2019年9月10日(火)~21日(土) 「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海) 写生・絵本研究旅行」(12日間)の続きです。
3日目、9月12日(木)。朝食は「鳳凰台飯店」のビュッフェをいただき、チェックアウトし、車で揚州に向かいます。途中、「兜率寺(とそつじ)」という小さな寺に寄りました。ここは南京の児童書・絵本出版社の社長・周 翔さんのお気に入りの寺ということで、ガイドブックには絶対に載っていない穴場の寺で、自然な趣があります。
揚州に到着。昼食は「冶春茶社(やしゅんちゃしゃ)」という早茶(朝に茶楼で肉まん等を食べること)の有名店で、揚州炒飯(揚州が炒飯の発祥地だとか)と肉まん等をいただきました。どれもしっかりとした濃いい味だが、とても美味しい。
今日の宿は、「揚州長楽客桟主題文化酒店(長楽客桟・街南書屋)」という、古い建物をそのまま活かして、宿泊用にリノベーションしたホテルにチェックイン。平屋の部屋部屋は昔の面影のままで、とても風情があり素敵です。水回りは綺麗な最新設備です。
その後、皆さんと揚州の「東関街」をぶらつきました。「汪氏小苑」(清代の塩商人の邸宅)ここで台所をSM号スケッチブックに20分程スケッチ、「東門城楼(宋代の城門)」等を見物。ホテルに戻り、ロビーで待っている間に、絵本編集者・唐 亜明さんを数分でクロッキー。
夕食の前に、「正誼書院・汶河小学」という儒教教育を行っている小学校の校長先生のご招待で、小学校を見学。古い建物を保存・再建した素晴らしい学習環境を拝見し、こんな学校で学べる子ども達はうらやましい限りです。この小学校で創った絵本等の贈り物をいただきました。
途中、夜の「東関街」で絵画修復をしている工房を見学してから、夕食のレストランへ。小学校の先生方と出版社・作家の皆さんで、豪勢な食事を堪能しました。ここでもアヒル(合鴨)の頭煮が出ました。揚州の料理は南京と似ていますが、少し辛い料理もありました。いずれも美味です。
ホテルに戻ると、夜の「長楽客桟」を一人散策しました。庭内だけでも結構広くて見どころが沢山ありますね。揚州には、月夜が似合う・・・。こんな静かで素敵な環境で、今夜はぐっすり眠れました・・・。
南京近郊の「兜率寺(とそつじ)」にて
揚州 「揚州長楽客桟主題文化酒店(長楽客桟・街南書屋)」の趣ある部屋、予算があればゆったり連泊するのもいいね~ (^。^)y
揚州 「正誼書院・汶河小学」 校長先生と、 素敵すぎる小学校だね!
揚州のレストランでもアヒルの頭煮が・・・。南京よりも花山椒が効いていてピリ辛。
揚州のレストランにて、 「正誼書院・汶河小学」 先生方とご一緒に
「揚州長楽客桟主題文化酒店(長楽客桟・街南書屋)」の庭にて、 揚州には月がよく似合う~。
4日目、9月13日(金)。早朝5時前に鳥の声で目が覚めた私は、スケッチブックを持って部屋を出てみました。さらに、ホテルを出て「東関街」を散策。通りには、観光客はおろか、住民さえほとんどいません。朝日が「東門城楼」方向から差し込んできました。城門に向かうと、丁度、門の中央から朝日が昇るところです。これは絶景。「早起きは三文の徳」ともいいますが、まさにこのことですね。門を抜けて、古運河まで行き、そこで体操をしました。気分がすこぶる良い。「東関街」に戻ると、「東門城楼」をF4号スケッチブックに1時間程かけて、鉛筆・色鉛筆で描く。(今回の旅は集団旅行という制約上、結果的には、F4号はこの一枚しか描けませんでしたので、貴重な1枚になりました。)
この日の朝食は確か、部屋で軽食(お菓子等)で済ませたかと思います。現在の揚州は、かなり観光化されているとはいえ、古の雰囲気を今に伝える、夜の月景と、早朝の朝日が美しい、趣のある古都でした。
今日は車で南京に戻り、西寧に飛びます。途中、「痩西湖」という、西湖に似ているが細長いという湖を見物。「南京禄口国際空港」に着くと、空港内のレストランにて皆で水餃子を食べてから、チェックイン。
14:30南京 発 → 〈東方航空2747〉 (途中、石家荘で乗継55分間) → 19:30西寧 着
西寧には、2012年4月の「中国、チベット・四川省 写生旅行」 〔絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)の取材〕で一度訪れていましたが、その時は「クンブム(タール寺)」だけ取材し、夕方にはチベット鉄道でラサに向かったので、宿泊できませんでした。今回は西寧に泊まれるので実に楽しみです。
この日の宿は、「和頤至格酒店」という、これまた立派過ぎるホテルです。いつもの海外旅では、一泊150円~1000円以内(高くても2000円以内)のゲストハウスに泊まり、屋台や庶民的安レストランで食する、貧乏バックパッカー 一人旅をしている私ですが、最近、このような豪勢な招待企画旅行に参加する機会があります。日常から質素倹約を旨とする私は(実はただの極貧画家なのだが)、こんな贅沢をして、天罰が当たらなければいいのだが・・・・。今回の旅をコーディネートして下さった、南京の児童書・絵本出版社に感謝!!。
夕食は皆さんで、今、中国で大人気という「呷哺呷哺(「しゃぶしゃぶ」と読むらしい)」の店で、しゃぶしゃぶをいただく。とても旨いけど、お腹一杯です~。日本人の作家さん達も、そろそろお腹がもたれ気味らしいけど、私はまだ大丈夫~~。
今夜も豪勢なダブルベッドでおやすみです・・・。
揚州 早朝「東関街」の日の出、 この辺りからF4号にスケッチ
揚州 「痩西湖」
この続きは次回といたしましょう。
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