毎日が実験。人の気持ちがわかる人になるブログ

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人の気持ちがわかるようになりたい人に教えています。
趣味はビールを飲むことと、和服を着ることと、自分の子を観察すること。
聴くチカラ検定の開発担当。

前回は葛藤に焦点化するということから…
「自己受容は人には手伝えない」という結論を書きました

 

 前回記事

  葛藤に焦点化する~見立てのスキル②はこちら

 


もっと自分を大切にしてよ!
という言葉は優しい気持ちから出ることが多いし
現実的な話
人が自分をないがしろにすると周囲の人が心配かけられたり
振り回されたりするからさ

たとえばワーカホリックで寝る間も惜しんで働く社長とか
社員は困るじゃない?
社長が倒れたらこの仕事は立ち行かなくなる
約束が守れなくて人からの信頼を失う
会社はつぶれるかもしれない

全部自分で抱えなきゃ気が済まないっていうのは
現実逃避からの自己満だし
長くパフォーマンスを維持するために
自分をメンテナンスすることから目をそらしてる
お子さまってことなんです

こーやってなんか
自己犠牲が美徳みたいになっちゃってる人
実は「人の役に立てられなくなったら自分は生きる価値がない」
みたいなさ
がんばり教 お役立ち教の信者ともいえるかもだし
わたしの師匠は"菩薩病"っていったけど
まあ病ってしちゃうと傷ついたりピリッとする人がいそうなので
未病ということにしましょうか
あんまり健全じゃないですよってことね

ただだからって援助者や周囲が
「自分を大事にすればいいんですよ」
って言っても強制はできないし
そんな簡単なことじゃないんですよね

まあこういう菩薩病パターンに限らず
何かしらの葛藤や矛盾が見えてきて
それをどうにかしたいっていう気持ちを本人も持っているけれど
援助者は何もできないのか??

ていうと…

なんとなく過去そういう記事かいたなあと思って探してみました

すごい昔ですねー
自分で読み直してもおもしろいですが
この時のシリーズもまあまあたっぷり書いたのでお時間あるときにね

結論はこの時と同じ
直接的には手伝えないけど
統合とか自己受容つまり

ありのままの自分を受け入れる
本来の自分を生きる

に向かっていく伴走はできそう…

心理カウンセリング(分離→統合)だとここがほぼゴール
ちなみにソウルコーチングだとこれがスタートみたいなもので
ありのままの自分を生きる
その具体的なやり方や
現実的に叶えていくためのことを扱いますね

さて今回の見立てとその後のアプローチについてのシリーズは

このあたりで終わります
やるべきことを書いたけれど
読んでできるようになるかっていうとそんなことはなく
練習がたくさん必要です

それと自分自身が葛藤を乗り越えたり
分離に気づいて統合していくことを繰り返して
人の心を理解できるようになるから
クライアント体験もいっぱいあるといいです

そのあたりをまとめてカバーするクラスが
聴くチカラADVANCEなので
援助スキルを向上したい人はきてね
わたしが直接教えてますよー

 

ADVANCEクラスはここから

リンク先の画像 曜日が間違ってたあせる

今年度の夜クラスは第3木曜開催です

 

 

さてさて見立ての話もだいぶ煮詰まってきました

 

見立てってナーニ(だいぶ過去記事)

見立ての全体像

感情への焦点化

葛藤への焦点化 ←今日はここ

 


前回と同じく

「職場で上司の人が言ってくる言葉の裏が読めなくて
いろいろやってみたけど疲れちゃった」

という人のケースで考えていきましょ

 

出てきた感情は
「職場で上司の言葉がどういうつもりか感じられなくてこわい」
「意図がわかりやすい人と仕事がしたい」

という恐れ
だったとしましょう

ついでに

「いろいろ行動を起こせるほどにバイタリティがあるけど
それが通じない時はやる気や自信が枯れやすい」

というパターンがあったとして
ここにもいろんなヒントがありそうと感じる

こういう時は…
わたしだったらこんな感じにするスキルの②まるに
要約と質問で優先順を決める

「今、~のような、こわさがある、というお話と
どうやら自分には~のようなパターンがありそうというお話と
大きく2つ出てきていますね
今日の残りの時間で
○○さんのお気持ちとしてはどのあたりをさらに話してみたい
というのはありますか?」

