忘れるな。上には上がいる(見沼田んぼ・後編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

ちょっと間が空いてしまいましたが、見沼田んぼの後編です。

延々と歩きましたが、この時点では緊急事態宣言発令期間中だったものの

街中や公園の人出などはそれなりに多かったように感じます。

ただ一方で、昨今の感染者数の減り方から考えると

公園利用はやはり感染の温床になっていないんじゃないかと。

もちろん私も専門家でもないので、確たることは言えないんですけれどね。

 

なお、私の中での緊急事態宣言(?)は依然継続中です。

締め切りが来月頭に迫っておりますため(汗)。

 

ちなみに上の写真は、街路樹で見かけたキアゲハです。

 

 

 

 

 

 

道端に植えられる花としては、左のオダマキが目立ちました。

自生のものは山中に稀に見られるくらいで(そもそもこれは園芸種か)

いくら自然度が高いといえど、見沼田んぼでは観察できません。

戸田市内と比べると、使われている花の種類も大分違った気がします。

 

 

 

 

 

本ブログではおなじみの見沼自然公園へ。

さすがにもうトモエガモを始めとした冬鳥の姿はなく、

むしろ初夏に入って水面は閑散としていた感があります。

 

 

 

 

 

広場にはムラサキサギゴケの大群落が……。

背丈が低いので、こういう芝生のある場所くらいでしか

繁殖できないのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

5月初頭の見沼自然公園は、花も見所。

特にスイレンの大群落(右)は公園のシンボルとなっています。

また、ハンカチノキ(左)も何本か植栽されています。

 

 

 

 

 

あんた誰?

ゾウムシの仲間であることはわかるのですが、種名は不明です。

どなたかわかる方いらっしゃいましたらそっと教えてください(汗)

 

 

 

 

 

芝生広場周辺に植栽されているミズキの木。

この木も昆虫の貴重な蜜源となっており、

チョウやハナムグリがとまっている姿をよく見かけます。

 

 

 

 

 

新顔のハナムグリにも遭遇しました。

かなり小さく、それでいて扁平な形状が特徴的。

その形状が表す通り、ヒラタハナムグリといいます。

 

遭遇率・・・3 (昆虫エクスプローラでは遭遇率が★2)

インパクト・・・1 (コアオハナムグリより小さい)

美しさ・・・2 (ちょっと地味)

俊敏性・・・3

 

なお、ハナムグリにはありがちですが

手に持つと頻繁に「死んだふり」をします。撮影のチャンスですが、

この時自分のカメラで陰を作ってしまい、近距離なのにキレイに撮れず、

そうこうしている内に逃げられる……というのはよくある話です。(汗)

生きものとの出合いは一期一会。まずは証拠写真でも構いませんので

さっさと1枚撮るようにしましょう。

 

 

 

 

 

池を泳ぐ魚……と見せかけてアオダイショウ

かなり速く泳ぐことができ、これならカエルも捕まえられることでしょう。

なお、この池にはかなりの数のウシガエルが生息してしまっていますが

蛇がピンポイントで狙ってくれるということはないため

駆除はやはり人の手で行うしかないようです……。

 

とまあ色々な生きものを撮影していると

近くを通りかかったカメラ持ちのオッチャンに声かけられた。キョロキョロ

どこの会社にもいそうなメガネの中年男性で

営業よりはどちらかというと経理や事務職っぽい方(?)だったと記憶しています。

最初の一言は「何を撮っているんですか?」という、まあありがちな質問。

蛇と言うのも少々憚られたので(汗)無難に「ハンカチノキとか」と返しました。

が、これで話は終わらなかった。↓

 

オッチャン「昆虫には興味あるかね?」

私「むしろそっちが目当てです。 ええ、それなりには撮りますが……」

オッチャン「ここの木にちょっと珍しい虫がいるんだよ。見てごらん」

私「え~、何がいるんですか~?(←あまり期待していない)」

オッチャン「タケウチトゲアワフキっていうんだよ」

私「(?‗?)(?‗?)(?‗?)(?‗?)(?‗?)

