休日で、ちょっと気分がダラケ気味だUn dia de noviembre by Leo Brouwer ノートパソコンに充電ケーブルをつないでいる最中に、携帯電話の着信音が鳴った。見ると長男からだったが、ちょっと手間取っている間に切れてしまった。 すぐにかけ直した。開口一番に言われた言葉は「敬老の日だから」だった。一瞬、何のことかと思ったのだが、そうか、そういえば私は老人だったんだ、と意味を理解した。そして、そのように時間を割いて、気遣ってくれる子供に恵まれていることのありがたさを感じた。 改めて思う。世の中にはいろいろな境遇の人たちが存在している。結婚したくても縁の無い人、結婚して子供がいたのだが、離婚して子供とも音信不通になっている人。実に様々である。 家族や子供たち、孫たちに見守られながら、人生の最期を迎えられる人たちは、ある意味では幸せなのではないだろうか。 いろいろな境遇の人たちの心情に思いを馳せていると、私は自分自身の動きを制約している手枷や足枷から解放され、もっと自由に動き回りたいと思う。・・・で、何かできるのか?もちろんできることは限られるが、でも、自分にできることは行動に移したいと思う。早くそのような日が来ることを願っている。 時間と才能・能力、経済力、体力をある程度与えられたら、自分自身のためではなく、精神的な極限状態を生きる人たちが必要としている、おそらくは目に見えない何かを見つけ、提供できるようになることを希望している。 私はまだ生きている。しかし、自分の命に固執せず、言葉を換えて表現するなら、自分自身の信念に殉ずることができるよう覚悟を固めるように、という耳には聞こえない囁きがきを感じることがある。なんと不吉な予感なのだろうか。 実際に命を落とすことはないかもしれないが、自分自身の持てる時間、労力、私費その他を、ためらわずに進んで犠牲として差し出せる人間になりたい、という思いはある。これから先の人生で、物質的な何かを所有したいという強い欲望はほとんどない。遺産として遺せる私財があるとすれば、自分の書いた文章への対価としての、印税ぐらいのものだろう。 たとえ目に見えない影響であっても、言葉を通して人の心に伝わる何かを遺せれば、それがおそらくは私にとって、最も価値のある遺産になるのではないだろうかと感じている。 相続税の対象にはならないので、受け取る人にとっても負担がないことだろうし。 振り返ってみれば、この約半世紀の間に私自身もいろいろな経験を積み重ねてきた。二度と味わいたくない経験も多い。思い出したくないことも多い。しかし、過去に味わった様々な心情体験がなければ、人の苦しみや葛藤になど興味を感じない人間になっていたかもしれない。いわば、これまでの様々な経験や思いが、自分自身の感性や洞察力、そして苦しみ悩む人たちの心への共感つながっているのだと思っている。 今日はほとんど日の作業ができなかった。そのかわり、愛前に浮かんでは消えていたイメージを、自分なりに明確に捉えられたような気がする。それはそれで良かったと思っている。
by hirune-neko
| 2020-09-21 23:01
| 心の中のできごと
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・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
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