A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【えいたそモダニズム】Episode 30『アヒル・デ・フェスタ』レジデンツ/グリムス/M.マクラーレン/ステレオラブ/NWW/D.ジョンストン/K.チーフス/でんぱ組etc.

2019年09月11日 00時01分34秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


7月16日秋葉原Club Goodmanでの成瀬瑛美ワンマンライヴの1ヶ月後の8月16日渋谷EdgeEndでの盤魔殿vol.27で筆者はでんぱ組.inc『プレシャスサマー!』へのオマージュとして『レリジャスサマー!』として宗教縛りのDJをした。キリスト教、般若心経、法華経、イスラム教、ヒンドゥ教、ハレクリシュナ、創価学会、幸福の科学、エホバの証人、オウム真理教、バカボン教、テンプル・オブ・ザ・サイキック・ユース、ビクトル・ユーゴー、ヤホワ13、暗黒教団といった宗教ソングの中に筆者が籠めた想いは“僕たちは愛し合う/神にそむいて”(オックス「神にそむいて」)という瑛美への禁断の愛であった。それが瑛美に届いたかどうかは分からないが、でんぱ組が活動を続ける限り、そして瑛美がソロを含め人前に出てくる限り、筆者の想いは変わることがないと断言しよう。そんな一途な想いが叶ったのか、再び瑛美と(衆人環視の中)二人で話す機会が訪れた。



8月27日(火)渋谷ヴィレッジヴァンガード
『ポン・デ・フェスタ』発売記念!
『浴衣・デ・フェスタ』〜成瀬瑛美2ショットチェキ撮影会

8月9日にTOY’S STOREとヴィレッジヴァンガード一部店舗で限定販売されたでんぱ組のニューシングル『ボン・デ・フェスタ』の購入者特典会。浴衣姿というのが肝だったが、気付いたら自宅に浴衣や和服が見つからず、秋葉原グッドマンワンマンの時に買ったえい10周年Tシャツで臨んだ。登場してすぐ予定外の『ボン・デ・フェスタ』ひとりアカペラ歌唱の大サービス。これこそまさに太陽神降臨。黄色い浴衣姿の美しさに目が眩みながらステージへ上がる時手にしたのは家を出がけにポケットに入れたアヒルのゴム人形だった。「アヒルだよ」と差し出したところ「わあい」と喜んで素敵な笑顔でチェキに収まる。浴衣が素敵だね、と褒めつつ新たなお題を求めると「アヒルにしようか。きっといろいろあるよね?」との応え。珍しくこちらのネタに乗ってきたよ、とほくそ笑んで短いながらも心温まる瞬間を噛み締めた。



●でんぱ組.inc『ボン・デ・フェスタ』


でんぱ組.incが贈る2019夏ソング『ボン・デ・フェスタ』は、作詞 只野菜摘によるお盆をテーマに、人との出会いや別れを通して、時代を超え今ここで生きている素晴らしさを歌ったナンバー。作曲・編曲は、Tom-H@ckによる情報量溢れ、展開の激しいでんぱ組.incど真ん中なサウンドに仕上がっている。イラストアートワークは前作に引き続き、エース明が担当。竜宮城をテーマに、どこかギーク感や昭和感が滲み出る作品になっている。

前作『子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡』ではぴょんぴょん=ウサギ、コケコッコー=ニワトリに化したえいたそが、今回はカメになって悪戯っ子たち=未鈴、ねも、ぺろりんに虐められたり、浦島太郎=ピンキーを竜宮城に連れて行く過酷な役柄を笑顔で熱演。でんぱ組の元気のもとはえいたそにあり。「えいたそは宗教」と夢眠ねむがオフレコで語ったとか。

でんぱ組.inc「ボン・デ・フェスタ」Music Video


【えいたそモダニズム】Episode 30『アヒル・デ・フェスタ』
そんな重責を担う瑛美が、筆者が持参した黄色いアヒルを見て癒されたとしても不思議ではない。素直な気持ちがそのまま口から出たのかもしれない。幼い頃に一緒にお風呂に入ったアヒルの人形の思い出は、瑛美の純真を取り戻すヒーリングパワーを持っている。そんな「アヒルのパーティー(アヒル・デ・フェスタ)」を筆者の愛に溢れた妄想力で紐解いて行くとしよう。



●The Residents『Duck Stab!』


アメリカを代表する前衛ロックコンボ、レジデンツが1978年にリリースした7インチEP。それまでの作品に比べ分かり易いポップな作風で彼らにとっては珍しくすぐに完売したという。同年末にLP『Duck Stab/Buster & Glen』として再リリースされた。