 

 

 

 

 

聞いたことない名前と「タケウチって誰よ?」という疑問で困惑しつつ

言われるがままにシナノキという木をチェックすると

確かに小さな昆虫の姿が。(赤いの中にいます)

これがそのタケウチトゲアワフキなのでしょうか?

こんな引きの写真ではわかりませんので、早速クローズアップ。↓

 

 

 

 

 

何やコイツ

アップにするとカッコいいし

 

これがタケウチトゲアワフキらしく

上記の通りシナノキという木に営巣するアワフキムシの仲間です。

しかし後方に伸びる長いトゲは、ツノゼミ辺りを彷彿とさせます。

 

 

遭遇率・・・2 (地域によっては絶滅危惧種らしいですが、ここでは多数確認)

インパクト・・・3 (身体は1cm足らずですが)

美しさ・・・4 (マジで海外のツノゼミに負けないレベル)

俊敏性・・・3(本来は意外と活発に飛ぶ模様)

 

 

幼虫の時はシナノキの茎にオオヘビガイのような巣を作るらしく

成虫になってからもずっとここで暮らすみたいです。

(これも例のオッチャンに教えてもらいました)

にしてもこのトゲは一体何に使うのか?

異性へのアピール用か、はたまた武器になるのか……?

 

なお、聞いたことのない長ったらしい名前から何となく察しましたが

こんな生物は手持ちの昆虫図鑑にも

昆虫エクスプローラにも載っていません。

 

そんなマイナーな生物を当たり前のように知っていたオッチャン

かなりのツワモノと見えました。素直に「負けた」と言わざるを得まい……。

世の中、一つの公園や緑地に特化して通い詰める「すごい素人」も案外多いため

そうした方には、少なくともその公園についての情報量では勝てません。

 

 

 

 

 

 

ちなみに上から見るとこんな感じ。

やはりツノゼミ然とした姿をしていますね。

 

 

 

 

 

カルガモ親子のいる風景。

 

ちなみに近所(戸田市内)の公園でも、

池でカルガモがふ化したらしく、親子連れを見かけます。

先日テレビでも聞きましたが、そういうシーズンなのでしょうね。

 

 

 

 

 

公園を後にし、駅に向かって歩いている途中。

道中、ホトケノザが大群落をつくっている場所を見かけました。

野焼きの後なんかにも普通に生えてくる在来の野草で、

こういう畑や田んぼのすぐそばにはとりわけ数が多いですね。

 

 

 

 

 

交尾するナガメ

まあ、春ですからね(呪)

 

 

 

 

 

あんた誰?2

木の葉に擬態するタイプの蛾であることはわかるのですが

これまた図鑑を見てもわかりません……。

 

 

 

 

 

上から見るとこんな感じ。

落ち葉の上なんかにいたら、私でもまず見つけられません。

あるいはこういう石材に貼り付いていても

昆虫について疎い方は見落としてしまうかもしれません。

 

やはり品種名がわからないので

わかる方いらっしゃいましたらそっと教えてください。

(さっきのオッチャンだったらわかったかもしれませんが)

 

 

 

【5/5 見沼自然公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・エナガ、カルガモ、カワセミ、カワラヒワ、キジ、キジバト、コゲラ、シジュウカラ、ツバメ、バン、ヒバリ、ムクドリ

昆虫類・・・アカイロマルノミハムシ、アカスジキンカメムシ(幼虫)、オニグモ、キアゲハ、クマバチ、クロイトトンボ、クロハネシロヒゲナガ、コアオハナムグリ、コミスジ、サビキコリ、シオカラトンボ、セイヨウミツバチ、タケウチトゲアワフキ、ツチイナゴ、トゲヒシバッタ、トノサマバッタ(幼虫)、ナガメ、ナミアゲハ、ナミテントウ、ニホンミツバチ、ヒゲブトハナムグリ、ヒメウラナミジャノメ、ヒメギス(幼虫)、ヒラタハナムグリ、ベニシジミ、ホソハリカメムシ、ホソメヒラタアブ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤブキリ(幼虫)

その他・・・アオダイショウ、アカミミガメ、ニホンアマガエル、ニホンカナヘビ