千一夜第3章第190夜 最近の読書22 iPhone11Proを購入したが・・・

2019-10-19 23:46:54 | 読書

2019.06.17(金)


9月16日、孫がトランポリンで遊ぶ。

私は汗かきである、と自負している。体重も標準だった頃は、今ほど汗かきだったとは思わない。50半ば頃から腹が出始め、10年後の現在では標準より12㎏オーバーである。一時は20㎏超オーバーだった。その頃は妊婦状態で腹の皮がピリピリと痛かった。そこで一念発起して週一のプール通いを始め、今では10~12㎏オーバーを何とか維持している。週一の水泳では効果は無いと言われていたが、自分では効果を認めている。真面目に1時間びっしり泳ぐのである。最初は25mプールを10往復程度しか泳げなかったが、今ではペース配分も習得し、最高で36往復泳げるようになった。ピーク時よりも10㎏程度痩せたが、やはり汗は湯水の如く流れ出る。同じ場所に居て、他の人は汗が流れ出ないのに私だけは汗だくとなるのである。上の写真、孫のトランポリンを見ているだけで顔から汗が噴き出る。新陳代謝が良いと言われればそれまでだが、私としてはどうも納得しかねる。

一説には、我々が若い頃の夏の気温と現在の気温は全く違うという説がある。確かにそれは肌で何となくは感じるが、実際、自分が若かった頃の暑さはもう忘れ去っている。ただ自分が納得出来ないのは他人と比べてのことだけなのである。一例として、我が社では社内での喫煙は禁止されている。喫煙場所は戸外のカーポートの傍に一つだけぽつんと灰皿が置いてあるその場所だけである。私は夏の暑い日に外で煙草を吸うだけで汗だくとなるが、他の社員は暑いとは言うが汗は大して掻いていない。こんな日は一刻も早くプールに飛び込みたくなる。因みに、我が支社の数百メートル南方は海であり、虹ケ浜海水浴場でもある。昼休み時間にでも海に浸かりに行こうと思ったことは何度もあるが、未だに実行出来ないでいる。何れにしてもこの汗かき、何とかならないものかと思案中である。脂肪を吸い取る手術もあるようだが、それに頼ろうとは思っていない。


今年も恒例の梨・ぶどう狩りに行った('19.09.16)

最近読んだ本。記載するのは今回で22回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。

 『火天の城』 山本兼一著 文春文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年9月4日読了
寸評:直木賞作家。信長物だが、嘗て読んだどの本とも違っていた。主人公は岡部又右衛門という番匠(大工)の棟梁である。信長は安土城築城を天下一の棟梁父子に託す。又右衛門は岡部一統150人を筆頭に、延べ100万人の各種技術者や労働者を集め築城に取り掛かる。その築城の過程を順を追って丁寧に書く。史実として解かっていない事、例えば材木を何処から集めたかは全く記録が残っておらず不明である。又、落城は誰が火を放ったかなど史実不明であるが、著者は実に上手く、詳しく、丁寧に書き上げている。この当時、5重7階の天主(天守ではない)は存在せず初めての築城となる。まずは築城の場所選定、設計(イエスズ会のオルガンティーノも登場)、粘土で安土山の詳細模型を作ってそれを押しつぶして城郭等を作る、材木選び、石積み(石垣)、大石の運搬(史実であり数百人の死亡事故が起こる)、基礎工事、躯体工事、瓦職人による瓦製造、天主の棟上げ、瓦葺き、粗壁塗り(仕上げまで20回塗る)、飾り金物、畳、障壁画、襖絵、建具等々の過程であるが、その間に武田、六角の忍びによる工事妨害もある。完成した後には明智光秀謀反による信長の死、光秀入城、六角氏入城、織田信雄入城など築城開始から落城までを描く。

『マリー・アントワネットと悲運の王子』 川島ルミ子著 講談社+α文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年9月5日読了
寸評:フランス革命に散った悲劇の一家、ルイ16世と王妃マリー・アントワネット、そして2人の子供たちの真実の姿と王子の死に関する疑問を、フランス在住の著者が解き明かす。王は紆余曲折を経て1票差で死刑が確定し処刑され、その後王妃も処刑される。2人の子供たちはタンプル塔に幽閉される。姉のマリー・テレーズと弟のルイ・シャルル王子(ルイ17世)である。姉は後に釈放されるが、弟のシャルル王子は獄中死する。この死に関して様々な疑問や憶測が生まれた。仮に王子が塔で死亡したとしたら、1794年1月上旬と1795年6月8日という2つの説が一番有力で、また王子は塔で死亡したのではなく、救出されていた(替玉説)という説も根強く残っていた。これらの説はフランスの歴史上最大のミステリーとして2世紀に渡って歴史家の間で論議されていた。その謎が遂に、DNA鑑定により2000年4月19日に明らかにされたのである。気になる方は是非読んでみてください。

