静と生(花を訪ねて鎌倉めぐり) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

先日の台風上陸直後に訪れた時以来になりますね。

再度鎌倉に足を運びました。この日は毎月恒例の「花を訪ねて鎌倉めぐり」の日。

前回の江の島編と同様、少し早めに出かけて集合時間前にぶらつきました。

 

上の写真は北鎌倉駅前です。前回、倒木があったと紹介しましたが

その木(と思われる)が短く伐られて並べられていました。

そのまま処分するのもアレなので、木工か何かに使うのかもしれません。

(考えてみれば結構用途はありそうですしね)

 

 

 

 

 

 

前回、倒木などがあったのか閉園していた北鎌倉駅近隣の東慶寺へ。

この日はちゃんと復旧しており、境内を見学できました。

コゲラ(右)やシジュウカラなど、オーソドックスな種ではありますが

野鳥が飛来しているのを確認。朝早くで冷え込んでいたせいか、

この時点ではまだ昆虫はほとんど姿を現しませんでした。

 

 

 

 

 

東慶寺の正門前。階段沿いにリンドウが植えられています。

苔むした斜面に生えている姿は、野手に満ちた自生地の雰囲気です。

……といっても、野生のリンドウはまだ見たことがなかったりします。

昔は鎌倉にも多かったらしいのですけどね。

 

 

 

 

 

クローズアップ。葉が所々食われてしまっていますが(汗)

花はきれいに咲いており、ちょうど見頃でした。

 

 

 

 

 

最近なかなか会う機会のなかったアカタテハ

北鎌倉駅近くで住宅の外壁に張り付いていました。

ちなみに最近本ブログにしつこく出てきているのは「ヒメ」アカタテハ。

よく似ていますが、比べてみると色や模様の差は結構大きいです。

 

東慶寺を散策した後は、その足で鎌倉駅へ。皆さんと合流します。

 

 

 

 

 

 

この日はバスで移動し、報国寺から散策をスタート。

一般には「竹寺」として知られる境内ですが、山野草も豊富らしく

こちらにもリンドウが多数植栽されています。

枯山水風の庭もあり、インバウンドには草花よりもそちらが人気のようです。

 

右写真のリンドウは、ホソメヒラタアブが吸蜜に来ていましたが

筒状の花ゆえに蜜腺が深く、身体ごと中にすっぽり入らないと届かない模様。

 

 

 

 

 

マンリョウ(万両)センリョウ(千両)ジュウリョウ(十両)……など

金の臭いが漂ってきそうな植物が植えられている区画。

でも、どれがどの植物かは素人にはわかりません。

先生はその辺りの識別も適格にやられていましたが

私のスキルではとても無理です。昆虫ならまだしも。

一応、下向きにしだれて実がなるのがマンリョウらしいのですが……。

 

 

 

 

 

こういう赤い実がなっている草を、この時期よく見かけるはず。

いずれも庭木として好まれていますが、見分けは上記の通り困難です。

知識が身につくまでは素直に図鑑に頼った方がいいでしょう(汗)。

 

で、これは一体なんだったっけか……。

(しだれていないのでマンリョウではないと思いますが)

 

 

 

 

 

 

「竹寺」と呼ばれているだけあって、立派な竹の並木があり、

竹を眺めながらお茶を嗜んだりすることもできる報告寺。

他にも、鎌倉らしい岩屋やちょっとした水景など

色々と魅力的なコンテンツが満載です。ツワブキもちょうど開花期でした。

 

 

 

 

 

ちょっとしたものですが、境内で見つけたクサカゲロウ

庭木にとまっていたら私でもまず気づけないのですが、

こんな真っ白な外壁にくっついていては擬態もヘチマもない……。

 

天敵が来ないから気を抜いて日向ぼっこしていたのかもしれません。

(自然度の高い鎌倉なら、いつ鳥やカマキリが来ても不思議はないですが)

 

 

 

 

 

 

こちらは旧華頂宮亭。フランス風の整形式庭園があり、

秋バラが植栽されています。鎌倉文学館ほどの規模ではないですが

バラ好きな方にはおススメのスポットです。

山に囲まれているためか、昆虫類もそれなりに飛来していました。

 

 

 

 

 

バスで移動することもありますが。「鎌倉歩き」というだけあって

徒歩で街を散策する機会の方が多いです。

あまり人ごみの多い中心街ではなく、森や山に隣接した

閑静な場所を歩けるので、静かに鎌倉の雰囲気を体感したい方におススメ。

 

ところでこういう水路、鎌倉ではあまり柵を設けません。

安易に柵で囲ったりすると景観を損ねますし

気をつければ落ちることもないので、できればこのままでいてもらいたいもの。

(境川遊水地などでは、高い柵で囲ったせいで川が見えなくなった所もあります)

 

 

 

 

 

上記の水路沿いの道を歩いている途中で出くわしたハラビロカマキリ

車道でボーッとしており、いつ轢殺されてもおかしくなかったので

皆さんと散策中ではありましたがその場で保護→移動させました。

 

あまり元気がなかったので、そろそろ寿命が近いのかもしれません。

多分メスだと思いますが、もう産卵は終わったのかも?

