新規開校!「学力工房中学受験専科」〜中学受験の勉強時間を半分にする〜 | 学ぶ力を作り出す

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東京都杉並区の「学力工房」教室長の中村です。
屋号である、「学ぶ力を作る」というテーマを中心に、
主に、教育関連のブログを記載してまいります。
著書である「学ぶ力を作りだす」の周辺事項の記載も続けております。

どうぞよろしくお願いいたします!!

11月から新しい教室を開校することになりました。今ある2教室と同様に、西武新宿線の上井草駅の目の前です。徒歩30秒くらいです。

 

今回は「中学受験の勉強時間を半分にする」と言うテーマを掲げた、中学受験の準備のための専門塾です。20坪程度の小さな教室ですが、これまで自分の教室を運営してきての思いを、たっぷりたっぷり込めました。

 

販促も基本はしませんし、宣伝もほぼなしでサイレントで開業していきます。現状は他にはそんなに類のないタイプの教室になると思います。地域限定ですが、もしこのようなコンセプトにご関心のある方がいらっしゃいましたら、是非ご紹介いただければ、と思っております。

 

以下に、かなり長文ですが、この教室への思いの「イントロ」部分だけ記載しますので、お時間のある方はお読みいただければ幸いです。

 

HPはこちら

https://chugaku.g-kobo.co.jp/

 

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「二刀流は実現する」

 

3年前のお正月明けにメールで問い合わせがあり、とある地元の小学4年生(新5年生)と面談をさせていただきました。


 I君は地元の小学校に通っており、3年生から中学受験の大手塾Sに通塾し中学受験を目指していました。他方で、大手の水泳クラブの選手コースに2年生から属しており、こちらの方は本気でオリンピックを目指すべく、現在はジュニアオリンピックの候補を目指して日々練習に励んでいます。朝練はほぼ毎日、午後も週3回は水泳に通い、週末には大会に行くことも多いです。


 大手塾Sも4年生のうちは基本的には週2日の通塾で4教科対応しており、水泳と合わせるとほぼ平日が埋まる形になりますが、なんとかこなしていけないことはない、という状況でした。組み分けも一番上のコースには行けないけれど、その一歩二歩手前あたりで推移しており、決して低迷している、という様子でもありません。ちなみにご家庭の希望は、水泳はクラブでこのままがっつりやっていくので、中高は出来れば大学の、それもMarch以上の付属に入れたい、というところでした。

 

 ところが、12月の冬期講習前に大手塾Sの先生との面談にて、「このまま水泳と勉強を両方やって行くのは難しい。志望している学校を確実にするには、水泳の時間を減らすことが必要です」と言われたそうです。


 そもそもの発端は、水泳の曜日と塾の5年の曜日が、どうしても調整つかない、なんとかならないか、というところからのようですが、子供本人は、水泳と勉強では天秤にかけようもなく、水泳をやめる、削ると、という選択肢は全くない、だったら塾をやめる、が一択のようでしたが、親御さんは、そこまでは割り切れないようでした。やっぱり中学受験の大手塾Sは現在は一強、と言っていい存在ですので。周りの親御さんからも「S塾をやめて、その後うまく言った人はいない」みたいなことは結構囁かれているそうでした。

 そこで、どうしたらよいか、と思案をされていました。

 

 水泳のコーチには、相談しても歯牙にもかからなくて、今がとにかく大事なときなんですから、勉強なんて後にしてください、くらいの勢い、ということでした。

 

 水泳をやめなければ、水泳でジュニアオリンピック目指す、それを諦めなければ、受験勉強はできないのか?ほかに選択肢はないのだろうか?

 

ということで、たまたま学校の知り合いが私たちのところに通っていたので、話を聞きに来た、というところでした。

 

 大手の中学受験塾に行くと、その説明会では未だに「受験で成功したいならば、4年(あるいはもっと前)から受験中心の体制にしないといけない」とか「習い事はせめて、週1回のものを1つまでにしてください。それも6年生になったらやめてください」とかいうレベルの話を、臆せず堂々と、さもそれが当然、というように話をされているところが多いです。SだろうがNだろうがWだろうがYだろうが、地元の気鋭の塾だろうが、概ねその辺りは似たり寄ったりです。どこに言ってもそう話されると、親御さんとしては、「そういうものなのか」と思わざるを得ないでしょう。ある種の洗脳、と言ってもいいかもしれません。

 

 しかし、本当にそうなのでしょうか?