『おらおらでひとりいぐも』 若竹千佐子著 河出書房新社 評価☆☆☆☆ ’19年9月6日読了
寸評:第158回芥川賞受賞作。全文が東北地方の方言で書かれているので非常に読みにくかった。とは言え、東北弁のヒアリングは出来ないにしても、活字になると何とか読めて意味も通じる。24歳で故郷を飛び出した桃子さん、身ひとつで上野駅に立ってから50年、結婚し2児の子育てと成長、そして夫の突然死、疎遠な子供たち、この先どうやって暮らすか。捨てた故郷、亡き夫への愛、震えるような悲しみ、ゆれる心の葛藤。やがて目的のある一日が新鮮な日であることに気付き、夫の墓参りに行く。文中で、開発から取り残されたような、両側に草が生い茂るような細道、この道を歩く描写が上手い。桃子さんは自分が一番輝いていたのは何時だったか自問する。様々な情景が浮かぶが、夫の死亡後からだったと気付く。夫の死後、日々を重ねて初めて手に入れられる感情がある。それが何より尊いのだと気付く。しかしそれは孤独の旅路でもある。最後に孫が登場し母のことを語る場面があるが、これが実に効果的だった。この歳になると些か心に突き刺さることも多かった。

 
孫の百日のお祝い御膳('19.09.23)

『流星の絆』 東野圭吾著 講談社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年9月17日読了
寸評:直木賞を始めとして各賞総なめの感がある著者、東野圭吾の著書に外れは無い。たまに読みたくなるのだ。物語は何者かに両親を殺された3兄妹は流星にかたき討ちを誓う。時効直前の14年後、世間を敵視し反社的な行為を繰り返しながら生きる彼らの前に、犯人を突き止める最初で最後の機会が訪れる。3人で完璧に仕掛けたはずの復讐計画、その最大の誤算は妹の恋心だった。終盤で大どんでん返しを得意とする著者であるが、今回は犯人捜しの予想が大きく外れた。読者に推理され犯人を当てられるようじゃ失敗作となるのだろうが、何時も思うことだが最後のどんでん返しが性急過ぎるように思う。もう少し間があっても良いかなと思う。

『百田尚樹「日本国記」の真実』 別冊宝島編集部編 宝島社 評価☆☆☆☆☆ ’19年9月18日読了
寸評:この本は百田尚樹の批判本である。百田ファンは読まない人が多いのだろうが、私はファンでも読んだ。まず、「日本国記」('18.11幻冬舎刊)であるが、刊行直後から事実関係の誤りや「ウイキペディア」を主体に他文献からの剽窃、無断引用が指摘され、その是非を巡って著者や編集者が弁明、反論する状況が生じていた。私は本書を読んでいないが、それは内容に凡その見当は付いていたからである。その誤りについては9刷目で大きく(50箇所以上)修正してあり、初版との対比が延々と書かれている。はっきり言って著者は既に開き直っている。修正箇所については正誤表くらい付けたら良いだろうし、ネットの丸写しならその出典を付記しておけば盗用・パクリには当たらないのではなかろうか。まあ、本書は歴史書ではなくエンタメの分類であるから、本格の歴史家からは殆ど批判は出ていない。と云うよりも、読まれていないのだろう。

また「純愛」(既読)についても、ノンフィクションと名打っているが、その取材方法の甘さから、或いは主人公(たかじんの妻)への偏った思い入れからか裁判では誹謗中傷、名誉棄損などで惨敗している。こうなるとあの感動物だったストーリーは真に受けることは困難になる。しかしここでも著者は強気を通し続けている。

著者はガチガチの右翼ではない。ガチ右翼は決してブレない。このことは「朝まで生テレビ」で露呈しているが、まあ右傾思想者といったところだろう。私を含め現在の日本人の大半がこの右傾化に属しているのだろう。それは、安倍首相率いる自民党が選挙に於いて連戦連勝をしていることでも明らかであり、対韓国政策に於いても国民から支持を得ているし、野党の大御所等もこれを支持している。本来、国益という観念からすれば右も左も無いはずである。

