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「リメンバー・ミー」の中で歌われる歌 Un Poco Loco と La Llorona

2020-02-28 10:29:10 | メキシコ
 ディズニー・ピクサー・アニメ「リメンバー・ミー」(原題 Coco)ではいろいろな歌が歌われている。「リメンバー・ミー」以外では「ウン・ポコ・ロコ」と「悲しきジョローナ」が印象に残っている。
 「ウン・ポコ・ロコ」はスペイン語では “un poco loco” で、英訳すると “a little crazy”である。日本語音声で見ていたのだが、歌の部分はひょっとしてスペイン語で歌われているのかと思って、音声を切り替えたが、ほとんど英語だったので、また日本語に切り替えた。日本語歌詞では「ちょっとクレージー」となっていた。
 「哀しきジョローナ」(La Llorona)は当初日本語音声で聞いていたが、女房殿に注意されて言語を切り替えたが、これは英語ではなく、スペイン語で歌われていたので、そのまま聞いた。
 これは古くからあるメキシコの曲のようで、コスタリカなどのラテンアメリカ諸国でも有名らしい。筆者もメロディーには聞き覚えがある。「ウン・ポコ・ロコ」と「哀しきジョローナ」についての説明はブログ「リメンバーミーで使われている曲」に書かれている。「哀しきジョローナ」の伝説については「映画リメンバーミー考察」に詳しい。
 「ジョローナ」の話は2019年にはアメリカでホラー映画になっているが、一度見て見たいものである(La Llorona で検索すると画像が見られるが、夜はリンクをクリックしない方が身のためかも)。
 さて、llorona(泣き女)の語源になっているのは llorar(泣く)という動詞である。小学館『西和中辞典』llorar の項には英語 deplore「嘆き悲しむ」, implore「懇願する」 は関連語と記されている。
 llorar から llorón (泣き虫、泣き虫の)という語が派生したわけで、その女性形が llorona である。llorona には「泣き虫」の意味の他に、「(葬儀に雇われる)泣き女」という意味もある。韓国にもいるようなことを聞いたが、ウィキペディア「泣き女」で調べてみると、ヨーロッパや中東にも存在していたらしい。日本にもかつては存在していたようである。
 『西和中辞典』には llorona の意味として「子を殺して身投げした女の亡霊」ということもちゃんと記載されている。このほかにはアメリカでは「パトカー、消防車、サイレン」という意味にもなるらしい。

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