な ぜ こ こ に?(赤羽自然観察公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

今回はさらっと短めに。

午後のちょっと日が傾いた当たりの時間帯に

赤羽自然観察公園まで行ってまいりました。

 

名前の通り赤羽駅から徒歩(それにしたって15分くらい歩きますが)で行けて

自宅から埼京線に乗ればすぐなのですが、一応は東京都に位置している上に

電車に乗らなければさすがに遠いため、

緊急事態宣言発令期間中は足を運んでいませんでした。

(浮間公園は東京都内ですが、あそこは徒歩で往復できます)

 

また、浮間公園のササゴイのように目玉になる生きものがいないのも

足を運ぶのを躊躇った理由の一つ。名前の通り自然度はそれなりに高く

たまにカワセミなども姿を見せるのですが、

どうしてもお手軽に徒歩で行けて、ササゴイや冬のカモが期待できる

浮間公園の方を優先してしまいがちで、今回は随分久しぶりの訪問です。

 

 

 

 

 

こんなふうに、小川の流れる雑木林のような環境も。

 

 

 

 

 

外来種であるアカボシゴマダラが多かったですが

一方で在来のゴマダラチョウも何度か観察できました。

(すぐ逃げられたので写真はイマイチですが)

 

同じエノキを食草とするチョウで競合が心配されますし

実際ここ数年でアカボシの数が急増しているのを感じているため

本種が複数生き残っているのは結構嬉しかったりします。

 

 

 

 

 

ツクツクホウシキマダラカメムシ

アカボシryもそうですが、個人的に気になるのが

このキマダラカメムシが顕著に増えつつあること。

これも外来種なのですが、サクラの木などで汁を吸うらしく

最近では街中の街路樹などでも頻繁に目にするようになっています。

近いところでは、彩湖の畔の並木にやたら湧いており

あの辺の木の健康状態が気になっているところです……。

 

 

 

 

 

 

ちなみにこの日一番よく見かけたのがコレ。

雑木林では当たり前のように見かけるサトキマダラヒカゲなのですが

素手で捕獲したのは何気にこれが初めてだったりします。

 

この手のチョウにありがちな地味な配色で

人によっては蛾と勘違いしてしまいがちですが

実は翅を開くとキタテハみたいな鮮やかなオレンジ色

樹皮に擬態するために翅を閉じてしか止まらないため

図鑑でないとなかなかその美しさを見ることができないのです。

 

ちなみにこのチョウ、ほとんど樹液にしか来ません。

(花で吸蜜している姿を生まれてこのかた見たことがない)

 

 

 

 

 

こちらは翅を開いているヒメアカタテハ……なのですが

カマキリにやられたのか鳥に襲われたのか、翅が悲惨なことに(汗)

しかし何より驚くべきは、後翅がほぼ欠損しているにも拘らず

これでも割と長時間飛べることなんじゃないかと。

 

ちなみに本種は真夏より、

むしろこれからのシーズンによく見る昆虫。

ウラナミシジミやホシホウジャク等と共に、

お花畑によくやってきます。(そしてカマキリに狙われます)

 

 

 

 

 

さて、こういうふうに耕作体験用の田んぼもあり

地元の小学生などを集めてコメ作り実習などをしているそうですが

今年はどうかな……? 茅ケ崎里山公園は完全に中止してしまいましたが

こちらは一応稲を育てていることは確認できました。

 

 

 

 

 

アメリカザリガニも生息しています。

手の届く位置にいたので、素手で捕獲。

撮影してそのまま戻してしまいました。

(ここにはザリガニポストは設置していないようなので)

 

 

 

 

 

昆虫採集に来ていたらしい近くの小学生が

ヒキガエルを見つけて網をかぶせていました。

このまま放置されて小学生はどこかに遊びに行ってしまいましたが

あの後ちゃんと釈放されたんだろうか?

 

同伴のママさんが「毒があるから触っちゃダメだよ」と言っていましたし

こんなもん飼育する人はあまりいないと思うので(爆)

私が帰った後に離してもらったと思いたいところですが……。

 

ちなみにカエルの方は慌てず騒がず

飛び跳ねることもなくジッとしていました。

無駄なエネルギーを消耗しないタイプなのかもしれません。

 

 

 

 

 

あれ?田んぼにカニらしきものがおる。

もちろん淡水ですし一瞬「サワガニか?」と思ったのですが……。

 

 

 

 

 

なんと、これはクロベンケイガニじゃないですか。びっくり

今まで干潟や臨海部の公園、あるいは河口でしか見たことがなかったので

てっきり海水性のカニだと思っていたのですが……。

 

一応調べてみたところ、川の中流や水田に入ってくることもあるらしく

淡水でも生きてはいけるらしいのですが、ここは田んぼと言えど

海から大分離れており、しかも住宅街の中の離れ小島のような公園。

何でこんなところに暮らしているのか?(しかも複数確認)

産卵期には川辺に降りてアカテガニみたく子ガニをばら撒くそうですが

ばら撒けるような小川がそもそもあるのか?などなど

疑問だらけです。もしかしたら干潟で捕まえてきたカニを

誰かがここに離してしまったのか? そうでないことを祈りたいですが……。

 

 

 

【9/3 赤羽自然観察公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・キジバト、ヒヨドリ

昆虫類・・・アカボシゴマダラ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、キマダラカメムシ、コアオハナムグリ、コバネイナゴ、ゴマダラチョウ、サトキマダラヒカゲ、シオカラトンボ、チャバネセセリ、ツクツクホウシ、ヒカゲチョウ、ヒメアカタテハ、ミンミンゼミ、ヤマトアシナガバチ

その他・・・アズマヒキガエル、アメリカザリガニ、クロベンケイガニ、ヤマナメクジ

 

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! ご期待ください。m(_ _)m