まあ、百田尚樹という人物、「浪速のおもろいおっちゃん」ということで良いのでは。

『フィッシュストーリー』 伊坂幸太郎著 新潮社 評価☆☆☆☆☆ ’19年9月20日読了
寸評:全4編の短編、中編集である。著者の小説を書く手法と言えば、バラバラに進んでいた人物たちの幾つかの物語が、終盤になって綺麗に解体され鮮やかに再構築されるといったものが多い。しかしこの4編ではそういった手法は使われていない。「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」の4編である。この中で「サクリファイス」と「ポテチ」では主人公、準主人公として本業空き巣、副業探偵である黒澤なる人物が登場する。黒澤は、著者の別の小説「ラッシュライフ」や「重力ピエロ」にも登場するが、特にシリーズ物という訳ではない。ニヒルで目立たない性格だが、このキャラは私はお気に入りである。「動物・・」はオオカミの檻の前で寝る男、この男が居ると夜の動物園は活気がみなぎる。オオカミ脱走事件、市長殺害事件、マンション建設反対運動に関わるこの男のことを、別の3人の男たちが様々に推理する物語。「サクリ・・」の主人公は黒澤、小暮村に昔から伝わる風習、村長とその友人が風習を利用して村の存続を図る。「フィッシュ・・」は一つの曲が世界を救った物語、輪廻転生、言霊、めぐり逢いなどを想起する。「ポテチ」は空き巣仲間の後輩の物語、赤ちゃんの取り違えを巡る物語である。何れも現実離れした秀作である。


孫の七五三と百日のお祝いの記念写真('19.09.27)

『百万都市 江戸の生活』 北原進著 角川ソフィア文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年9月25日読了
寸評:世界でも稀な巨大都市・江戸。事件や人物、生活、風俗、経済事情を通して江戸らしさとその性格を見つめれば、現代の大都市東京の原形がくっきりと浮かび上がってくる。熱い銭湯でのやせ我慢、盛り上がる初物の売り出し日、贈答品のリサイクル、等々市井の様々な噂話をはじめとする豊富な史料を使いながら、江戸の暮らしとその性格を明らかにする。今も息づく江戸の精神を説く江戸庶民史である。この中で度量衡に関することも書かれているが、石高の「石」については米を始め酒や木材にまでも使われややこしい。またお金の価値体系も知らないことが多々あった。金、銀、銭、3種類の価値体系がありこれもややこしい。1文銭は九六銭勘定と言い、96枚が100文となり、97枚あると101文となるのである。そう言えば、二八蕎麦は16文、明治4年の日本初の竜門切手は48銭であり、何れも96の公約数である。48銭は50銭の価値となるのだ。面白い本だった。

『ダンス・ダンス・ダンス』(上)(下) 村上春樹著 講談社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月1日読了
寸評:物語の全ては札幌の古い「いるかホテル」から始まりそこで終わる。大企業の買収により古いホテルは取り壊され、近代的な巨大ホテルが開業、名前は「ドルフィンホテル」と改名されたが、何故「いるか」なのか。主人公は古い「いるかホテル」に初めて宿泊したにも関わらず、再びここを訪れなければならない強制観念に捕らわれる。再び新しいホテルを訪れ様々な運命の糸が絡み合い物語は展開していく。ホテル従業員のユミヨシさんとの出会い、いるかホテルの何処かにある小さな時空の歪みの中に存在する羊男との出会い、そこは死後の世界ではなく違う世界、違う現実の世界だった。羊男こそが主人公の運命の糸の結び目を作り、主人公の人生を推進していく。最初はこの結び目が上手く機能せず主人公は混乱する。13歳の少女ユキとの出会い、中学同級生の人気俳優五反田君との接触、ユキの両親との出会い、ハワイホノルルのダウンタウンの6体の死体を集めた部屋、超高級売春組織からの娼婦斡旋、そして関係者が次々と死んでいく。非現実的な物語だが、このような思考形態から作家は自殺していくのかなと感じた。

