このままでは終われない【コロナ禍】 | 横浜 コーディアル司法書士 所博之

横浜 コーディアル司法書士 所博之

LECと伊藤塾を通じて司法書士講師業25年のキャリアを活かしたブログ

緊急事態宣言が解除されたのもつかの間、また感染者数が世間を騒がす事態となっています。

弊所は6月に入り、徐々に元に戻りつつありますが、以前と比べるとまだまだといったところです。

7月14日からスタートした「家賃支援給付金」も、5月以降の売り上げが基準だったため、弊所も申請ができることになりました。

コロナ禍でも、影響のない後見の仕事の大切さを感じています。

 

 

さて、このコロナ禍のなかで、「このままでは終われない」といったことを実感したケースを紹介します。

まずは、神奈川県司法書士会が主宰する常設労働電話相談(毎週水曜午後1時から4時まで)を担当したときのことです。

日本人で海外在住の方からの電話相談でしたが、聞けば、横浜に本社を置く会社から、海外在住でも出来るテレワークの募集があったため、応募し採用となったものの、2か月分程、給与未払いとなっているため、回収したいという相談です。

 

勤務実績は、LINEを使って勤務体制に入った連絡をし、勤務を終えたときもLINEで報告するというもののため、証明できるとのことでした。弁護士に依頼すれば、着手金にも満たない給与の額のため、司法書士に代理人になってもらって回収額がトントンでも、このコロナ禍で、職を探せない者の足元を見るようなその会社を懲らしめたいという内容です。

まさに「このままでは終われない」といったケースです。

 

相談者には、会社を管轄する労基署への当該給与未払いの申告と、「e内容証明」での会社への未払給与の催促をするよう指導し、それでも支払いがない場合は、司法書士へ依頼するよう促しました。

 

2つ目は、私が後見人になっている被後見人(以下「本人」という。)のご家族のケースです。

このコロナ禍で、面会も思うように出来ない状態の最中、本人が入居している施設から、「かなり衰弱していますので、このまま亡くなるまで、施設で看取ります。覚悟してください。」と、その家族に告げられたとのことです。

 

ご家族から私に電話があり、「コロナ禍とはいえ、このまま施設の言われるままでは納得ができない。転院途中で亡くなるかもしれないですが、24時間の医療体制の病院に転院させたい。後見人には迷惑をかけますが、よいでしょうか。」という内容でした。

まさに、このままでは終われないといったケースです。

 

私も、「本人が意思表示できない以上、ご家族の意向が最も尊重されます。幸いにも、本人の財産は相続税を払うほど余裕があるため、本人の財産は本人のために使い、ご家族が納得がいく最善の措置を講じてください。私への配慮など、気にしないでください。」と答えた次第です。

その家族の想いが伝わったのか、その後、本人は無事に、ご家族が探したその病院に転院でき、危機的状況を脱しました。

 

コロナ禍と梅雨空で、気持ちまでがうっとうしくなるなか、今回のご家族の措置で、一気に快晴となり、心までが軽やかになりました。

 

 

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