大正から昭和にかけて秋田のマタギの青年富治は地主の娘文枝と恋仲になり、
文枝が身籠もったことを知らされます。
二人は一緒になろうにも身分違いから反対され村を追われることに。
文枝はお腹の子供も理解してくれる医者の卵と結婚、親の援助で医院を開業。
一方富治は村を追われて鉱山で働くもマタギの仕事が忘れられず、
山形と新潟の県境でマタギとして生きます。
娼婦だったイクと偶然の成り行きで結婚し一人娘をもうけます。
医者と結婚した文枝は子供が3人となるも地主の父が亡くなってから夫が変遷、
何人も妾を囲うわ暴力を振るうわで大変な日々です。
富治のことを忘れられず何年が経って二人会うことになりますが
娼婦と結婚した富治はイクを裏切ることはできません。
医者と結婚して地位も名誉も財産もあって幸せかというとそうでもなく、
娼婦と結婚してもお互いの気持ち次第で幸せだと思いました。
自然の掟の中で畏敬の念を持ちながら猟をする厳しいマタギの生活、
たまに織り込まれる性描写はリアルすぎるように思いました。
熊谷達也さんの『邂逅の森』です。
邂逅(かいこう)とは、偶然や運命的な出会いとのこと知りませんでした。
はじめはマタギの話なんて面白くないと思いましたがなんのなんの、
読んだ後に5段階で評価してるんですが、今回久々に5を付けました。
婚活中の皆さま!読書の秋にお勧めの一冊です。
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