 本当に、4年、場合によっては3年から大手塾に通って、受験中心の生活をしないと、中学受験は成功しないのでしょうか?

 

 そんなことは、断じてない、と思うのです。


 それは、極論すれば、大手塾が儲かるための方便だ、と思っています。小学5年生に毎週テストを受けさせて偏差値出して、順位出して、週に3回、1日3コマくらいの授業をして、宿題が1日2時間勉強しても終わらないくらい出て、しかもやっていることは中学生が勉強する理科や社会よりも詳しいことをやっていたりして、そういう勉強をこなしきらないと、ついていかないと、受験には成功しない、というのは、大手塾さんの刷り込みです。極論すれば。

 

 そもそもです。


 高校受験をするのに、中学1年生の頃から毎日受験中心の勉強、生活なんてやりきれるのか?と言われれば、まあ、なかなかできないですよね。実際のところ私たちは中学生も高校生も見るわけですが、そのようなストイックな取り組みができるのは、ごくごく一部のまれな人、だけです。というよりも、たとえ地域のTOP高校を目指すにしても、そこまでの取組は必要ありません。部活もしっかりやり、学校のイベントもしっかりやり、しかるべき時期が来たら受験シフトに移行する。その時期は人によって差はあるけれども、概ね3年になってから、です。小4から受験準備をする、というのはその中1から受験勉強シフトで行く、ということです。そういう、まれな人しかできないことを、小学4年生とか5年生に強いようとしているわけで、それは親御さんは大変なわけです。言えば、それを強いられている子供達は、本当に大変です。

 

 小学校のうちは、もっともっとやっておいて欲しいことがいっぱいあります。受験勉強なんかよりも。水泳の選手を目指すのも素晴らしいでしょう。野球に打ち込むのもいい。読書が大好きな子もいる、いろんな習い事で可能性を探るのもいいでしょう。そもそも、たくさんたくさん友達と遊ぶべきだし、現代ならば、ゲームだって決してネガティブな要素だけではないでしょう。そこから得れる、人生の原体験というのは、実にたくさんあるはずです。その原体験が、将来の一人一人の核心を築いて行くと思います。その原体験が、受験勉強一色、というのは、僕はやはり好ましくないと思っています。

 

 だから、中学受験の勉強は、今より圧倒的に短くすべきなのだ、と思っています。これは、しなければならない、と思っています。ベターではなくて、マスト、ということです。もし、本当に、中学受験の勉強時間が半分で良くなれば、大手塾は半分吹っ飛びますが、これまで受験にチャレンジできなかった人たちもチャレンジできる可能性が生まれますし、金銭的な面でも、塾に対する費用を大きく下げることができれば、今まで受験しにくかった層も、私立の中学を視野に入れることができる人たちがいます。なぜならば、私立中学は入った後には、色々と補助が受けられる可能性がありますが、入るための塾代には公的な補助はありません。

 

 お問い合わせをいただいた水泳少年の例で言えば、勉強と水泳、この2つの刀は両方持つべきです。野球界においては、大谷選手が投手と打者の二刀流でアメリカで旋風を巻き起こしましたが、この例は究極としても、二刀流は、「やると決めれば、必ずできる」ものです。たかだか受験勉強のために、持てる、研げる、もう一つの刀を捨てるのは、なんといってももったいない。もっと言えば、受験勉強も、習い事も、スポーツも、遊びも、みんなみんなやれるだけ、めいいっぱいやって欲しいわけです。小学校のうちは。そうしながら、受験準備をするというのは、「必ずできる」選択肢です。

 

 二刀流は目指すべきです。勉強と◯◯の。それがこれからの中学受験のスタンダードになるべきです。そうなるために、中学受験の勉強時間は、今の大手さんの提示するものの半分以下にして行く、その方策を提示していきたいと思います。

 

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