【台風19号通過後1】暴風雨で傷ついたもの。変わらなかったもの。(鎌倉市内~いたち川) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

台風通過後の日曜日。大船駅前は前日の大嵐がウソのような晴天でした。

しかも湘南モノレールは朝から開通。後述しますが江ノ電も動いていました。

翌日が雨で動けない可能性があることを知っていましたため

朝から大船駅よりモノレールに乗り、まず江の島に向かいました。

右は江の島駅のテラスからです。富士山もくっきりと見えました。

 

江の島→鎌倉→大船→いたち川とめまぐるしく移動するため

写真の数が半端なく多いです。そのため、サクサクと進めます。

 

 

 

 

 

 

江の島駅から江の島に向かう途中。プリンソフトを購入しました。

すぐ近くのローソンの看板が大きく破損していたので

ソフトクリーム屋が普通にオープンしていたのに驚きました。

 

 

 

 

 

江の島に渡ると、当然ながら若干平時より人は減っていたものの

インバウンドも含め、それなりに観光客は来ていました。

ハヤブサがどうなったのか気になりましたが、

残念ながら営巣ポイントに行く道は立入禁止となっていました。

 

一昨年の台風でも生き延びただけに、無事を祈りたいところです。

 

 

 

 

 

境川からの濁流と海水がぶつかり合い、こんな色になりました。

今はもう元通りになっているかもしれませんが、

この奇妙なコントラストは現地で見てみないと実感が沸かないでしょう。

 

 

 

 

 

 

海岸線は、割ときれいなところとゴミだらけのところで両極端。

目立つポイントを優先的に片付けたのかもしれません。

 

 

 

 

 

そんな海岸線に漂着していたカツオノエボシらしき物体。

橋の上から思い切りズームして撮ったものなので、ちょっと自信はありません。

遠距離では識別に困るくらい、奴はビニール袋に似ています。

カツオノエボシは泳ぐことができずただ潮に流されるだけなので

ああした台風や大波の後には、よくこうして砂浜に漂着します。

 

善意でゴミ拾いしている時に、うっかり触れて病院送りにされたりしないよう

海岸線を歩く際にはくれぐれもお気をつけください。

 

 

 

 

 

屋根のイソヒヨドリ♂

 

 

 

 

 

上記の通り、朝から走っていた江ノ電。

夜の内から点検を行っていたという話です。

 

 

 

 

 

 

江ノ電で鎌倉へ。かつて「花をたずねて鎌倉歩き」で案内していただいた

鎌倉周辺のお寺より、とりわけ昆虫類が集まりやすそうなスポットに絞り、

寺社めぐりを行いました。写真は鎌倉駅前の大巧寺

ムラサキシキブの実がちょうど熟していました。(右写真)

 

 

 

 

 

川の濁りについては、私が想像していたよりは軽かったように感じます。

少なくとも、サギ類が魚を捕るには十分でした。

 

 

 

 

 

玄関先の花で吸蜜するウラナミシジミ

このほか、同じ花でヤマトシジミの姿も見かけました。

 

この日初めて撮影した昆虫だっただけに

何とも言えない安心感がこみ上げてきたものです。

よくあの暴風雨の中を生き延びられたものだな……と。

 

 

 

 

 

 

ぼたもち寺という異名で呼ばれる、常栄寺

面積は狭いながらも「草庭」という雰囲気で

とりわけ昆虫達に好まれやすい環境だったりします。

ササキリと思われる鳴き声が複数聞こえましたが、姿は確認できず。

 

なお、一部の植物は風で薙ぎ倒されていましたが

大きな樹木がやられたりすることはなく、ダメージは小さかったようです。

 

 

 

 

 

常栄寺のハギの花を訪れた、翅がボロボロウラナミシジミ

先日の台風でやられたのか、その前に天敵にやられたのか……

いずれにせよ、こんな状態でもほぼ問題なく飛べていました。

 

 

 

 

 

江ノ電に乗り、長谷寺へ移動。

こんな日でも普通にオープンしていましたし、境内は至って穏やか。

川から水が流入しているわけではないので当然ですが

池の水は澄んでおり、アメンボやコイなども無事でした。

 

 

 

 

 

