【特別記事】新スコア「知名度」を導入してみた(照ヶ崎海岸&江の島) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

ご存じの通り、本ブログでは新顔の生きものを撮影した際に

「遭遇率」「インパクト」「美しさ」「俊敏性」

それぞれ点数を入れています。ここにもう一つのスコアとして

次回より「知名度」というカテゴリを入れてみようかと思います。

 

従来の4カテゴリと同じく原則1点から5点までで点数を振っていきますが

各点の目安はだいたい以下のような形となります。

 

 

 

5点・・・知らなければ恥 誰もが名前と姿を知っている生きもの

(例:カワセミ、ナナホシテントウ、ニホンジカ、スズメ、タヌキなど)

4点・・・少しでも生きものに関心があれば名前を知っているレベル

(例:アオサギ、ハクセキレイ、オオカマキリ、ハンミョウ、トビ、キアゲハなど)

3点・・・大人でも一般的にはあまり名前が知られていないレベル

(例:ノスリ、コカマキリ、シオヤトンボ、ミドリシジミ、タシギ、タゲリなど)

2点・・・一般の人ではまず名前を知らないレベル

(例:キバネツノトンボ、センダイムシクイ、キクイタダキ、ギンイチモンジセセリなど)

1点・・・非常に知名度が低く、私でも図鑑で調べてやっとわかるレベル

(例:ケブカキベリナガカスミカメ、ウラゴマダラシジミ、カリオヒラムシなど)

0点・・・超絶マニアック。ポケットタイプの図鑑では載っていないレベル

(例:タケウチトゲアワフキ、ヒラズネヒゲボソゾウムシなど)

 

注)「知名度が低い=識別が難しい」ではないので注意

 

 

 

 

 

試しに、先日鎌倉で用事がありましたため

その前に大磯と江の島に立ち寄りましたので

ここで観察した生きものに「知名度」の点を振ってみましょう。

(いずれも新顔ではなく既出種になります)

 

まず大磯・照ヶ崎海岸へ。

昨年はここでサラサウミウシを観察していますが

こうしてバードウォッチャーが待ち構えている状況では

岩礁に立ち入ることはできません。 物理的にリンチされても文句は言えません

 

 

 

 

 

待つこと数分。すぐにアオバトの群れが飛んできました。

天気が悪くてちょっと見えにくいですが……。

 

 

 

 

 

拡大するとこんな感じ。

 

 

 

 

 

Photoshopで加工するとこんな感じ。

明るさとコントラストを大分上げると、アオバト本来の色が見えてきます。

 

では本題に入りまして、このアオバト

「知名度」の点数を振るなら何点になるでしょうか?

本ブログの読者には鳥好きの方も多くいらっしゃいますので

そうした方々は「4点」くらいをつけるのではないかと思います。

 

が、ここで重要なのは「一般の視点から見てどうか」ということ。

自分がまだここまで首都圏方々を歩いておらず

生きものの撮影を試みていなかった時点では

まだアオバトの存在など知る由もありませんでした。

(私の場合、図鑑を買って初めて知った鳥だったりします)

かと言ってマニアックなレベルかというとそうでもない……

となれば、知名度の点数は自ずと「3点」くらいに落ち着きます。

 

 

 

 

 

岩礁に飛来したアオバト

久しぶりに来た私へのサービスなのか知りませんが

随分たくさん、それも結構な高頻度で降りてきてくれました。

 

 

 

 

 

でも相変わらず、なぜ数多い岩礁地帯の中で

ここにばかり高頻度で飛来するのか?その辺は謎なままです……。

 

 

 

 

 

これは……何なのでしょうか?

