お願いだからアライグマと呼ばないでさしあげろ(江の島) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

お天気がどんよりしているのは、まだ梅雨真っ盛りだったから。

一昨年が空梅雨、昨年は普通(?)だったが秋に爆発、今年は長雨&集中豪雨

大気の状態が安定して不安定なのがここ数年の不安の種となっています。

 

正直に申し上げますと、仕事・プライベートを問わず

私自身の活動を阻害しているのはコロナよりむしろこの不安定な天候で

取材・取引先が直接的な意味での大打撃を食らったり

私の散策スポットが台風で潰されしかも復旧の目途が立たなかったり……

また、毎年コンスタントに観察できたはずの一部の生きものが

パタリと観察できなくなったり……何かが歪み始めていると感じています。

正直、来年今年と同じような生きもの探しができるのかどうか?

常に不安が付きまとっています。可能な限り外出しているのはそのためです。

 

 

 

 

 

しかし、悪天候でありながら不安定でもあるということか

「好天」に「好転」するケースも少なくないのがまた事実。

ハヤブサのいる場所を目指している途中で徐々に雲が捌けていきました。

風はあまり吹いておらず、トビもごく普通に飛んでいます。

 

 

 

 

 

 

カワラナデシコも健在。前回訪問時より増えたかもしれません。

決してナデシコにとって良い環境とも思えないあの崖に

なぜあれだけの数が自生しているのか? 気になってしょうがねえ……。

 

 

 

 

 

ハヤブサも健在でした。1羽だけでしたし距離もかなりありましたが

この日も到着して早々に姿を見せてくれました。

彼らは昨年のあの大台風も乗り越えられたわけですが

じゃあ果たして今年の秋も凌げるのか?それは誰にもわかりません。

本当に今後どうなるかわからない。それが今の状況なのです。

 

少し前に繁殖が確認できたという話も聞きましたが

願わくば、あそこがいつまでもハヤブサの居場所でありますように。

 

 

 

 

 

顔を掻くハヤブサ。ほとんど人の手同然に

器用に使うことができます。

 

 

 

 

 

少し前まで大雨が降っていたためか

岩盤の一部が滝みたいな状態になっていました。

これに伴い岩場は一部足元が滑りやすくなっていましたため

ハヤブサのいる場所まで到着するのも

そして引き返すのにも大分時間が掛かりました。

 

 

 

 

 

天気が良くなったためか、岩の隙間から出てきたイワガニ

出てきたところで硬直してくれたため、鮮明に撮れました。

影のでき具合などからも晴天になったことがわかるはず。

 

 

 

 

 

あと気になっているのがこちら。

フォルムからして「ウ(鵜)」の仲間であることはわかりますが

ちょっと正体がわかりません。ヒメウか?とも思いましたが

何かちょっと違うようにも見えなくもない。

(少なくとも銚子で撮ったヒメウとは色が大分違う)

 

 

 

 

 

この日は稚児ヶ淵が全面立入禁止となっていたため

海の中を観察できたのはハヤブサのいた岩場周辺だけ。

また、何人か釣り客の姿を見かけましたが、

私のようにタイドプールを覗いている人はいませんでした。

 

写真、アゴハゼ(下)はわかりますが

その他の目の出っ張っている魚がよくわかりません……。

何かの稚魚? もしわかる方いらっしゃいましたら教えてください。<(_ _)>

 

 

 

 

 

 

梅雨明けに先駆けて、真夏の暑さに強い「夏花」も

次々と開花を迎えました。ペンタス(左)とジニア(右)です。

ジニアにはコアオハナムグリが訪れていました。

昆虫たちにとっても、これら真夏に咲く花は貴重な食糧源です。

 

 

 

 

 

ヨツスジトラカミキリ。比較的ここ江の島ではよく見る

花に集まるカミキリムシの一種です。

ちなみに夏の御岳山で見かけるのはヨツスジ「ハナ」カミキリ。

色は似ていますが模様は大分異なるので、すぐ見分けられます。

 

 

 

 

 

クモの巣にかかってしまったハサミムシ

サイズ差は歴然としていますが、肉食のハサミムシも

こうなったらクモの前に成す術なし。

 

