金のおはなし | のどかな町の骨董店

のどかな町の骨董店

のんびりとひとり田舎町で骨董店を営むお気楽店主とお客様の出来事。

僕は雨の日でも愛車のスーパーカブ50で通勤しています。
店の前に月極駐車場を借りていますが、それはお客様用なので自分の車は停めません。
お客様あっての骨董屋、体張ってますニヤリ

 

こんにちは、くじらです。
そんな一昨日の朝は店に着くなり凄まじい勢いの雨が降ってきました。

「ぎりセーフ!今日はついてるぜぃ」なんてひとり笑みを浮かべながら開店準備をしていると、チラシを見たというご婦人から電話がかかってきて「金のインゴットを売りたいのだけれどおたくは手数料何パーセントですか?」といきなりの質問!

こういった問い合わせをされるお客様はしっかりと金相場や売り方を調べている賢い方ですね。

 

他の物なら「電話での査定はおこなっておりません」と返すのですが、その日の金相場はネットでも調べられるのでインゴットの場合はお答えしています。
しかも「他店と比較して買取率の良い方の店に売りたい」とのこと。(当然です)

あいみつ(相見積もり)を取るお客様は多いです。


ブラッフをかけてくる場合も多いですがココは「金インゴット」、大金が動くので慎重に対応します。

電話で刻印の内容とグラム数を確認して買取が可能な品かどうか判断してから、「現物を鑑定させていただいて、おっしゃる内容で間違いなければ手数料は〇%~〇%のあいだでお買取りいたします。」と回答。

 

すると、「じゃあおたくに売りたいと思います!」と即答をいただきました。
事前に確認していた他店より良い価格をご提示できたんですねウインク
このように取引相場が明確に出ている物はいかに高く買い取ってあげられるか、なので儲けは薄いです。

 

僕)「ちなみに何グラムお持ちいただけますか?」
客)「100gのインゴットがいくつかあるので、とりあえず2つ持っていきます。」
僕)「え~っ、ふたつ?」(お金が足りないびっくり
客)「なにか?」
僕)「いえ、何でもありません。ただ少しお時間いただけますか。」
客)「ではしばらくしてから伺います。」

 

と、電話を切ってから窓の外を確認すると雨はさらに激しさを増していますガーン
急いでカッパを着込んで銀行までバイクを走らせたのでしたショボーン


インゴットに限らず金製品の買取りは他店と比較されやすいので出来るだけ高く買い取ることを心がけています。
金製品を僕の店に売ってくれた人は、時間が経っても高い確率でまた来てくれます。

 

どこの広告を見ても『金は今が売り時!』なんて書いてありますよね、たしかにここ10年で金相場が驚くほど上がっているので10年以上前に買ったアクセサリーが買った値段より何倍も高く売れているのは事実です。

 


純金インゴット100g(2枚)
※不正防止のためシリアルナンバーは隠します

 

 

2か月ほど前になりますが、イヤリングの片方や切れたネックレスなど壊れたアクセサリー数点を握りしめて来たお客様がいました。
そのご婦人は恥ずかしそうな顔で「こんな壊れたの売れませんよね?」と絡まり合った宝飾品を出して見せてくれました。

 

僕が「壊れていても買いますよ」と告げると、「本当に?捨てる前に持ってきてよかった」とおっしゃるので、「これは破損状態がひどいのでアクセサリーとしてのお値段は付きませんがスクラップ(地金)としてお値段を付けます。」と伝えて、金やプラチナの純度や重さを計測して買取り可能なお値段「まとめて〇万円になります」と試算表を提示すると。

 

客)「キャーッ!信じられない。これで主人とバスツアーに行きます。」
僕)「カニ食べ放題も付けられますね。」

 

と、とても喜んで帰って行かれました照れ

 

ちなみに、そのお客様はその後「探したらまだあった」と一週間以内でさらに2回やって来ましたが、どれも壊れた物ばかり笑い泣き・・・(この人、どんだけ上流階級なんだろ)。

結果、このお客様はバスツアーはおろか海外旅行に行けるほどの大金を手にしましたとさ。
なので貴金属は壊れたからといって捨てたらもったいないですよ!

 


【注釈】
金塊の買取りは高額ゆえにミスると大変な損害をこうむる事になります。

それが正規のルートで入手したもので無い場合(密輸品や盗品)は警察に没収されて戻ってきません。
偽物(タングステンなどの重たい金属を薄い金で覆ったもの)などを買って大損しないために刻印の深さや高額な計測器を使って比重を計測したりします。
※比重が合わない場合は専門の会社に送ってX線などの検査を行います。

  (検査費用はお客様負担となりますが本物と証明されなければ、どこに持って行っても売れないので仕方ないのかな)

 

お客様に電話で「現物と刻印の内容を確認してから」と言ったのはそのような意味です。

 

 

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