再チャレンジ | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 田老一中の生徒が取り組んでいましたコンブの種苗生産

 種付け直後に台風19号が来襲しまして、復旧作業やら被害報告やらでさっぱり見に行けず

 

 なんとか行けたときには水槽が緑色(ToT)

 あかーーーん

 

 「先生、こりゃダメです」

 「えっ?そうなんですか、緑色なんでコンブの芽かと・・・・」

 

 比重を測ってみると比重計の目盛りを振り切りそうな高比重

 水分が蒸発して塩分濃度がかなり上がって、高塩分に強い藻類が大繁殖(ToT)

 

 「これから復活って事はないんですか?」

 「・・・・・・・・ない!ですね」

 

 もうこれはダメ

 けど、失敗のまま終わらせたくはない

 「先生、もう一回やりましょ」

 「できるんですか?」

 「遊走子から採ると時間がかかるんで、無基質配偶体からやりましょ」

 「なんですか?それ?」

 

 急きょ準備して、今度は無基質配偶体からの採苗です

 

 無基質配偶体から採苗して養殖する

 数年前、某県の担当者の方が学会で発表してたらしいです

 

 研究者が学会で発表するようなことを中学生がやっちゃったら・・・・

 笑っちゃいますね

 

 「ちゃんと比重を測って、比重が上がったら真水を足せよ」

 って託してきましたので

 彼らが真剣に取り組めばできないことはない!

 かと

 

 前回はコンブでしたけど、今回のはワカメの無基質配偶体

 しかも平成24年にメカブから採ったやつ

 

 ワカメって1年で死んじゃう生き物なんですけど、オスとメスの状態で、ある一定の条件下に置けば何年も生きてるんです

 不思議ですねえ

 誰が考えたんだろ?

 まあ、さすがに7年も置く人はいないでしょうけど(笑)

 

 ワカメ無基質配偶体採苗による閉鎖循環システムでの種苗生産

 おおー!字にすると凄い

 学会の題にでもなりそうな

 中学生のミラクルに期待

 

 

 

 

 震災直後から何度も田老に来てくれて、歌っていただき、また、様々なご支援をいただいた

 合唱団ズイーレ

 2016年たろう大漁まつりで歌っていただいたときの写真↑

 

 田老出身の山口(旧姓:川戸)さんが代表を務める団体です

 

 その山口さんが数日前に急逝されたとのことです

 なんのご恩返しもできないまま・・・

 なんとも残念でなりません

 

 心よりご冥福をお祈り申し上げます