東京都内の「まちの緑」を見て回る(深川ギャザリア、晴海アイランド、ほか全7箇所) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

だいぶ前に六本木の毛利庭園やミッドタウンなど、

街中の緑の多いオープンスペースを本ブログでも紹介したことがありました。

今日はその拡大版とでもいいましょうか、山手線や東京メトロ沿線の

緑化されたオープンスペースを厳選して巡り歩いてみました。

 

1日で7ヶ所まわったので、かなり写真の枚数が多く

前回同様にやたらと長い記事になっています。

お付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

 

【Spot.1 深川ギャザリア(江東区)】

大型商業施設とオフィスビルの間に、大きなガーデンが。

ベンチだけでなく、本棚を設置したパーゴラなんてものまであります。

イングリッシュガーデン風の混植で、色とりどりながらナチュラル感があります。

 

 

 

 

 

 

朝早かったし雨が降りそうでしたが、ちらほらと昆虫の姿がみられました。

もっとも、ここは近くに公園もなくあくまでビルの公開空地なので

いたとしても写真のような普通種ばっかりです。

左はイチモンジセセリ、右はアオドウガネですね。

 

 

 

 

 

 

ビオガーデンという、要するにビオトープのようなお庭もあります。

立入禁止のところもありますが、多分天気がよければトンボなんかも出たのでしょう。

右写真のようにコウホネも生えていました。

 

 

 

 

 

ちなみに隅田川の運河に隣接しています。

最近どこの川にもカワセミが暮らしていますので、

もしかしたらこっちにやって来ることもあるかもしれません。

 

 

 

 

 

【Spot.2 晴海アイランドトリトンスクエア(中央区)】

メトロで勝どきまで移動し、人口島の晴海ふ頭へ。

運河を渡った先にトリトンスクエアがあります。

 

 

 

 

 

 

ここも運河沿いにあります。そのため、右写真のようにウミネコなんかが見られることも。

階段を上った先に複合ビル(ややショッピングモール寄り)があります。

どんな感じかな?↓

 

 

 

 

 

曲線美を活かしたデザインが特徴。

ちょっとしたテーマパークみたいなオサレな雰囲気です。

お買い物もできるしベンチも多いので、女性受けがよさそう。

 

 

 

 

 

クローズアップするとこんなん。

いわゆるボーダーガーデンになっていて、ここも色々な植物が観察できます。

 

 

 

 

 

デートにも最適です。

意中の子を口説くのにもぜひどうぞ。

 

 

 

 

 

 

木に張り付いていたサザナミスズメ(左)と、最早おなじみのクマバチ(右)。

クマバチがとまっているのはタイワンホトトギスです。

 

 

 

 

 

そのタイワンホトトギスが多数植栽されているスポット。

ほとんど園芸用の植物ですが、バリエーションが豊富なのが魅力です。

重ねて言いますが、デザインが美しく花も華やかなので

今回ご紹介する7スポットの中では一番女性受けするんじゃないかと思います。

 

 

 

 

 

勝どきから銀座方面へ移動します。ここは交通費をケチって徒歩で(汗)。

写真は勝鬨橋の上から撮影したもの。奥に見えるのは閉鎖された築地市場です。

これのさらに奥の方、運河をひとつ越えた先に浜離宮恩賜庭園があります。

 

 

 

 

【Spot.3 GINZA SIXガーデン(中央区)】

銀座の町並み真っ只中。

絵に描いたような都心部で、GINZA SIXは昨年オープンした商業施設。

オープニング時には結構盛大にセレモニーしていましたね。

(写真の路地の一番奥にある建物です)

ここの屋上にもガーデンが広がっています。

 

 

 

 

 

 

屋上に上るとこんな感じ。

ほぼ360度銀座界隈を見渡せるようになっています。

六本木や東京タワーなんかもよく見えるので、要チェック。

 

ちなみに、お店がオープンするより前からガーデンが開いています。

 

 

 

 

 

壁面緑化もあります。

こういうのも昔はツタが一面に這っているだけのものが主流でしたが

最近では植物種が増えたり、立体的に魅せたりとパワーアップしています。

 

 

 

 

 

水盤も美しいです。休日だと子供達が中に入って遊んでいることも。

 

 

 

 

 

周りが銀座のビル街で、こんな高いビルの屋上ということもあって

鳥はともかく虫の飛来はほとんど期待できないでしょう。

……と思っていたら、1匹セグロアシナガバチが入ってきていました。

先日の台風などで地上から巻き上げられてここに着陸したんでしょうか?

いたのが1匹だけなので、営巣しているとは思えないですが……。

 

街中的にあまり望ましい昆虫ではないかもしれませんが

ここで唯一みられた生きものだったので、しっかり撮影しておきました。

(あの後職員さんに駆除されている可能性も高いですが(汗))

 

 

 

 

【Spot.4 東京ガーデンテラス紀尾井町(千代田区)】

 

さすがに銀座からここまで歩く元気はなかったので、

メトロで移動しました。赤坂見附の駅からすぐです。

エントランス前には左写真のように大型パブリックアートが設置されており、

そのほか敷地内のあちこちでアート作品が見られます。

 

 

 

 

 

その一方で、こんなせせらぎのあるワイルドなガーデンもあります。

夏場でお天気がよければ、ここもトンボなんかが出たんじゃないかと。

 

 

 

 

 

エゴノキの実を求めてやってきたヤマガラ

こんな街中のオープンスペースでも、結構暮らしているみたいです。

さすがに舞岡公園みたいに三脚構えてスタンバイするわけにはいきませんが

散策がてら探してみるのもいいでしょう。

 

 

 

 

 

