スパニッシュ・オデッセイ

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悪魔2

2020-08-19 18:47:04 | トリビア
 コスタリカの伝説に戻るが、その中で使われている「悪魔」を表わす言葉を列挙する。
 diablo, Don Sata, Luzbel, el señor dictador de infiernolandia, el señor que nos pintan con cuernos y cola larga, socio, pisuicas
 diablo については述べない。Luzbel は Lucifer の別名。“el señor dictador de infiernolandia”は 「infiernolandia の独裁者」だが、普通に「地獄」というときは infierno でよい。「ディズニーランド」はコスタリカでは Disneylandia というが、他のスペイン語圏諸国でも同様だろうか。infiernolandia は infierno(ポ inferno → キリシタン用語:インヘルノ)を茶化した言い方だろう。言うなれば、「地獄ランド」である。
 “el señor que nos pintan con cuernos y cola larga”は直訳すると、「角と長いしっぽで描かれるお方」で、悪魔の典型的なイメージである。
  
【右:ミケランジェロ作「大アントニオスの苦悩」。ウィキペディア「悪魔」より】
 Don Sata も「西和中辞典」に掲載されていない。Don は男性個人名につける尊称である。Sata というのは男性個人名のはずだが、こんな名前は辞書に載っていない。Satán の愛称っぽい。Don Satán が Don Sata になったのだろう。これも「悪魔」を茶化した言い方であろう。言うなれば、「悪魔どん」か。そもそも「悪魔」に Don は付けないだろう。
 ちなみに、Sata という個人名はアフリカを中心にある(“Forebears”参照)。日本にも727人いる。ただし、スペイン語圏諸国にはほとんどいない。
 socio には「悪魔」という意味はない。英語の society, social などの関連語で、「会員」という意味でよく使われるが、商業用語として「提携者」という意味もある。契約を結んで提携した人ということだが、この場合は「悪魔」の方を指していることが文脈からわかる。
 pisuicas は「西和中辞典」には掲載されていない。これはコスタリカの俗語である。pisotear「踏みつぶす」と関係があるのだろうか。まさか pis「おしっこ」とは関係はないだろうが。

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