コアジサシ(知名度3)のようにも見えましたが

頭の模様の入り方などどこか違うような気もします……。

(わかる方いらっしゃいましたら、後でコッソリ教えてくださいm(_ _)m)

読者様からのアドバイスにより、アジサシであることが判明しました。

アジサシはその名の通り、コアジサシと同じカモメの仲間。

コアジサシよりも若干サイズが大きく、頭の黒部分の形も異なります。

 

遭遇率・・・1 (関東では飛来数がコアジサシより圧倒的に少ない)

インパクト・・・3

美しさ・・・3

俊敏性・・・5 (飛び方などはコアジサシにほぼ準じる)

知名度・・・2 (飛来数の差で、コアジサシの方がまだ知名度が高い)

 

 

 

 

 

大磯の駅舎にいたツバメです。大事に見守られています。

ツバメは……まあさすがに5点でいいんじゃないでしょうか。

こうして巣に戻ってくる姿を見たら「あれはツバメだ」

大人でも子供でも日本人なら誰でもわかる……はず。(汗)

 

これがもし「識別難易度」も加味して採点するとなると

イワツバメとの識別が一般の方にはやや難しいこともあるため

安易に5点とすることはできなかったりします。

ただ、それをやると5点になる生きものがほとんどいなくなってしまうため

「実際に見て何の生きものか正式名称を当てられるか?」ではなく

「実際に見なくてもその生きものの名前を知っているか?」

知名度の点数を振っていこうかと考えております。

(そのため哺乳類や鳥類と比べ、昆虫は全体的に点が低くなります)

 

 

 

 

 

ちなみにアオバトですが、大磯町ではキャラクター化もされ

街のシンボルのような扱いを受けています。

ですので大磯町内では大人も子供もよく知っていて

知名度5と言えるかもしれませんね。

 

 

 

 

 

で、移動しまして江の島へ。↓

 

 

 

 

 

 

あくまで仕事のついでに足を運んだに過ぎませんので

あまりじっくりと散策はしていません。

ハヤブサの無事(?)を確かめに行っただけ。

週末実家に戻った時にでも、また改めて歩き回ってみようかと思います。

 

ところで右写真の「がけ崩れ」みたいなのは

やはり昨年の台風によるものなのだろうか?

(その割には今まで全然気が付かなかったのですが)

 

 

 

 

 

ムカデを捕獲したイソヒヨドリ

本種は少し迷うところですが、やはり一般知名度は高いと言えず

一方でバードウォッチャーの間ではメジャーな存在です。

知名度3といったところでしょうか?

 

 

 

 

 

証拠写真レベルですが、ポイント到着後すぐに

ハヤブサの存在を確認できました。コロナ禍になってからは初めてです。

 

では、江の島の主役と言ってもいいこのハヤブサ

知名度で点を振るとすれば何点になるでしょうか?

ハヤブサは「縄跳びの飛び方」「特急列車」「小惑星探査機」など

様々なものに名前が使用され、速い鳥の代名詞となっています。

そういう意味では、猛禽類の中でも知名度は突出していますし

私の判断では知名度5でいいのではないかと。如何でしょうか?

 

 

 

 

 

ただ、飛んでいる姿を見て「あれはハヤブサだ」と言い切るには

それなりにバードウォッチングの場数を踏んでいる必要があります。

一般の方では、トビと誤認する人も多いんじゃないかと。

 

長らく生きものを追いかけ、自然ある場所にばかり足を運んでいると

「そうでない人が大半である」ということをつい忘れてしまいがちです。

本気で生きもの好きの「裾野」を広げたいのであれば

常に一般の視点を忘れないようにしなくてはいけないなと、最近感じています。

 

 

 

 

 

ハヤブサを観察後、名物 生しらす丼を食してから鎌倉に向かいました。

ちなみにこの日は生しらすユッケ(左上)も購入。

これがなかなか美味でした。取り扱っているお店は限られるようなので

入店する前に確認されることをおススメいたします。

 

ちなみに直接店員さんに聞いたわけではありませんが

醤油がパッケージされたものを使用しているのは

恐らく感染症対策の一環と思われます。(醤油瓶は不特定多数が触れるので)