なお、本種も在来のハラビロカマキリでした。ホッと安心。

 

 

 

 

 

よくある名所巡りではなく、「花を巡ってry」なので

時には道端の植物などにも着目するのが大きな特徴。

もちろん、参加されている皆さんも観察に熱心です。

 

私1人だと虫と鳥関連だけの情報になってしまいますが(爆)

先生は花のみならず、コケやシダ類などについても詳しいので

市街地を歩いている中でも色々発見があります。

「文化財だけじゃない」鎌倉の魅力再発見に繋がる散策です。

 

 

 

 

 

浄妙寺の境内も拝観しました。こちらは前にも訪れたことがありますが

季節が異なるため、また違う雰囲気となっていました。

日本の寺院ながら、境内にイングリッシュガーデンがあるのが特徴。

園芸先進国であるあちらの庭ツールの販売や、石釜パン工房など

お寺とは思えないコンテンツが多く、長時間滞在していたくなります。

 

 

 

 

 

 

広い境内で、イングリッシュガーデンらしく花も多いため

昆虫も結構飛来します。左はキンケハラナガツチバチ……なのですが

よほど夢中になって吸蜜していたのか、身体中花粉だらけです。

真っ白でまるでカビが生えているかのよう……。

 

右はキチジョウソウという、スズランに近い植物です。

なんと、蕾・花・実が同じ場所に共存していました。

先生曰く、こういう三世代共存(?)はかなり珍しいことだそうです。

(キチジョウソウ自体は鎌倉市内の山中でも自生している在来植物です)

 

 

 

 

 

イングリッシュガーデンに現れたクダマキモドキを捕獲し

指に乗せて正面から撮影してみました。

目が印象深い。とても印象深い

 

 

 

 

 

おなじみのヒメアカタテハ

ホシホウジャクと同じくらい、最近出過ぎている印象がありますね。

それだけあちこちでエンカウントするのでしゃーないのですが……。

 

 

 

 

 

地味ですが、こんな新顔にも遭遇しました。

ホシハラビロヘリカメムシというそうです。

ホシ(斑点)+腹広+縁(へり)カメムシということで

身体の特徴がよく現れた名前なのですが

絶対来年まで覚えていられません。

うっかり来年も新顔登録とかしてしまったらそれとなく突っ込んでください。気づけたらの話ですが(爆)

 

遭遇率・・・3 (見たのはこれが初めてじゃないです)

インパクト・・・2

美しさ・・・2

俊敏性・・・3

 

 

 

 

 

ジョウビタキのメスが飛来していました。

いよいよ冬も近いということでしょう……。

 

 

 

 

 

 

ランチは、江戸料理の老舗「八百善」で。

一般的な和食とはまた少し違います。

一つひとつがとても丁寧で味付けが上品。

器にも非常に気をつかっていらっしゃいました。

 

 

 

 

 

ランチ後、先生達と別れて鶴岡八幡宮へ。

アオサギが1羽来ていたほか、冬のカモであるヒドリガモ・オナガガモ

少数ながら飛来していました。もう少ししたらユリカモメも来るかも。

 

 

 

 

 

最後に、また鎌倉駅前で抹茶ジェラートを購入しました。

今回は最も抹茶の濃いものにチャレンジ(多少値は張りますが)。

 

味は……日本庭園で呈されるあの抹茶をそのままアイス化したというか

ほぼ完全に固形化した抹茶そのものと思って結構です(汗)。

ネタ的に買う人が多いのか、この抹茶Maxのジェラートが一番人気とのこと。

ネタ的な意味でも、皆さんにぜひ一度は挑戦していただきたいものです。

 

 

 

 

【11/2 鎌倉で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、ウグイス、オナガガモコゲラ、シジュウカラ、ジョウビタキ、トビ、ヒドリガモ、ヤマガラ

昆虫類・・・アオバハゴロモ、アカタテハ、アメンボ、イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、キタキチョウ、キンケハラナガツチバチ、クサカゲロウ、クダマキモドキ、ツマグロオオヨコバイ、テングチョウ、トドノネオオワタムシ、ナナホシテントウ、ハラビロカマキリ、ヒメアカタテハ、ヒメウラナミジャノメ、ホシハラビロヘリカメムシ、ホソメヒラタアブ、ヤマトシジミ

 

赤字以外の生きものは、すべて鎌倉歩きで先生に同行している間

エンカウントしたものです。自然公園の中というわけでもない割に

これだけの種類に会えるたのは結構すごいことなんじゃないかと。

街中であっても、鎌倉の環境が良いことがわかるのではないでしょうか?

 

※TPOは弁えるので、さすがにポケGOの記録はありません(汗)