写真は神社前の便所で見かけたワンシーンで

小さいながらも弱肉強食世界を垣間見た気分に。

しかし一方、上手いこと人の暮らす環境に適応することで

過酷な生存競争を生き延びている生きものもいるわけです。↓

(むしろ競争から逸脱したと言えるかもしれません)

 

 

 

 

 

以前にも紹介した、神社近くの茶屋にやってくるタヌキたち。

この日はなんと家族連れで姿を現しました。しかも子だくさん。

当然、道行く人々は足を止め、スマホを向ける……

それでも逃げ出す様子がまるでないことから

親子そろって人慣れしていることがよくわかります。

(まあ、人の方も気を遣ってあまり声を出さないようにしていましたが)

 

一方で、人の集まる観光地で鎌倉に近い立地だからか

結構な数の観光客がアライグマと勘違いしていました(汗)。

いや、普通にタヌキは関東のあちこちに暮らしていますよ(^ ^;)

 

 

 

 

 

猫とバッティングすることも。

でもケンカには至りませんでした。この時は。

 

 

 

 

 

タヌキと野良猫と人が普通に共存し、

その様子を人が観察・撮影するという

よく考えるとシュールなシーンをどうぞ。

 

左奥の方で寝ているタヌキも暢気ですが

一番器がデカいのは手前で寝ているネコかもしれません。

 

 

 

 

 

子ダヌキたちは皆元気。ケンカに見えるくらい激しくじゃれ合い

おかげで鮮明に撮るのに結構苦労させられました(汗)。

 

ちなみにタヌキはイヌ科の動物。顔の形を見ると

なるほど確かに、実家にいる犬と似ていなくもない……。

 

 

 

 

 

大雨後の水たまりで、水を飲むタヌキの親子。

 

 

 

 

 

日が出てきたからか、母親の方は途中で寝てしまいました。<(_ _)>

この写真、人によっては死んだ親にすり寄る子供達のように見えなくもない。

ここまでだらけ切った姿で寝られるのは、ここが人の所有地であり

外敵が侵入してくる恐れがないとわかっているからと思われます。

 

Facebookにこの写真を掲載して「車道近くで見ました(涙)」とか書いたら

相当数の「悲しいね」と「ひどいね」が貰えるんじゃないかと。

フェイクニュースになるので死んでもやりませんが

 

 

 

 

 

 

稚児が淵にいけない分時間が余ったので、サムエルコッキング苑へ。

こちらでも夏花を中心とした花壇が彩りを添えていました。

 

 

 

 

 

小さな新顔にも遭遇。キボシツツハムシといいます。

ハムシということもあって基本害虫なのでしょうが

非常に小さく、見た目はなかなかオシャレです。

 

遭遇率・・・2 (珍しい存在ではないらしいです)

インパクト・・・1 (テントウムシよりも遥かに小さい)

美しさ・・・3

俊敏性・・・3 

知名度・・・1 (手持ちの図鑑には載っていませんでした)

 

 

 

 

 

長くなり過ぎたので私も眠くなってしまいました。

明日(厳密には今日)取材と撮影があるので、もう寝ます。

ZZZZZ……。

 

 

 

【7/18 江の島で撮影した生きもの】

鳥類・・・イソヒヨドリ、ウミネコ、ツバメ、トビ、ハクセキレイ、ハヤブサ、ヒメウ?、ムクドリ

昆虫類・・・アオバハゴロモ、イチモンジセセリ、キボシツツハムシ、キマワリ、コアオハナムグリ、スジグロシロチョウ、ツマグロヒョウモン、トウキョウヒメハンミョウ、ナガメ、ニイニイゼミ、ハエトリグモの一種、ハサミムシ、ハナグモ、マイマイガ、ヤマトシジミ、ヨツスジトラカミキリ

その他・・・アゴハゼ、イソガニ、イワガニ、クロイソカイメン、タテジマイソギンチャク、ナミギセル、フナムシ、ホンドタヌキ、ヨロイイソギンチャク

 

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! ご期待ください。m(_ _)m