あの“くびれ”の意味は一体何?(引地川親水公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

毎年、トウキョウダルマガエルの発生状況をチェックすべく

日陰が少なく熱中症リスクが高いのは百も承知で夏場に足を運んでいる引地川親水公園

写真だと一見快晴のように見えますが

実は左写真の左方向から入道雲が接近しつつあり

この後私が帰宅してから豪雨が降ったとの話です。

 

ちなみにカエルが出現するのは厳密に言うと公園内ではなく……↓

 

 

 

 

 

 

こちらの田んぼの周辺です。

用水路を泳いでいることが多く、基本的に数も結構多いので

見つけるだけなら恐らく苦労はしないでしょう。

ただ、あくまで個人の所有する田んぼですので

間違えても中に踏み込んだりするのはやめるべきです。

(さすがにそこまでの猛者は見たことがありませんが)

 

 

 

 

 

早速現れました。トウキョウダルマガエルです。

視点を可能な限りカエルの高さに合わせて撮ってみました。

危うく水路にカメラが落ちそうになって慌てたものの

驚かさず、結構な至近距離からの撮影に成功。

ちなみに浮かんでいるのではなく、

水位が非常に低く、水底に立っても半身浴になってしまっているだけです。

 

 

 

 

 

壁面にしがみつき登ろうとしている個体もいましたが

前回のアカテガニならともかく、カエルにはちょっと無理があるかと(汗)。

でも、撮影中ずっと落ちないでいたので根性はある模様。

そういや昔、志茂田景樹とマッスル北村が宙づりのポール(?)にしがみつく

変なバラエティがあったと記憶しています。クイズ番組だった気もしますが。

 

 

 

 

 

用水路周辺で多数飛んでいたアオモンイトトンボ

カエルにとっては食事となる存在でもあります。

 

 

 

 

 

一方で、カエル食事にする生きものも生息しています。

うっかり捕まれば串刺しにされます

珍しい存在ではないものの、こうしたモズなどの肉食の鳥が

コンスタントに観察できるのもまた、環境が良いことの証なのでしょう。

 

 

 

 

 

最近侵入が深刻化していた

外来種のジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)ですが

昨年、市から「駆除しろ」とお達しがあったためか

水から出され野ざらしにされた(もしくは破壊された)個体を多数見かけました。

そのためでしょうか、あの毒々しい卵塊の数も昨年より大分減り

また、卵を掻き落としたらしい痕跡も確認できました。

 

在来のタニシとは形状が大分異なるので、多分識別は容易です。

恐ろしい繁殖力を有しイネを食害するので ついでに卵がキモいので

何とか今のうちに根絶してもらいたいものですが……。

 

あ、今年はもう卵の写真載せません。キモいので。

 

 

 

 

 

以前にも紹介しました、相撲しているカエルの像。

サイズは像の方が遥かに大きいですが

やはりモデルはトウキョウダルマガエルなのでしょうか?

いや、形状からするとヒキガエルの方が濃厚かも?

(ただし、私はここでヒキガエルを見たことはありません)

 

 

 

 

 

ウスイロササキリという、名前の通り色がやや薄いバッタの仲間。

シリシリシリシリ尻尻尻と美しい声で鳴く、秋の風物詩の一種です。

 

ちなみに秋の草むらをかき分けるとコレによく似た虫が

結構な頻度で飛び出してきますが、そのほとんどはホシササキリ。

あちらは高温や乾燥に強いため、近年温暖化に伴い分布を広げているとの噂。

また、都市化にも強く、都心の公園等でも

そこそこ背丈の高い草地があればコンスタントに観察できます。

 

一方でこのウスイロササキリはやや自然度の高い環境を好む模様。

都心部では観察機会が少ない分、見られるとちょっと嬉しかったりします。

 

 

 

 

 

 

秋に差し掛かると、とりわけスズメバチの類も出やすくなるもの。

樹液を訪れることもあれば水を飲んでいることもあり

うっかり刺激しないよう注意が求められます。

 

もっとも、一定の距離を保っている分には

向こうから先制攻撃を仕掛けてくるようなことは滅多にないので

あまりガチガチに緊張するのも考えものかもしれません。

警戒心を尖らせ過ぎると、自然と向こうにも通じて

かえって刺激してしまう可能性もありますからね。

 

なお、右のスズメバチの近くにイチモンジセセリがいますが

特に襲い掛かる様子はありませんでしたし、

セセリの方も我関せずといった感じで逃げませんでした。

腹減っていない時は襲わないという不戦協定(?)でもあるんでしょうかね?

