【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

「バックマン」と呼ばれる西田賢司 =070=

2019-04-20 06:16:31 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 命のことを知らずして、命の大切さは理解できない” ◎〇

= 探検的調査を実践する “探検昆虫学者” 西田賢司 =

【この企画はWebナショジオ_“「コスタリカ 昆虫中心生活」” に追記・補講し、転載した】

 中米コスタリカで新種の昆虫を見つけまくる男! 「バックマン」

曰く 『昆虫は、僕たちに自然の変化を教えてくれる一番身近な存在です』

◇◆ =070= 番外編・新種ツノゼミの名は “傷ついた葉・西田” ◆◇

   ツノゼミ研究者のMatt Wallace博士からメールが入った。 「やあケンジ、ぼくの最新の論文をいちばん初めに君に受け取ってほしかったんだ」  添付されていた論文のPDFには、8カ月ほど前にぼくが採集したツノゼミが、新属新種として記載されていた。 この連載の「第76回 ツノゼミの名前がわかるまで、研究者たちは熱く語り合う」で紹介したツノゼミだ。

  あれでもない~これでもない~と、研究者たちを熱く語らせた、あの緑色に茶色い模様が入ったツノゼミ(上の写真)は、これまでのどの属にも属さない新種だったのだ! さすがはツノゼミの専門家。 既に何かに気づいていたのだろう、だからあれほどたくさんの意見が飛び交ったわけだ。


  Wallace博士からのメールの続きには、「敬意を表し、あなたの名前をとって、この種Mutilifolia nishidai ムーティリフォリア・ニシダイと名付けたんだ」と記されていた。  おお~! 種名にぼくの名の西田が使われている。 嬉しい!

  これまでもいくつかの新種の昆虫にぼくの名前が使われたことがあるが、ツノゼミは初めて。 例によって論文が発表されてから名前が入っていると聞かされるサプライズ報告だった(笑)。

  新属のムーティリフォリアは、ツノゼミ科のSmilinaeという亜科に分類される。 だからツノゼミのSmilinae亜科が専門のWallace博士が記載したわけだ。 論文によると、このツノゼミのオスの交尾器の一部のかたちが、これまで記載されている他の属と極端に違うので、新属となったということ。

  ムーティリフォリアという属名の由来はこのツノゼミの横から見た風貌(上の写真)。 傷ついた葉に擬態しているように見えるので、ラテン語のMutilus「傷ついた」とfolia「葉」を合わせて、Mutilifolia「傷ついた葉」としたそうだ。

  メールの最後に、「ツノゼミ研究への協力と、すばらしい野外調査に感謝するよ!」とあった。

  フィールドにいて、これまでに知られていなかった生きものたちのことを世界中の専門家と共有したり、発表したりして多くの方々に知ってもらうことは楽しい!ささやかながら科学やメディアに貢献できることに日々感謝している。 このことが、ツノゼミのホームページのニュースにも載りました。

http://treehoppers.insectmuseum.org/public/site/treehoppers/home/news 

 動画: 奇妙過ぎる姿のツノゼミたち : https://youtu.be/cZDlS04rqlE

 

軍隊アリ-2

 Ӂ グンタイアリはほんのり鰹だしの香り Ӂ

  朝、目が覚めた。手の指の先にアリが這っている。別の1匹が枕元へと歩いてくるのも目に入った。 我が家にすんでいるオオアリたちだ。 ふだん明るいうちは隠れたところにいるオオアリがベッドまでやってくるとは、これはもしかして?

  そう思って部屋の中を見渡すと、案の定、グンタイアリの群れが獲物を探していた。 第77回でも紹介したが、グンタイアリは圧倒的な数でたびたびやってきて、オオアリをはじめ様々な生き物を狩っていく。 オオアリたちは、壁や天井の板の隙間からワッと溢れてあちこちに散らばり(天井から降ってくることもある)、グンタイアリに感づかれないようにじっとしていた。

  このままだと、グンタイアリがベッドまでやって来て、ぼくも刺されるかもしれない。 さあ起きないと!

軍隊アリ-3

  グンタイアリはすでにいろんな影響を及ぼし始めていた。玄関のすぐ外にアシナガバチがたくさん飛んでいるのは、おそらくグンタイアリに巣をやられたためだろう。 台所では、冷蔵庫の上の鍋にすむオオアリたちが、警戒態勢に入っていた。触角を立て、感度を上げて見張りをしているように見える。鍋の中が巣になっているのである。

 失礼して鍋の中をそっと見てみると、オオアリたちが卵や幼虫、サナギなどをアゴでくわえ、グンタイアリからいつでも逃げられるように準備していた。

 台所のテーブルの上に置いてあるプラスチックの板の下にもオオアリの巣があって、そこからこんなふうに顔(頭)をのぞかせていた。 ふだんこんな「警戒」態勢はとらない。 朝食をとっていると、グンタイアリたちがやってきて、ぼくが履いている下駄の周りをたくさん通り過ぎて行く。 そして瞬く間に下駄に上り、靴下や鼻緒の周辺を「嗅ぎ」始めた。 さらにアリはお尻の針を突き刺してきたものの、ぼくは靴下を2枚重ねで履いていたので皮膚まで到達することはなかった。

  寝室をちょっと覗くと、そこはすでにグンタイアリたちに「占領」され、足の踏み場がなくなっていた。 ぼくはしばらく外へ避難して、グンタイアリの数が減るのを待つしかなかった。 3日後、またグンタイアリの群れがやってきた。昼前から家中、足の踏み場がなくなった。

軍隊アリ-4

 「どぅああはははは~ おまえさんら、また来たの?」 もう笑うしかない。 「この前、来たばかりやのに・・・スゴイなぁ~!」 この原稿を書いていたものの、パソコンを打つのも大変。 こりゃひとまず退散と、外へ出ようとして、うっかりアリを踏んでしまった。

  すると次の瞬間、何匹か踏まれたアリのその周り、半径20センチほどのアリたちがざわつくように列を乱し、少し散らばって30秒ほど何かを探すようにあちこち動き回ったのである。  1分ほどもすればアリたちは落ち着き、もとのように列が流れて行った。 だが踏まれたアリの周りには、何匹かのアリたちが集まり始めた。そのようすをじっと観察していると、どこか心配そうにしているレスキュー隊のように見えた(下の写真)。

軍隊アリ-5

  危険な目にあったアリは、危険信号を示すニオイ(フェロモン)を瞬時に体から出しているのかもしれない。 確認してみたかったので、何回か実験してみた。 大小の働きアリや兵隊アリの脚をピンセットでつまみ、少し地面を引きずってみると、あれよあれよと列が乱れるではないか! でも、踏んでしまったアリをピンセットで持って列に近づけても、列は乱れなかった。

  アリがフェロモンを出したのは確かだが、ぼくにはその香りがわからなかった。今度はアリ自体の香りが気になったので、失敬してアリを指でつまんで潰してニオイを嗅いでみた。すると、生きた川魚か、ほのかな鰹出汁のような香りがしたのである。 出汁が取れるのだろうか(笑)?

 動画: 巣へと戻るグンタイアリの行列 /  https://youtu.be/L2mzJd9ZUwg

動画: グンタイアリのかけ橋を横から撮影 / https://youtu.be/CFzR60t_YCE

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 今週のピソちゃん ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

piso-x

 ・・・・・つづく

_ シロアリVs軍隊アリ _

・・・・・・ hhttps://youtu.be/09vhpJu62Ks ・・・・・・

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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