少し遅れましたが、カーネル5.4.77をメインPCのUbuntu Mate 20.04.1 LTSへ入れました。
これだけでは、報告になってしまい、この記事を見ていただいている方々に面白くなく、役立つ情報として発信できていないため、これから、私のカーネルをインストールするまでの方法を記載致します。
これを読めば、どなたにでもカーネルの更新が出来ると思います。
1. kerle.orgからお使いのUbuntuのバージョンに合ったソースコードのアーカイブをダウンロード
URL https://www.kernel.org/ からアーカイブをダウンロードします。
2.カーネルのソースコードを展開
ここからは、以下を実行してroot権限で実行して下さい。
$su -
パスワード: XXXXX
※ XXXXは入力しても表示されません
#cd /usr/src <=ここへ移動します
#mv ~/ダウンロード/****.tar.gz . <=カーネルのアーカイブファイルを/usr/srcの下に移動
# tar Jxvf ****.tar.gz <= これでカーネルのソースコードが、ディレクトリとともに展開されます。
3. .configを使用する
以下、カーネル5.4.77をインストールする場合を例に説明します。
#cd linux-5.4.77 <=カーネルソースが展開されると以下のディレクトリができます。
次に.configを作成します。
方法は、以下2通り
a. 過去一度もカーネルをコンパイルしたことがない場合
#cp /boot/config-5.4.0-53-generic .config <=環境によりconfig-5.4.0.XXXXXとなっていますが、気にせず最新のものを利用
b. 以前にもカーネルをコンパイルしてインストールしたことがある場合。
# cp ../linux-5.4.76/.config . <=以前の.configファイルを流用
4.カーネルのコンパイルのためのパッケージを追加します。
以下の手順を順次実行して下さい。
#apt update
#apt -y install libncurses-dev
#apt -y install build-essential fakeroot kernel-package
#apt install git fakeroot build-essential ncurses-dev xz-utils libssl-dev bc
#apt-get install flex
5. .configフアイルをmakeコマンドにかける
#make oldconfig <=以前にカーネルをコンパイルした場合は、特段のアクションはありませんが、/bootからconfigファイルをもってきた場合は、いろいろと環境面(使用するドライバー類やチップの選択の有無、動的モジュールとして使用するか、性的に使用するかの選択など)を聞いてきますが、ここではデフォルト設定として、ひたすらEnterキーを押下
6.カーネルの詳細設定(でも。今回は設定しませんw)
#make menuconfig
上記を実施すると、次のような画面が出てきます。
ここで、「RAB」キーを使って、< Save >のところまで移動し、enterを押下します。
ここで、OKを選択してEnterして最初の画面に戻ります。
ここで、「TAB」キーを使って< Exit >を選択してEnterを押下して、この画面を終了します。
ここまでで、カーネルの設定が完了となります。
7.カーネルのコンパイル
以下を入力して下さい
#CONCURRENCY_LEVEL=8 make-kpkg --rootcmd fakeroot --initrd --revision=YYYYMMDD kernel_image kernel_headers
備考)
CONCURRENCY_LEVEL=8 <=4コア8スレッドの場合は、8。もちろん8スレッド可であっても、4と入れて実行も可能。
その分コンパイルの実行時間が遅くなります・・・
YYYMMDD <=コンパイルした日付を入れましょう
8.あとは、ひたすら待ちます。
PCの性能に依存します。
暫く待ちましょう
9.できたカーネルパッケージをインストール
コンパイルが終了すると
#cd /usr/srcを入力して
#ls を実行すると
linux-headers-5.4.77_YYYYMMDD_amd64.deb
linux-image-5.4.77_YYYYMMDD_amd64.deb
ができていれば成功です。
10.カーネルパッケージをインストール
以下を入力して、エラーが出なければ、再起動をさせて下さい。
#dpkg -i linux-headers-5.4.77_YYYYMMDD_amd64.deb linux-image-5.4.77_YYYYMMDD_amd64.deb
無事に起動できたら、新しいカーネルで動いています !
これだけの作業ですが、いろいろと初めての場合は不安になるかと思いますが、
私は毎度これでカーネルの更新をしてます。
是非、トライして頂ければと思います !