境内の展望台から。

こうして俯瞰する限り、倒壊しているところはなさそうでした。

強いて言うなら一部の塀が倒れていましたが、本当にごく一部です。

 

 

 

 

 

境内の入口前。写真中央下のこんもりとしたハギの株に、

カメラを向けている方がいました。何故か?↓

 

 

 

 

 

 

この1株のハギに、ウラナミシジミ(左)やキタキチョウ(右)など

パッと見ただけでも10匹以上の小昆虫が訪れていました。

本ブログではオミナエシ・オトコエシやフジバカマなどを採り上げてきましたが

意外とハギも「虫を呼ぶ」効果が高いようです。

 

ただし花が小さいので、集まる虫も小さなものが中心。

アゲハチョウなどの大型種では腹の足しにならないかもしれません。

 

 

 

 

 

 

長谷寺の裏手に位置する行時山光則寺。

ここも山野草が多く、昆虫類が期待できるスポットです。

右は、ホトトギスを訪れたヤマトシジミ

 

境内のダメージは特に確認できませんでした。

 

 

 

 

 

名物のクジャクも健在。

野生域ではコブラすら食うという獰猛な鳥なので

例え檻越しであってもちょっかいを出すのはやめましょう(汗)。

 

 

 

 

 

何の前触れもなく、湿った地面に現れたオオスズメバチ

いきなり足元に出てこられたのでさすがに私もビビりましたが

飛び上がることもなく、濡れたアスファルトの上を歩きながら

マンホールの穴の中へと消えていきました。(謎)

 

藪の中などに突っ込まないよう細心の注意を払っていても

「いきなりエンカウント→驚かせて迎撃モード→刺される」という

理不尽なことも起こる可能性はありますので、お気をつけください。

気をつけたって刺されるから理不尽なのですが

 

 

 

 

 

 

鎌倉駅に戻り、小町通りへ。

午後になり風が落ち着いた辺りから、観光客が増え始めました。

一部を除いて飲食店も開いており、人力車も稼働中。

 

ここだけ切り取ると、前日に巨大台風が通過したとは思えないほどです。

私が見る限り、鎌倉は大ダメージを受けたようには感じませんでした。

少なくとも先日訪れた二子玉川と比べれば。

ただ、山肌の地盤は依然として緩い可能性がありますので

今週末の雨が気になるところです。何事も起こらなければいいのですが……。

 

 

 

 

 

ただ、北鎌倉駅前では大木が1本倒れ、残念なことに。

また、駅近くの東慶寺明月院はこの日閉鎖されていました。

北鎌倉駅周辺は風が強く、倒木などのダメージがあったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

中には入りませんでしたが、北鎌倉古民家ミュージアムは開館していました。

右は玄関前の白いハギを訪れていたウラナミシジミです。

 

季節的なものもあり、この日はとにかくウラナミとよく会いました。

元々個体数の多いチョウではありますが、あの台風が直撃してもなお

変わらず姿を現してくれたのは結構嬉しいことです。平時の倍の感動があります。

 

 

 

 

 

アブラムシを食べにきたものの

(仲間の)アリに追い払われているナナホシテントウ。

 

 

 

 

 

昼過ぎにようやくJRが回復し、鎌倉から横須賀線で大船に移動。

日が暮れるまでの間にいたち川の流域を歩いてみました。

 

河川氾濫のニュースがお茶の間を騒がせていますが

源流が山岳域にないためか、いたち川は割と落ち着いていました。

水もあまり濁っておらず、辛うじて川底が見えるところも。

 

 

 

 

 

 

コサギも健在。やはりここも魚を捕るくらいの透明度はありました。

右写真は、川の中のコサギを撮る散歩客です。

 

1日目はこんな感じ。結論として、やはり思ったほど荒れてはいませんでした。

むしろ先月の15号の方が荒れたんじゃないか?と思うほど。

ただ、また来年以降も同じような大型台風が上陸する可能性も高いわけで

無事のありがたみを噛み締めて、次の災害に備えたいところですね。

 

2日目(日曜日)は雨の中、里山ガーデンに行ってまいりました。

そちらは明日以降にお送りいたします。

 

 

 

 

【今日のカワセミ君】

いたち川に出現。狩りも試みていました。

撮影できたのは1羽だけでしたが、別の場所で何回か声は聞きました。

 

 

≪2日目に続く≫