これでどっちか決めてもらえることもあるし
思いついたことを別の角度から話してもらえることもある

今回のケースでは
「この2つは関連していて
仕事が好きでがんばりたいんだけど
やりすぎると出る杭みたいに打たれてその環境に居られなくなってしまうような
こわさがある」

という気づきを語ってもらえたとしましょう

少しずつ自己理解を整理していって(構造化)
「がんばりたい、でもがんばると嫌われる」
という葛藤が見えてきたりします

葛藤という形で本人が認識することもあるし
認知的不協和や自己否定からの分離という形かもしれない

まあなんでもいいのです
ご本人の自己理解が進み
聴き手もある程度は理解できていけばね

で、前と同じですが
話し手さんが自分自身に気づいていく過程で
こうでなきゃダメ! という固い認知がゆるんできたり
どんな自分でも大事にしていこうとか
大丈夫なんだなっていう感覚が育ってくると

「よくわからないけどまたがんばれそうです」

という感じでいきなり解決したりもします
援助者が解決像を示しても意味がないというのはここ
ご本人が
次にどうしたいかわかったりとか
失われていたやる気が一歩でも生まれるとか
それが解決ということね

根の深い葛藤を全部どうにかしてあげなきゃとかは
思わなくていいし余計なお世話になることが多い

「もっと自分を大切にしてください」
とかいらんからね
人に言われてできるようだったら悩まないんですよ

じゃあ次は
自己理解はまずまず進んでいるけど
どうしても最後の最後で自分を受容できないという人の話
分離からの統合をできるといいな
 

 

前回、心理カウンセリングの見立てについて全体像を書きました

 

この工程の中で2の段階「見立てのためにすること」を
少しくわしく書きます


第一段階
感情に焦点化

第二段階
葛藤(あるいは認知的不協和、あるいは分離)に焦点化



感情に焦点化していくっていうのは…

「○○に対して、▲▲の気持ちを感じている」ということを
本人が自覚できるように応答していくっていう意味です

この▲▲がネガティブな感情である時は特に
心理的問題を知るための材料になるっていうわけ

ネガティブな感情にもいろいろある
 不安 恐れ 怒り 引け目 後ろめたさ
もっとたくさんあるけど
わかりやすいところとしてはこんな感じ

少しお話を聴いただけでも
これくらいの感情はわかるんだけど
これだけだとまだご本人が何が問題かを特定するには足りないことが多い

たとえば
「職場で上司の人が言ってくる言葉の裏が読めなくて
いろいろやってみたけど疲れちゃった」

というお話だったとしましょう

ほんとの気持ちをご本人がくわしく語れるまで
あんまり矢継ぎ早な質問とかしないほうがいいけど
じっくり聴いてみた話を要約するとこうだった
と考えてみてね

ここからすでにわかることは
本人の自覚はどうかわからないけれど
「職場で上司の言葉がどういうつもりか感じられなくてこわい」
「意図がわかりやすい人と仕事がしたい」
という恐れの感情と

「いろいろ行動を起こせるほどにバイタリティがあるけど
それが通じない時はやる気や自信が枯れやすい」
ということ

どっちも仮説ですよ
このあたりを詳しく語ってもらえると
仮説が少しずつ修正されたり強化されたりするわけね

詳しく語ってもらう
イコールがんがん質問するってことじゃないですよ
ご本人にも自分を探る時間が必要だし
何よりこの聴き手には放しても大丈夫っていう安心感が重要だからね

