絵本の詳細は、後日、発表いたします。)この絵本制作をご依頼されたのは、元福音館書店編集長で、日本を代表する絵本編集者・文筆家、また中国でもカリスマ的な絵本編集者・翻訳家としてよく知られる、唐 亜明(タン ヤミン)さんです。

 その唐さんの呼びかけで、福音館書店を中心に活躍されている著名な実力派絵本作家4名(私は絵本画家としては新人ですが)と、中国 北京・南京の出版社との合同取材旅行が、今回、実現しました。現在の日本の絵本界では、いや絵画界でも、ほぼ聞かなくなった、作家と編集者・画商等との濃密な共同作業です。この旅の取材を元に、次回の絵本作品の構想を練る計画なのです。私は常々、このような、作家と編集者との本当の付き合いを希望していましたので、この旅は誠に楽しみでした。 

 

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 1日目、9月10日(火)。朝10時40分、成田空港第2ターミナルに集合しました。唐 亜明さんと、今回、通訳を務めていただく音楽家の郭 敏(グォ ミン)さんと、絵本作家の齋藤隆夫さん、夏目義一さん、大島英太郎さんと、私の6名が集まりました。唐さんと郭さんにはお会いしたことがあるのですが、その他の人は初対面です。齋藤さんの日本画で描かれた絵本作品は知っていました。夏目さんは動物絵本、大島さんは恐竜・鳥絵本のスペシャリストです。

 

 13:00成田発 → 〈東方航空776〉 → 15:30南京着

 

 南京空港に着くと、南京の児童書・絵本出版社の方が出迎えてくれました。今夜は、「鳳凰台飯店」というとても立派なホテルにチェックインし、「南京大排档レストラン(獅子橋店)」で夕食をいただきました。南京の料理は、甘醬油辛い複雑な味で、どれもかなりの美味です。長江(揚子江)で獲れるという白身魚が柔らかくて美味い!!。 

 夕食後、ホテルの近くをぶらつき、「鳳凰国際書城」という大きな書店を見付けたので見物。児童書コーナーは、広い一階層全体を占めており、日本の作家の翻訳絵本もたくさん置かれていて、親が子どもに読み聞かせをしているシーンも見れました。 

 この日はお腹一杯で、ホテルの部屋でおやすみです~。 

 

「南京大排档レストラン(獅子橋店)」で夕食、皆さんで記念撮影。 

 

 2日目、9月11日(水)。朝食はホテルの豪勢なビュッフェです。この日は南京の児童書・絵本出版社におじゃまして、何やらお話をするとのことですが、私達は詳細を知りません。出版社の部屋に入ると、50名程の多くの編集者・社員が一堂に会していました。結構、若い人が多いですね。ここで唐さんと南京の出版社の社長・周 翔さんのお話があり、その後、私達作家がめいめい絵本のお話をしました。その後、質疑応答が行われ、活発な質問が飛び交い、中国の若い絵本編集者達の情熱を感じました。今後の中国の絵本界の隆盛に、大いに期待できますね。 

 出版社の方々と昼食をとり、午後は「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞紀念館」を見学。あまりに酷い戦争のありさまに、涙が出ます・・・。私はこれまでにも、広島・長崎の原爆資料館や、沖縄のひめゆり平和祈念資料館等の戦争資料館をいくつも拝見して、心底打ちのめされ、涙してきました。戦争は何よりも愚かな人間の行為です。平和を祈る心は、国境も民族も宗教も関係なく、等しく人類共通の願いなのです・・・・。 

 その後、「老門東」の明清代の古民家群を拝見。SM号スケッチブックに20分程で一枚スケッチ。夕食はこの辺りのレストランで、南京大学出版社の方のご招待を受けて、美味しくいただきました。特にアヒル(合鴨)の頭丸ごと煮が珍しくて、とても美味しかったです~。 

 夕食後、「夫子廟」辺りをぶらつき、印材(20元/現在1元は約15円)を購入。程よい疲れで、この日も「鳳凰台飯店」でおやすみです~。 

 

朝食後、街を一人で散策。昨日の夜に見付けた大きな書店「鳳凰国際書城」を撮影。雨が降ってきたよ~。 

 

南京の児童書・絵本出版社の社屋と「絵本美術館」を訪問。 

 

南京の児童書・絵本出版社にて、唐 亜明さんと。大勢の編集者・社員の前で絵本のお話。いい笑顔だね ヽ(^o^)丿 

 

私の「日本画・絵本作品図録」をご紹介。唐さんと、南京の児童書・絵本出版社社長の周 翔さん。 

 

中国の編集者からは活発な質問が飛ぶ!。 

 

唐さん、絵本作家・画家4名、通訳のお2人。 

 

私がご質問に答える。 

 

昼食は豪華なレストランで、中国の児童書・絵本出版社の社長・編集者の皆様と。 

 

「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞紀念館」を見学。平和を祈る心はいずこも同じです。 

 

「老門東」にて記念撮影。 

 

「老門東」明清代の古民家群。 

 

南京大学出版社の方々も合流して、夕食のご馳走をいただく。これは驚き!!、アヒル(合鴨)の頭丸ごと煮、とても美味です。残さず全て、有難くいただきます。 

 

南京大学出版社の皆様とも記念撮影。 

 

 今回の旅は、私には珍しく一人旅ではない集団企画旅なのですが、内容が濃くて盛り沢山です。この続きは次回といたしましょう・・・。 

 

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