【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =107=

2018-10-18 06:11:40 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=  

 第6話  JAMSTECの拳―天帝編― 

◇◆ 無我夢中のどん欲無節操ゴロツキ研究集団 =1/2= ◆◇

オールジャパンの深海調査研究計画「アーキアンパーク計画」に宣戦布告した、高井さん率いるJAMSTECチーム。その大きな野望の一つは、「深海の海底下には、太古の微生物生態系が残されているかも」というロマン先行仮説をエレガントな科学仮説として更新することだった。アイデアは、あった。

そのヒントとなるアイデアは既にあった。
前章で少し紹介した「スライム仮説」だ。

それは、「地殻内に太陽光から完全に独立し、水素によって支えられた「地球を食べる」微生物生態系(地殻内独立栄養微生物生態系:スライム)があって、それが最古の生態系ではないか?」とする仮説で、パシフィックノースウエスト国立研究所のトッド・スティーブンスとジム・マッキンリーが提唱したものだ。

ボクは深海熱水域の海底下環境にこそ、そんな微生物生態系(スライム)の超好熱性(ハイパーサーモフィリック)バージョン、つまり「ハイパースライム」が存在するに違いないと強く思うようになっていたんだ。もちろんこの仮説が完成するのは、ずいぶん後の話だった。

ちょっと解説が長くなってしまったけれども、こんな戦略の下(「その7 オールジャパンをぎゃふんと言わせる6つの策略」参照)、ボク達の「ひとりアーキアンパーク計画」の怒濤の進撃が始まった。

2000年にボクがアメリカからJAMSTECに戻ってきてから2003年までの間に、9回におよぶ微生物学的研究のための深海熱水域の調査を行った(乗船せずにサンプル採取だけ依頼したモノも含む)。それまでのJAMSTECの微生物学に関する深海調査は、潜航が数回の短期調査が1年に2回くらいあれば良い方だったので、何度も潜航する長期の研究航海を1年に数回もこなすのは、ある意味それまでの常識を覆すような激しい航海遍歴だったと思う。

2000年6月:「しんかい2000」による沖縄トラフ伊平屋北フィールド
2000年11月:「しんかい2000」による小笠原弧水曜海山フィールド
2001年5月:「しんかい2000」による沖縄トラフ第四与那国海丘と鳩間海丘フィールド
2001年6月:「かいれい」による沖縄トラフ伊平屋北、鳩間海丘、伊是名海穴フィールドのピストンコア研究
2002年1月~3月:「しんかい6500」による中央インド洋海嶺かいれいフィールド
2002年4月~5月:「しんかい2000」による沖縄トラフ伊平屋北、伊平屋凹地フィールド
2003年7月:「しんかい6500」による沖縄トラフ第四与那国海丘フィールド
2003年8月~9月:「しんかい6500」によるマリアナトラフTOTOカルデラフィールド
2003年8月:「ハイパードルフィン」による沖縄トラフ伊平屋北、伊是名海穴フィールド

・・・・・・・・

しんかい6500パイロットチーム <私はこうしてパイロットになりました> 2/6 =

 日本海洋事業でインターンシップを経験。念願叶って、今の仕事についた。仕事をしている実感を覚えるのは、整備をしているときだという。

「油にまみれて、汗を流すと、やってるなって感じがします(笑)」

 では、車やバイクの手入れが好きかというと、そうでもないという。 「あまりそういうのは……。でも、しんかい6500に一度乗り込むと、誰も助けに来てくれない状況に置かれます。なので、メーカーの方任せにするのではなく、かくたるところは自分たちで全部できるようになりたいと思うようになりました。そうしないと、自分たちの命が危ないので」

船上からの管理もパイロットの仕事

 パイロットの仕事は、潜航と、整備。 もうひとつある。航法管制だ。この航法管制にも、片桐さんは大きな関心を持っている。

 母船よこすかの上で、しんかい6500と交信をする役割である。よこすかとしんかい6500の間には、水中通話機があるが、電話線でつながっているわけではない。携帯電話のように、電波を飛ばしているわけでもない。交信は、音波を使って行う。よこすかにもしんかい6500にも、音を出す装置と受ける装置が備わっている。

 ちなみに、しんかい6500の音波を受けたり出したりする装置は、頭の部分にある。しんかい6500が、自分の位置を把握できるのも、この交信システムがあるからだ。

「実際には、船からの指示は司令の判断なのですが、それを伝える言葉などには、気を遣いたいと思っています」

 ところで、潜航中のコパイロットの仕事には、どんなものがあるんですか?

「これは、コパイロットによっても違うと思うのですが、私の場合は、操船ではないと思っています。操船はパイロットの仕事で、コパイロットの仕事は、それがうまく行くようなサポートです。あとは、研究者の方が、洋上にいるのと同じような環境を作ること。それから、一番大きいのは、命の管理ですね」

 命の管理。それは、具体的には?

「たとえば、耐圧殻内への、酸素の放出量の調整です。これはバルブの開閉で行います。結構、みんなが興奮すると酸素は早く減るので(笑)、細かく管理しています」

 なんと、そんなことがあるんですね、面白い。 ちょっとこの辺で、もう一人のコパイロット、池田瞳さんにも伺います。
 深海に興味を持ったきっかけは何ですか?

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : 沖縄熱水域の海底下に生命圏の限界を見た!

  

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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