都心のカモ場だからこその役割とは?(3章 皇居~日比谷公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

3章は、過去にもセットで何度か紹介してきた皇居~日比谷公園へ。

六義園からは駒込から山手線で移動し、東京駅で下車しました。

写真は東京駅前の丸の内口ロータリー。

ここは例年多数のツワブキが開花し、

イチョウと合わせて上下を黄色く彩ってくれています。

 

 

 

 

 

皇居といっても、お堀や外苑などエリアが多岐にわたりますし

全部歩いていたら時間が足りないので、

この日は北の丸公園お堀のみに絞りました。

(無料なので外苑も入りたかった気はしたのですが……)

 

本来、北の丸公園は小鳥を撮るには適しているものの

水場は小さな池1ヶ所しかなく、前回訪れた際はカルガモしかいなかったので

あまり期待していなかったのですが。行ってみるとここにもヨシガモが!

オオバンと水草(?)の取り合いをしているシーンを見かけました。

 

以前にも紹介したとおり、皇居のお堀は毎年ヨシガモが飛来するのですが

こちらの池にまで来ていたのは、自分の知る限りでは初めてです。

 

 

 

 

 

 

紅葉もいい感じに。開けた芝生広場もいいですが

雑木林の中だと空気まで朱に染まり、筆舌に尽くせません(左写真)。

 

 

 

 

 

小鳥も健在ですが、まだジョウビタキなどの冬の小鳥は来ておらず

見かけたのはほぼ留鳥でした。写真はコゲラです。

いつものように幹をカンカンではなく、木の実をついばんでいました。

 

 

 

 

 

おなじみのヤマガラ。樹上だけに留まらず、

木の根元に下りて色々とついばんでいました。

留鳥というとシジュウカラ、エナガ、メジロ、コゲラ辺りが他にメジャーですが

色合いが美しいからか人懐っこいからか、本種が一番人気が高く

珍しいわけではないながらバードウォッチャーにもよく撮られている気がします。

ちなみにヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、キジバト辺りは可愛げに欠けるからか人気は上がりません

 

 

 

カラス?お察しください

 

 

 

 

 

お堀に移動。普通にあちこちにカモが浮かんでいます。

皇居ランニング中でも多数お目にかかれるはずです。

 

 

 

 

 

オオバン(左)やハクセキレイ(右)などのメジャー所がたくさん。

オオバンは爬虫類じみた足の形といい(基本、鳥類全般がそうなのですが)

頭蓋骨むき出しみたいなデコ(?)といい、かのパキケファロサウルスを彷彿とさせます。

子供時代に恐竜にはまった経験のある同年代層なら、きっと知っているはず!(迫真)

 

ちなみにポケGOにはズガイドスという、

パキケファロサウルスをモデルにしたらしいポケモンが登場します。

レア度は高いですが、進化させた後のラムパルドはいわタイプ屈指の強豪で

特に攻撃力が高いため、レイド・ジム・ロケット団戦などで愛用しています。

なお頭が固いから防御力が高そうなイメージがありますが、あいにく紙耐久なので防衛にはクソの役にも立ちません

 

 

 

 

 

カイツブリの若い個体。羽毛が水をはじくことがよくわかります。

繁殖しているのか、お堀では結構な数を見かけます。

 

 

 

 

 

で、ここで最も人気の高いヨシガモ。今年も健在でした。

本ブログを初めて何年目だったか、初めて大雪の中茅ヶ崎で本種を撮り

レアな鳥に会えたと感動していたのが昨日のことのように思い出されます。

その後、東京でも皇居や不忍池などではありふれた存在と知って

二重弱点を突かれたポケモンのごとくショックを受けたものの……

 

じゃあ果たして、今東京に暮らしている人の何割が、

このカモのことを認識しているのか?

 

皇居のお堀なんて、アクセスは極めて簡単です。

そんな人の暮らしやビジネスと超隣接した場所に

これだけきれいな種を始め、多彩なカモが暮らしている……

その認知が未だ広がっておらず、広げる余地がもっとあるのであれば、

「生きものを身近に感じる」「東京をもっと好きになる」という意味で

とても貴重な財産なのではないかと感じるのです。

 

 

 

 

 

同じヨシガモでも、こっちは“オカ”ヨシガモ

地味ですが、キンクロハジロなどの普通種と比べると

ヨシガモと共にややレア度が高い水鳥です。

皇居のお堀ではほぼ全域に飛来しており、簡単に撮れます。

 

 

 

 

 

日比谷公園に移動。なんか自動芝刈り機が稼動していました。

メーカーはあのHONDA。自動車メーカーとして有名ですが

実はこういう公園や庭などで活躍するツールも出ているのです。

 

 

 

 

 

東京駅前と同じく、こちらもツワブキが最盛期。

花壇に列植されているのではなく、林の中に密植されています。

薄暗い林の中で、こういう明るい色の花はよく目立ちますね。

 

 

 

 

 

もういっちょ。園内のレストラン『松本楼』をバックに。

自分の知る限りでは最も密度の高い植わり方です。

 

 

 

 

 

去年凍った鶴の噴水

よく鶴と間違えられるダイサギです。

水面に移る“さかさイチョウ”がいいアクセントに。

 

 

 

 

 

別角度から。今度はモミジをアクセントに。

一緒に写るものを変えると、風景は随分変わります。

 

 

 

 

 

件のダイサギをクローズアップ。

さすがに餌付けはされていないと思いますが、

人馴れしているのか、ギャラリーが集まっても逃げようとしません。

 

 

色々と撮影してまいりましたが、

次回がいよいよ首都圏のカモ場シリーズの最終回です。

浜離宮恩賜庭園を中心に回ります。

 

 

 

≪4章へ続く≫