でも詳しく聴きたいので
わたしだったらこんな感じにするスキルの①まるいち

「上司の言葉の裏が読めない…というのは…」
とゆっくりめにクローズドクエスチョン

こんな感じで常にベストなスピードを探りつつ調整しつつ
問題の核心に近づいていくのです


じっくり聴いていくと
知らなかった自分にご本人が気づいていくわけだけど
そのプロセスのどこで

「そうだったんだ~
じゃあこうしてみよう」

みたいに気づき(心理的洞察っていう)が起こるかは人それぞれ

気づいた感じになるけど
また同じパターンを繰り返すっていうこともよくある

それってまあ言わずもがな
心理的洞察とは自己理解と自己受容なんだけど
深さがあるっていうことなんだよね

根深い葛藤とか
根深い自己否定とかあると浅い気づきを繰り返したりする

自己否定の上に否認を乗せてるとかさ
別にそうであってもふつうのことですよ
自分のイヤなところ見たくないっていうのはごくごく自然な心理でしょ

ということで
次は第二段階の「葛藤に焦点化」について書いてみまーす


         即席アイキャッチをつくったよ

 

このブログには「見立て」という検索ワードできてくれる人が多いらしい。
そしてシニア産業カウンセラーの資格をとりたい人など
クライアントさんの心理的問題を「見立て」られるようになりたいニーズも昔から変わらずある。

    シニア産業カウンセラー取得などなどのための逐語添削もやっていますよ。
    興味ある方はご一報くださいね。


今日はカウンセリングの見立てについて、
CC協会の旧見立て力アップクラス、
現聴くチカラアドバンスクラスで教えていることをかんたんに文章にまとめてみようと思う。


1.見立てとは

クライアントさんの心理的問題に向かってお話を焦点化していき
仮説を立て、少しずつ共有し確認していくこと。

ゴールはクライアントさんが自分自身の問題を構造的に知ること。


2.見立てるためにすること

まず話されていることに表れている「今の感情」に焦点化する。

話を聴くスキルが足りないとクライアントさん以外の登場人物の話になってしまったり
出来事や経緯を追いかけることになってしまうので注意。
 ※出来事や経緯は最低限でいい、クライアントさんが話したければ聴くけれど、聴き手に説明させるのは時間がもったいないのでできるだけ本題に早く入るのが腕です。

クライアントさん本人の感情(何に対してどう感じているのか)をヒントに
葛藤や認知的不協和を言語化できるよう手助けする。
 ※ここで解釈や分析はあまりいらない、むしろ邪魔になることが多いのでそれも注意。
本人の世界観を言葉にしてもらうことが大切。

「何が問題なのか」がはっきりわかると
クライアントさん自身がそれをどうしたいのか考えることができます。
答えは聴く側ではなくクライアントさんが持っていることを忘れずに。


3.見立てた後にすること

心理的問題を共有したあと、どうやって解決するかの話をする。
「解決像」を質問するやり方や行動計画に落とし込むやり方、いろいろある。

健康度が高いクライアントさんの場合は2の段階で解決することも多いけれど
長年の習慣や根深い問題というのもある。
「心理的成長」とか最近の言い方だと分離と統合などについてある程度の理論的知識が必要だし
知識を生かすためにスーパーバイズも受けるほうがいいです。

たくさん練習する気がある人はわたしのところに修行にきてもいいですよ。
とりあえず練習したい人はアドバンスクラスにどうぞ。

 

クラスについてはここから

 

 

 

4.見立てがうまくできない理由

 

まずは基礎スキルの不足。

最初に、どんな相手でも「正確に」「感情を理解しながら」聴けることは支援職として最低限だと思っています。

ここが自信がない人はベーシッククラスで鍛えましょ。

 

基礎スキルは身についてるけど長くやっても見立てが浅い人は、

感情と心理的成長の理解不足。

自分の感情を細やかに言語化して、自分の葛藤をどれだけ統合してきたかでできることは変わってきます。

自分がカウンセリングを受けまくるのもよいと思う。

教育分析というやつですね。

スーパーバイズと教育分析は別々の人に受けてね。

 

 

見立ての定義は過去に多少くわしく書きました。