シカ(トナカイ?)のパブリックアートに、ちょっとお洒落な建物も。

ちなみにここは徳川家がかつて屋敷を構えていた由緒ある土地らしく

中を歩いていてもどこか気品があります。

 

 

 

 

 

【Spot.5 東京ミッドタウン(港区)】

今度は六本木まで移動。結構短いスパンで移動しまくっています。

実はこの日、予報では午後から雨が降るということになっていたので

移動はスピーディに、1つずつのスポットにもあまり時間をかけずに

どんどん移動していきました。

 

ミッドタウンといえば言わずと知れた六本木の人気スポットですが

ビルのみでなくオープンスペースも人気で、広場ではよくイベントが催されています。

一方で写真のように、日本の山野草が植栽されたところも。

非常に限られたスペースですが、野趣に満ちています。

 

 

 

 

 

 

秋の七草たるキキョウ(左)とオミナエシ(右)も健在でした。

このほか、ミソハギやワレモコウなんかも植栽されています。

クローズアップするとわかりますが、オミナエシにはやっぱり虫が来ていますね。

写真だとイチモンジセセリだけですが、

他にキンケハラナガツチバチやツマグロヒョウモンなんかも来ていました。

 

一方、1匹だけでしたがオオスズメバチの姿も確認。

非常に危険なハチですし見つかれば駆除される可能性も高いですが

まあ、脅かさない限りは無害な存在です。そっと離れました。

 

 

 

 

 

吸蜜中のホシホウジャク。真上からバージョンです。

背中の模様や翅の色など、結構くっきりと撮れたんじゃないかと思います。

(翅がブレッブレですが、それはこの手のホバリングするがでは致し方なし)

 

 

 

 

 

このミッドタウンのオープンスペースに隣接する形で、

区立の檜町公園があります。もっとも利用者の皆さんにしてみれば

その区分けは極めて曖昧で、多分ここもミッドタウンの一部だと

勘違いしている人が多いように感じます。

つーかそこの縦割りって利用者にとっては基本どうでもいいんですよね……。

 

 

 

 

 

 

その檜町公園で遭遇した、食物連鎖の現場×2。

水面に落ちたガに群がるアメンボ(左)と、

小昆虫を捕らえたアオモンイトトンボ(右)です。

イトトンボの方は毎年ここで繁殖しているようです。

 

 

 

 

 

褐色個体にも遭遇。水辺を探せば結構簡単に見つかります。

 

 

 

 

【Spot.6 アークヒルズ(港区)】

ここも六本木。歩いていけない距離ではないですが、

やや迂回する必要があったりします。

 

アークヒルズは傾斜のある立地で、高低差のあるガーデンが広がっています。

(一部のエリアは生きものへの配慮のために入場を制限しています)

写真の場所は、位置づけとしては屋上庭園という形になっています。

木が多くて日陰ができやすいので、休憩スポットとしては美味しいかも?

 

 

 

 

 

 

ガーデン内で遭遇したお馴染みのヤマトシジミ(左)。

カタバミさえあればどこでも繁殖できるような都市順応型のチョウなので

こういう緑の濃いオープンスペースならばごく普通にみられます。

 

右はカリガネソウですね。もちろん自生というわけではないでしょうが

植栽されたものであってもあまり目にする機会のない植物です。

 

 

 

 

 

こういう水場のあるガーデンも。

アークヒルズは街区が多岐に別れているため

歩いて散策すると少々時間がかかります。

 

 

 

 

 

 

ここの水場でスズメが水浴びをしていました(左)。

水中にはメダカの姿も。放流されたものだとは思いますが、結構多数見られます。

右はお馴染みのハクセキレイです。広場をウロウロしていました。

 

 

 

 

 

【Spot.7 中野マルイ(中野区)】

大江戸線で新宿へ移動し、そこから中央線で中野駅へ。

駅前の商業施設にテラスガーデンが設けられています。

なお、この時点で13時を回っており、既に雨が降り始めていました。

 

 

 

 

 

いわゆる屋上庭園などとは一線を画しており、

小川の流れるプロムナードがビルを囲うような形になっています。

見てのとおり両サイドを植物に囲われており、

写真だと向かって左側に水が流れています。

 

見た目の雰囲気はよくいかにも昆虫や鳥に好まれそうですが

あいにくの雨につき、この日は残念ながら収穫はほとんどなし……。

一度、天気がいい時に出直したいところですね。

 

 

 

 

 

一応、ハンゲショウの葉の上にオンブバッタの姿が。

天気がよければ、やっぱりここもトンボなんかが飛んでいそうです。

 

 

 

ここで紹介したのはあくまで氷山の一角。

しかも雨天につき、鳥や昆虫の出が悪くなっていました。

23区内には他にもまだまだ花や緑にあふれるオープンスペースがたくさんありますし

意外なほど多くの生きものが暮らしているはず。

広さこそ限られますが、実質公園のようなスポットと思っていいでしょう。

お買いものや外回りの営業などで東京都内を歩くことがありましたら

ぜひお近くの「公園のような広場」に立ち寄ってみてください。

何か、面白い発見があるかもしれません。

 

 

 

【9/20 深川ギャザリアほか全7箇所で撮影した生きもの】

鳥類・・・ウミネコ、カルガモ、カワウ、シジュウカラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ヤマガラ

昆虫類・・・アオドウガネ、アオモンイトトンボ、アメンボ、イチモンジセセリ、オオスズメバチ、オンブバッタ、キンケハラナガツチバチ、クマバチ、クロウリハムシ、サザナミスズメ、スジブトハシリグモ、セイヨウミツバチ、セグロアシナガバチ、ツヅレサセコオロギ、ツマグロヒョウモン、ホシホウジャク、ヤマトシジミ

その他・・・メダカ

 

※急いでいたのでポケGOの記録はありません (相当捕れたとは思いますが)