『ダイイング・アイ』 東野圭吾著 光文社 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月3日読了
寸評:主人公のバーテンダーの慎介が、ある日初めての客に待ち伏せされ、スパナで頭を殴打され部分的な記憶喪失となる。部分的記憶喪失というところの解明に向けて物語は進行する。サスペンスであり同時にオカルト的でもある。著者はこういう設定が好きな部分もある。従って物語の詳細を記す訳にはいかないが、欠落した記憶とは交通事故、加害者は2台の車で被害者の女性は死亡している。2台目の加害者は被害者の女性が死亡していく様を終始見つめていた。そして2人の目と目がしっかり絡み合う。殴打事件から事件解決を見るまで多くの人物が死んでいく。物語は予想外の展開を見せるが、霊的、催眠的なところが多く、ちょっと飛躍し過ぎかなとも思った。


「令和天皇陛下御即位」記念硬貨発売のポスター

『むらさきのスカートの女』 今村夏子著 朝日新聞出版 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月4日読了
寸評:第161回芥川賞受賞作、著者はデビュー作で三島賞受賞、2作目で芥川賞候補となり河合隼雄物語賞受賞、以後、野間文芸新人賞、太宰治賞受賞と書く作品の多くが賞に絡む。著者の作品を読むのは今回が初めてであるが、これらの賞を見るだけでも才能の程は察せられる。最近の芥川賞受賞作の多くを読んでいるが、久し振りの秀作である。物語はごく平凡な変わり得ぬ日常を描く。近所に住むその日暮らしの様に見えるむらさきのスカートの女が気なって仕方のない私は、彼女と友達になりたかったため自分と同じ職場で働きだすように誘導しその生活を観察し続ける。彼女は会社で頭角を現しやがて所長と不倫関係になる。ある日、会社の備品盗難事件があり彼女が疑われる。所長は彼女のAP.を訪ねるが、彼女と揉み合いになり2Fの手摺から落ち死亡?その様子を盗み見ていた私が駆け付け、所長の死亡を彼女に告げる。日頃の生活苦から何時でも逃亡できるように準備していた私は、準備していたものを彼女のために与え逃がす。が、所長は脳震盪と骨折だけで命に別状は無かった。ここから女(私)の恐ろしさ、悪女の大どんでん返しがある。最後は呆気に捉われる。

『ももこのトンデモ大冒険』 さくらももこ著 徳間書店 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月8日読了
寸評:徳間書店の石井氏、彼の作った本は数年間に渡りトンデモ本ランキング上位総なめという快挙?を成し遂げ、社員からもバカにされ徳間書店の恥と言われていたが、氏の編集本「アミ 小さな宇宙人」にももこ氏が感動を受け、別の雑誌でその本を絶賛して紹介したことから、さあ大変、ももこ氏に認められたことから氏の評価は180度変わり、取材費天井知らず?の大冒険取材旅行記を作ることになった。思い付きの取材旅行記の感はある。さくらももこがどんなにとんでもない目に合おうが、最終的には心温まるエッセイに仕上がっている。全旅行に帯同した石井氏のキャラも見逃せない。ドタバタ感はあるもののそこもまた面白い。

明日は釣行予定だったが取り止めた。今日iPhone11Proを購入したが、写真がPCに入らない。それにappleパスワードも不明で、あるアプリにログイン出来ず、明日もう一度AUショップを訪問することにした。

【10月19日過去の釣行記録】
・1996年笠戸島周辺、06:00~16:00、大潮、船釣り、釣果=マダイ3・アジ多数
・2005年上関漁港防波堤、17:50~19:35、大潮、釣果=アオリイカ1
・2014年徳山築港、06:00~11:00、若潮、釣果=カレイ1・キス14・ハゼ4

【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。

【旧暦9月21日釣行記録】
・2006年11月11日、華西防波堤、19:45~22:30、中潮、釣果=太刀魚ボウズ
・2009年11月07日、櫛ヶ浜港旧防波堤、20:00~23:10、中潮、釣果=ソイ1・メバル8・アジ2・シマイサキ1・タナゴ5R
・2011年10月17日、日石前防波堤、19:00~21:20、中潮、釣果=マダコ1
・2012年11月04日、落港防波堤、07:00~11:00、中潮、釣果=キス3
・2018年10月28日、徳山築港、06:20~10:50、中潮、釣果=カレイ3・キス3・イイダコ1・カサゴ1・ベラ1

 

http://blog-parts.wmag.net/okitegami/base.php?ser=36906&m=219b56b2lb68fdf326a81

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