【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

「90億人の食」、食に纏る世界の話題 =055=

2019-10-15 06:13:33 | 浪漫紀行・漫遊之譜

≡ 世界の人口は2050年までに90億人に達し、十分な食料を確保できるのか ≡ 

= 生のタマネギはイチゴ位の甘みを持っている = 

- 古代エジプト王朝時代には、ニンニク等と共に生のタマネギが労働者に配給されていた - 

玉ねぎの皮を剥くように、古き良きこの食材を裸に・・・・・

ここに一つの未来図がある 

【この企画はWebナショジオ_2014年4月~2014年12月期、35回記載に追記・補講した】

文=Rebecca Rupp/訳=三枝小夜子  イラスト・史料編纂:涯 如水)

◇◆ 涙なくして語れないタマネギの歴史 =2/2= ◆◇

 タマネギをナイフで切ると発生する催涙物質は、syn-プロパンチアール-S-オキシド。切って数秒もしないうちに、この物質が目の角膜に飛んできて神経終末を活性化する。刺激物質を検知した神経終末は、涙腺にシグナルを送って涙を分泌させ、侵入物を洗い流そうとする。

対策としては、タマネギを切るときにはゴーグルをする、換気扇を回す、冷たい流水中で切るなどの方法があるが、どれも絶対に大丈夫とは言えない。

 われわれをひどい目にあわせるタマネギだが、役に立つ面もたくさんある。タマネギやニンニクの汁は、あまり強くない抗生物質である。米国の南北戦争の時代には、タマネギの汁は銃によって負った傷の治療によく用いられていた。北軍のグラント将軍はタマネギがなくなったときに、ワシントンの陸軍省に「タマネギがないかぎり私の隊は動かさない」という怒りのメモを送っている。もちろん陸軍省はすぐに荷車3台分のタマネギを将軍に送った。ニンニクは第一次・第二次世界大戦中にも殺菌に用いられた。

 医薬品がないときにはこれらは悪いやり方ではないことが、現代の研究により証明されている。例えば、ニンニクの汁は連鎖球菌、ブドウ球菌、発疹チフスを引き起こすリケッチア、赤痢菌を抑制することがわかっている。ネギ属の植物を投与することは、最適ではないにしても、なにもしないよりはましなのだ。

機能性食品としてのタマネギ

 今日、タマネギはスパゲッティーのソースやシチューに風味をつけるだけでなく、治癒力や健康増進作用も備えた「機能性食品」としてもてはやされている。タマネギは細菌や真菌の成長を抑制し、その抗酸化物質はわれわれをがんや心臓血管疾患から守ってくれる。タマネギに含まれる各種の化学物質は、アレルギーや喘息から糖尿病まで、多くの疾患を軽快させることがわかっている。ビタミンやミネラルにも富んでいる。

 単なる食材として見ても、タマネギなしの暮らしは考えられない。タマネギは世界各国の料理に欠かすことのできない食材だ。タマネギの食材としての有用性を示す最もよい例は、18世紀のフランスのレストランでの逸話である。

腹をすかせた客が来たが、食品貯蔵庫にはめぼしい食材が残っていなかったので、シェフは革手袋を細切りにしたものをタマネギ、マスタード、酢と合わせてソテーして出したのだ。この料理を食べた客はおいしいと言って喜んだという。

 われわれは近い将来、タマネギに痛めつけられることなく、その恩恵を享受できるようになるかもしれない。数年前、ニュージーランドの作物食品研究所(現在の植物食品研究所)のコリン・イーディーらが、日本の共同研究者とともに涙の出ないタマネギを開発したのだ。催涙物質を作る酵素の遺伝子を働かなくする「遺伝子サイレンシング」という手法を用いて作り出されたタマネギは、従来のタマネギと同じように味がよく、栄養分も豊富に含んでいるが、われわれに涙を流させるsyn-プロパンチアール-S-オキシドは作らない。

 もうタマネギに泣かされなくていいのだ。そうなったら私は嬉しいが、皆さんはどうだろう?  (文=Rebecca Rupp/訳=三枝小夜子)

次回“ルイ14世を魅了したエンドウマメの歴史”に続く・・・

◇◆ タマネギの芯から、いくつ再生出来るか!? ◆◇

・・・・・・ https://youtu.be/wMW3v_YLfQk ・・・・・

//////参考資料/////// 

■□ 参考資料:タマネギ(2/2) □■

食材としてのタマネギ

タマネギは収穫後、表皮を乾燥させておけば長期保存が可能であり、常温でも数か月は保存が可能な食材とされる。酵素欠損による不耐症でなければ、ほとんどのヒトには無害である。アレルギー物質を含む食品にも指定されていない。

主に鱗葉を食用とするが、強い辛味・香味がある。生のタマネギはイチゴ位の甘みを持っている。糖度は高いが辛さが強いため辛く感じる。辛味は加熱すると無くなり、甘みが出る。一般的に食べられているタマネギは『イエローオニオン (yellow onion)』とも呼ばれる。日本ではエシャロットの代用とされる場合もある。

辛みの強さは、品種によって違いがある。一般に早生の方が辛みは少なく、晩生になるにつれ辛みが強くなる。しかしそれは、日本で栽培される品種を開発する過程で早生品種の親に甘い品種を使い、晩生品種の親に辛い品種を利用したためである。つまり早晩性と辛味には直接の関係は無い。また保存状態によっては辛味が強くなるため、晩生の貯蔵用品種であっても葉が青いうちに収穫してすぐに利用すれば比較的辛味が少ない。

多様の料理に使われる。サラダであればマリネなど、煮込み料理ではカレー、シチュー、肉じゃがなど、卵と共に料理するオムレツや親子丼に用いるほか、ソースなどとしてデミグラスソーストマトソースタルタルソースサルサなどの素材としても欠かせない。ネギと同様に鍋料理やみそ汁の具としても用いられる。

タマネギを切ると涙が出るのは、タマネギの細胞がスライスされた時に発生するsyn-プロパンチアール-S-オキシドが気化し、目・鼻の粘膜を刺激するためである。これを防ぐにはゴーグル等で目を覆ったり鼻をつまんだりする。ほとんどにおいては鼻から侵入してくるため、目を洗い流すだけでは痛みを緩和することは難しい。また、水につけながら切ると刺激成分が水に溶けて気化しなくなる。あらかじめ冷蔵庫で数時間冷やしておくのも良い。

タマネギを加熱し、黄色、あめ色、茶色と褐変が進行するに従ってDPPHラジカル消去能が上昇する、との報告がある。タマネギを炒めることによってメイラード反応が起こり、褐色物質のメラノイジンが生成する。メラノイジンは、抗酸化作用を有し、活性酸素消去活性、ヘテロ環アミノ化合物(発癌物質)に対する脱変異原活性などを有する可能性があるとして研究が続けられている。

・・・・・・次回へ 

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_ 『植付けから収穫した後の根切り作業』 _

・・・・・・ https://youtu.be/EM7ec7ReHds  ・・・・・・

=上記本文中、変色文字(下線付き)のクリックにてウイキペディア解説表示=

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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