 

 

 

 

 

そして最後に、結構嬉しい新顔に遭遇しました。

ヤンマ科のトンボであることは一目でわかりましたが

妙に大きな複眼、ギンヤンマと似ているけど大分違う体色、

腹部の模様の入り方、そして異様に目立つ胸部と腹部の間のくびれ……。

いずれも過去に見たことのない特徴です。

 

正体はカトリヤンマ。名前の通り蚊を捕まえるそうですが

別に蚊だけじゃなく色々な小昆虫を捕食しているみたいなので

微妙に名称詐欺のような気がしないでもない。

 

 

遭遇率・・・1 (東北・北陸辺りで大分数が減っているとの話)

インパクト・・・4 (ヤンマの仲間だけあり大型。腰のくびれも印象深い)

美しさ・・・4

俊敏性・・・5 (ヤンマだけあってその気になれば相当早いはず)

知名度・・・2 (図鑑には結構載っています)

 

 

数が少なく、なかなか狙って撮影できるようなトンボではありませんが

エンカウント率が低いもう1つの理由として

真昼ではなく夕方に飛び回るという習性も挙げられます。

夕方といっても具体的にどれくらい日が傾いた時間帯なのかは不明ですが

この日も枝に止まって微動だにしなかった個体(寝ていた?)を

たまたま見つけて撮影できただけに過ぎません。

 

本種に狙いを絞るなら、日没まで公園に張り込む必要があるのでしょうが

しつこいようですが数が少なく、藪で待機中に蚊に喰われて

蚊取り線香が欲しくなる可能性もありますので

あんまりおススメはできない……かな? そういえばデング熱の件が完全に消えましたな

 

それより気になるのは、このスーパーモデル級のくびれ

一体何のためにあるのでしょう?

ジガバチがくびれているのは、尺取虫を麻酔しやすくするためらしいですが

本種はトンボですし、人の♀みたく♂を魅了するわけでもないでしょうし……

わかる方いらっしゃいましたら、誰か教えてください。<(_ _)>

 

 

 

【9/5 引地川親水公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、カルガモ、カワウ、キジバト、コサギ、ダイサギ、チュウサギ、トビ、ハクセキレイ、モズ

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アオバハゴロモ、アオモンイトトンボ、アカボシゴマダラ、アブラゼミ、アメンボ、イチモンジセセリ、ウスイロササキリ、オオスズメバチ、オオヒラタシデムシ、オンブバッタ、カトリヤンマ、キイロスズメバチ、キタテハ、キマワリ、クロバネツリアブ、コバネイナゴ、サトキマダラヒカゲ、サビキコリ、シオカラトンボ、ショウリョウバッタ、ツチイナゴ、ツバメシジミ、トノサマバッタ、ナミアゲハ、ヒメジャノメ、ムラサキシジミ、モンキチョウ

その他・・・アメリカザリガニ、スクミリンゴガイ、トウキョウダルマガエル、ニホンアマガエル、ヌマガエル

 

 

【9/5 引地川親水公園で捕獲したポケモン】

ウパー・・・1

オムナイト・・・3

カゲボウズ・・・1

キモリ・・・1

コイル・・・3

コロモリ・・・2

サイホーン・・・2

タマタマ・・・1

ハスボー・・・15

プテラ・・・1

ブーバー・・・4

モンジャラ・・・5

 

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! ご期待ください。m(_ _)m