瑛美に「お題はアヒル」と言われた瞬間筆者の頭に浮かんだのがアヒルをナイフで突き刺すこのジャケット。1978年新宿CISCOで筆者が初めて買ったレジデンツのレコードだった。このEPで聴けるサウンドは意外に取っ付き易く、雑誌ZOOの記事やPlayer誌の八木康夫の連載で読んで想像していた難解で訳の分からない変態バンドとは少し違っていた。しかしその後『サード・ライヒン・ロール』を買って変態節に心酔するキッカケとなったEPであり、後々実は奇天烈な『謎サウンド』の宝庫であることに気付き今は一番の愛聴盤。不滅のレジデンツ愛はえいたそ愛に繋がっている。

The Residents - Duck Stab! / Buster & Glen (1978) [Full Album]



●Federal Duck『Federal Duck』


フェデラル・ダックは60年代末にペンシルヴァニア州ハバフォード大学で結成された。地元のダンスパーティやフェスティバルで人気を博し、Musicor Recordsから1968年にアルバム『フェデラル・ダック』をリリース。キャッチーなサイケポップやアシッドフォークから管楽器を加えたクラシカルなナンバーやグッドタイムミュージックまで多彩な音楽性を持つB級サイケの名盤。バンドはこの一作で解散し、メンバーの何人かはカントリー/ブルーグラス・シーンで活動した。

80年代半ばから60年代サイケのレコードを集め始めた。就職して90年代は海外出張に行く機会が多く、その度に現地の中古レコード屋で盤を掘った。「連邦政府のアヒル」という名のこのレコードは94年にニューオリンズで購入した。ジャケットはバブルガムポップに有りがちな子供狙いのコミカル風味が濃いが、サウンドは結構本気のサイケデリア。現在はそこそこのレア盤になっているようだ。カラフル衣装のサイケアヒルの本性を見た。

Federal Duck - Federal Duck 1968 (FULL ALBUM) [Psychedelic Rock]



●Fuzzy Duck『Fuzzy Duck』


ファジー・ダックは1970年に元AndromedaのMick HawkswothやTucky BuzzardのPaul Francisらによって結成されたハード・ロック・グループ。翌年に小レーベルのMAMからセルフ・タイトルのアルバムでデビューを飾る。Roy Sharlandのハモンド・オルガンが印象的な正統派HRの良作。1972年12月解散。解散後Hawksworthは末期のKilling Floorに加入。Watt-RoyはEast Of Edenに加わっている。

「ファジー Fuzzy」とは毛羽立った/フワフワしたという意味から転じて「曖昧な/ハッキリしない」という意味で使われる。「曖昧なアヒル」を意味するこのバンドのサウンドは寧ろ明快なブリティッシュハードロック。わずか500枚限定のマイナー・プレスのため後年になってマニアに高値で取引されるレア・アイテムとなったが、現在ではSpotifyでも手軽に聴けるスタンダード・アイテムに。マイナーからスタンダードへ、マイナスからスタートしたでんぱ組や瑛美の生き方に似たレコ話である。

FuzzyDuck



●Grimms『Rockin' Duck』


グリムスはボンゾ・ドッグ・バンド、ザ・スキャフォルド、リヴァプール・シーンの三つのバンドのメンバーにより1971年に結成された6人組バンド。ロック、コメディ、ポエトリーを融合したスタイルでブリティッシュポップらしい洒脱サウンドを展開した。73年の2ndアルバム『ロッキン・ダック』はジャケットのアヒルが立体的に飛出すギミックジャケットでリリースされた。グリムスとしての活動は76年に終了するが、メンバーのニール・イネスはソロやビートルズのパロディバンド、ラットルズ等で活躍した。

ブリティッシュポップの源流のひとつにコメディがある。モンティ・パイソンに代表されるウィットに富んだ庶民の笑いが特徴。音楽だけでなく文学やコメディの要素を持つグリムスの世界の象徴がアヒルである。ステージで頭に被り、1stアルバム『Grimms』のジャケットに地紋として登場したアヒルをメインに据えた本作こそ、英国諧謔ポップミュージックの真髄と言えよう。いつも笑顔でみんなを笑わせるえいたその世界もアヒルがいればもっと輝くだろう。

"Rockin' Duck", Grimms (Rockin' Duck, 1973)



●Malcolm Mclaren『Duck Rock』


セックス・ピストルズの仕掛人マルコム・マクラーレンの83年の1stソロアルバム、邦題『俺がマルコムだ!』。NYでまだマイナーだったHip-Hopとアフリカ音楽を融合、Hip-Hopを世間に知らしめた歴史的名盤として評価されている。トレヴァー・ホーンが共作、プロデュースを担当。スクラッチを初めて導入した先行シングル「バッファーロー・ギャルズ」もヒットしている。

ニューