【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =213=

2019-12-12 05:55:20 | 浪漫紀行・漫遊之譜

≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡ 

= 「米と魚の国」と呼ばれる自然に恵まれたバングラデシュ = 

- モンスーンと大河川の氾濫が食料の供給に大きな役割を果す - 

人々の食生活は「米と魚を食べるベンガル人」と言われている

【この企画はWebナショジオ_「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」】

(文=中川明紀・ライター、編集者  イラスト・史料編纂=涯 如水)

◇◆ 「東十条」は南アジアの交差点 =3/3= ◆◇ 

 

   パキスタンもサモサというらしい。なぜ、バングラデシュではサモサといわないのだろうか。そう問うと、カウサルさんは「バングラデシュでサモサというと違う料理なんですよ」という。今日の料理はなんだかややこしい。店のメニューにバングラデシュのサモサはないが時々置いているそうで、この日はあるといって出してくれた。

 目の前に出されたのはシンガラより小さい三角形の揚げ物。同じく具を小麦粉の皮で包んでいるが、春巻きの皮のように薄くてパリパリだ。中の具はやはりカレー味で細かく潰されているからかよくわからないが肉や野菜で、ジャガイモは入っていないらしい。

「サモサもシンガラも油で揚げるのは同じだけれど、大きさや包み方、具が違うんです。シンガラのほうがよく食べるけれど、サモサも町中で売られているスナックの一つですよ」

 サモサというとインドのサモサをついイメージしてしまうが、バングラデシュで食べることがあったら間違えないようにせねば。もともとインドのサモサは14世紀の初め頃に中央アジアから伝わったといわれている。時代は異なるものの、この料理もまたイスラムの流れを汲むものだ。

 シンガラとサモサを食べ比べながら話を聞いていると、またお客さんがやってきた。日本語学校に通うバングラデシュ人とネパール人の学生だ。「バングラデシュ料理を食べたことがないというネパールの友人に故郷の味を食べてもらおうと思ってきたんです」とバングラデシュの学生がいう。

 学生はカウサルさんやシェフたちと会話を交わしながら料理をオーダーしていく。言葉はわからないが、何を食べるといいか相談しているようだ。この店の料理の多くは価格の設定が安い。学生にはうれしいだろうな、と彼らを見ながら思う。

カウサルさんも、日本語学校に通う学生として2006年に来日したという。東十条に来たのは住んでいたバングラデシュ人を頼ってのことだ。「この町にバングラデシュ人が住み始めたのは30年くらい前だと聞いています。彼らを頼って少しずつ増えていき、いまは500人くらいのバングラデシュ人が暮らしています」

 学生のほか、自動車の輸入など車関連の仕事をしている人も多く、カウサルさんもその一人だ。その傍らで店をオープンしたのは2016年。「東十条界隈に食材店はいくつかあるけれど、レストランがなかったので始めたんです」

 調べてみると、以前は飲食店もあったようだ。東日本大震災で帰国者が相次いだこともあったが、最近はまたバングラデシュ人が増えているとカウサルさんはいう。「家でつくれる人はいいけれど、みんな仕事も忙しいでしょう。だから店に食べに集まってくるんですよ」

 店にいる間もガラス越しに何人もの南アジア人が行き交い、時にはドアを開けてカウサルさんたちと挨拶を交わしていた。思わず日本であることを忘れてしまいそうになる。ここはバングラデシュ人たちの拠り所なのだ。いや、インド人やネパール人もか。

 南アジアの中で比較するとバングラデシュの料理は魚や野菜を多く使い、味もマイルドではあるらしい。しかし、料理の伝来や発展より後に今の国の形が定まったことを考えると、料理に国境はあまり関係ないのかもしれない。2人の学生がハイデラーバードのビリヤニを美味しそうに食べている姿をみて、そう感じた。

次回“愛と知恵が詰まったパレスチナおふくろの味”に続く・・・・・・

◇ Samosa with Mint Chutney

・・・https://youtu.be/Sawv1O4yQ6k・・・

//////参考資料/////// 

■□参考資料: バングラデシュ料理(3/3) □■

バングラデシュ料理の菓子、軽食、飲料

牛乳と砂糖で作る菓子はミスティ(ミシュティ)と総称され、それぞれの菓子は追加する材料や仕上げの方法によって色、風味、形が異なる]。バングラデシュの菓子は甘みが強いが、生活習慣病が問題化している影響もあってか甘みが抑えられた菓子も増えている。バングラデシュのヨーグルトはドイと呼ばれ、甘みと酸味が抑えられている。ドイは素焼きの器に入れて作られるが、器の大きさは茶碗大のものから洗面器大のものまで幅広い。

主食である米は甘味の材料にも使われ、牛乳の粥、炊いたご飯をヨーグルトや果物と混ぜ合わせるなどして食べられることもある。米を甘く炊き上げてサフラン食紅で色を付けたシャヒ・ザルダは「デザートの王様」とも呼ばれ、祝宴の場で供される。

軽食はナスタと総称され、シンガラサモサなどの小麦粉を使った揚げ物、カバーブやティッカなどの肉を炭火で焼いた料理、香辛料を加えて煮た豆にタマリンドで酸味を加えたチョッポティなどが含まれる。

サモサはひき肉を中心とした具材を皮で包んで三角形に整えて揚げた料理で、シンガラは肉の代わりにピーナツやアーモンドスライス、ジャガイモなどの野菜に青トウガラシやクミンホールを加えたものが具にされる。ムリと呼ばれる炒り米、ルティやチャパティなどのパン類をバジやトルカリと一緒に食べることもナスタと見なされる。

ムリにみじん切りにしたタマネギや細かく刻んだ青トウガラシを混ぜてマスタードオイルや塩で味付けをしたものはジャルムリと呼ばれ、新聞紙で作った小さな袋に入ったスナックとして親しまれている。 チョムチョムはバングラディッシュのドーナツみたいなもので、砂糖やココナッツがまぶしてあるのが一般的である。

主な料理 : ビリヤニ - 牛乳から取れる油(ギー)を使った米と肉の炊き込みご飯。ライムが添えられる。 / キチュリ(ケチュリ) - カレー味の炊き込みご飯。 / ポラオ(プラウ) - 肉を入れない野菜だけの炊き込みご飯。 / カレー(トルカリ) / バジ / ボッタ / ローストチキン - 油で揚げた鶏肉を香辛料に漬け込んだ特別な日の料理。 / コフタ - 香辛料を加えたひき肉を丸めた肉団子。 / ピアジェ / ダール - 豆のスープ / カバーブ / サモサ / シンガラ / ライタ - ヨーグルトで和えたサラダ。 / アチャール / チットニイ - マンゴーコリアンダーの葉を入れたペースト状の箸休め。 / ミスティ / シャヒ・ザルダ - 甘く炊き上げた米。 / ラッチャ・シェマイ - 細く伸ばした麺を揚げて牛乳をかけて食べる菓子。 / カナムキ - ピーナッツを砕いて砂糖で固めた菓子。 / ヴァヴァピタ - サトウヤシの果汁と米粉、ココナッツを混ぜて揚げた菓子。 / キール - 米を使った菓子。牛乳で煮込んで甘みを付けた粥。 / ブルハニー - ヨーグルトに香辛料を加えてミントの葉を散らした飲料。

 

・・・・・明日・次節に続く

◆    Pashawari Chapli Kabab - Pashawari Chapli 

・・・https://youtu.be/Fv4jPgIDKTE・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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