【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

めくるめく知のフロンティア・学究達 =008= / 今村文彦(08/16)

2020-03-27 06:13:13 | 浪漫紀行・漫遊之譜

2011年3月11日 東北地方沖でのマグニチュード9の巨大地震による巨大津波

場所によっては波高10メートル以上 遡上高40メートル以上を記録

宮城県・岩手県・福島県を中心に 北海道から関東地方の太平洋岸に膨大な被害

近代都市を襲った史上はじめての巨大な津波

私たちは何を学び、これから何をすべきなのか / 津波研究者・今村文彦

【この企画はWebナショジオ_【研究室】「研究室」に行ってみた を基調に編纂】

(文=川端裕人/写真=藤谷清美 & イラスト・史料編纂=涯 如水)

  今村文彦・これだけある“都市を襲う津波”の脅威 =1/3= ◆◇

   前回=実は“2つの津波”が重なっていた=は、津波発生のメカニズムや、破壊力を増した要素を、どちらかといえば、基礎科学、理学よりの方向から説明していただいた。

 ところが、津波が陸地に到達した時点から、純粋なサイエンスというよりも、応用科学や工学の言葉で語るテーマが多くなる。実際に、被害が出るのだし、防災のためには様々な工学的発想が要求されるわけなので、当然だ。

 今回の津波は、やはり特別な事情があり、防災やそのための工学にかかわる知見を、多くもたらした。

「近代都市を襲う津波というのは、我々にとって、人類にとって、まったく新しい状況だったんです。もちろんインドネシアのスマトラ島でも都市が被害を受けたし、海沿いのリゾート地がやられたことはこれまでにもあります。でもこれだけの規模の都市がいくつも被害を受けたことはまったくはじめてのことでした」

 今村さんが、「都市を襲う津波」というテーマで、挙げた論点は3つ。

 建築物に関すること。自動車・船などをはじめとする漂流物の問題。そして、火災、だ。

 それらについて、それぞれ総括してもらうと、こんなふうになる。

 まず建築物は意外に丈夫だったらしい。

「1978年(宮城県沖地震)頃から耐震基準が上がってきまして。大体目安として鉄筋鉄骨コンクリート造の建物の3階以上だと揺れに対する耐震基準をクリアしていれば、津波に対してもおおむね大丈夫と分かりました。

今回、例外的にコンクリートの建物が被害を受けたところがありまして、それは岩手県の女川なんですけども、あれはどうも地面が液状化して、基礎がだめになって、地面の上に建物が乗っかってるだけの状況になっていたようです。そこに10メーター級の津波が来て、ごろんとひっくり返って100メートル以上も流されたと」

 地面が液状化した状態で津波を受けてしまうとさすがに被害を受けるというのはともかく、3階建て以上の建物が基本的には津波に耐えた、というのは大きな事実であり、今後にも役立つ情報だ。

 もっとも、建物が耐えるが故に、逆に厳しい状況が引き起こされることがある。

「津波が来たときに建物はなんとか耐えます。すると津波の水は、建物と建物の間を通過します。そうすると、そこに津波のエネルギーが集中して、加速してしまうんです。さらにそこに、車があったり、船が流されてきたり、ほかにも様々な漂流物があるので、そういったものがぶつかって破壊が進んでしまうんですね」

ちなみに、今回の津波で流された車の数は23万台。日本自動車販売協会連合会の統計サイトによると、2002年以降の月間自動車販売数(登録車ベース)は、少ない月でも10万台後半、多いと40万台ほどあって、平均は20数万台くらいになりそうだ。

・・・・明日に続く・・・・・

◇ 地球規模大災害と国際協力 ~インド洋津波から見えるもの~

・・・https://youtu.be/UCrLXh0HosA・・・

動画再生不能の時は上記URL(⇑)をクリックしてください 

//////参考資料/////// 

■□ 参考資料: 追跡 震災復興5年 (3/4) □■

――研究分野の一つである津波シミュレーションは震災後、どのような発展を遂げたのでしょうか。

 東日本大震災による被害の実態を生かして、技術的にステップアップしています。これまでは過去の震災をもとにシミュレーションをしていました。気象庁の津波警報なども同じです。想定箇所で、あるマグニチュードの地震が起こる可能性が大きいために、何万ケースかを事前にシミュレーションしておきます。実際に発生した際、一番近いマグニチュードの場所をピックアップして結果を出すのです。

 ただし、震災では想定どおりにいきませんでした。だから津波警報の高さが過小評価になったわけです。今後、研究が進んでも想定外は起こります。それならば、津波をリアルタイムで観測して、その情報を使った予測をするのが一番だと考えました。できるだけ早く情報をキャッチして、その情報から波源を決めて伝播計算すれば見逃しはないはずです。

 そのためには観測網と処理速度がものすごく速いコンピューターが必要になります。たまたま、震災前の年からスーパーコンピューター「京」のプロジェクトが動いており、東北大学や関西大学、中央大学、徳島大学、港湾空港技術研究所、海洋研究開発機構などが津波課題の解決のために参加していました。結論から言うと、このプロジェクトで、シミュレーションの課題を技術的に解決できました。

――具体的には、どのようなことが可能になったのでしょうか。

 一つ目が先ほど説明したように、リアルタイムで波源を推定して予測します。海底に敷設したケーブルにセンサーを付けて、地震や津波の発生源により近い場所で情報を収集。そのデータ使って波源を逆解析して、水面の変化をみることができるようになりました。

 二つ目が複合的な津波の挙動解析を可能にしました。海底で地震が発生すると、まずは津波という現象が起こる。海水の動きですね。さらに今回の震災では、海底から土が運ばれたり、引き波で陸からの土が持っていかれたりする土砂移動が各地で見られました。そのほか、船や車、タンクなども漂流物として動きました。それら三つの現象を、かなりの精度で表せることができるようになったのです。津波複合災害の予測ですね。

 我々は震災前後の地形を比較して、震災による被害を再現してみました。浸水範囲はほぼ再現でき、かつ堆積や侵食などによる地形変化は6〜7割の精度で表せました。例えば、津波で発生した土砂の渦なども再現しています。震災当時、県の防災ヘリコプターが飛んで、海面の映像を残していました。それと比較すると、津波で発生した土砂の渦の位置などもだいたい合っていました。

――今の研究のレベルでは地震発生から何分ぐらいで伝達が可能になるのでしょうか?

 津波の解析自体は1分程度で終わります。ただし、最終的に浸水範囲を特定したとしても、データを送信する時間が必要です。地震発生から津波範囲の情報を出すまでを10分に短縮することに成功しました。

――この成果がどのように使われることを期待していますか。

 現状では気象庁が警報で津波高さを3mや5mといった数値で表示していますが、今後は数字の代わりに浸水範囲を画像として出すことも技術的には可能です。研究メンバーには気象研究所の研究員がおり、日本の津波警報システムを変えることも視野に入れています。海底ケーブルとかがあっての技術なので、東北から東海、東南海のエリア限定ではありますが。

明日に続く・・・・・

  • 平成25年度復興大学公開講座 今村文彦講師(2/3) 

・・・https://youtu.be/zDcXa5-Lpe8・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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