新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

空港サーモグラフィの意義をふりかえる報告

2020-03-19 08:48:11 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

タイ バンコク空港でサーモグラフィ陽性者の報告。

  • 初期段階でサーモグラフィに引っかかっちゃった12例の報告。
  • これらに対しpcr実施したところ、COVID-19確認されたのは1例。これはタイでの第一例となった症例。
  • 残り11例は、インフルエンザであった。
  • 空港サーモグラフィでは、なんらかの感染症をひっかけるのには有効であるが、特定の疾患(今回は新型コロナ)には有効でない。(There is a high sensitivity (100%) for screening for any infections but low sensitivity for screening for specific disease, Wuhan novel coronavirus infection (false positive rate = 91.67%).

まあ、そりゃそうだろって話ですが、コメントの引用には役立つかもな報告です。

これまでもエボラ、新型インフル、鳥インフルと、空港検疫の映像が何度も何度も流れる場面はありました。今後も、新型インフル、いままだ未知の感染症Xと、「水際作戦」が報じられる事態は出てくるでしょう。その際に、空港で全部止めるんだ!と興奮気味なコメンテーターに、「かつて新型コロナが騒動になったときの現地からの論文では、初期のサーモグラフィーでは〇×△〇・・」って言えば、「本来そういうものです」よりかは何%かでも説得力あるかもです。当サイトに来られる若手みなさまも(あと5年ばかしで定年年齢むかえる)管理人やいま出てる面々に代わり、いずれメディアで一般社会に向き合われることになる方も多いと思います。こんな「当たり前のこと言ってるみたいだけど使えるかも」な報告はインプットしておいて損はないかもしれません。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7050214/

Positive Screening for Wuhan Novel Coronavirus Infection at International Airport: What's the Final Diagnosis for Positive Cases


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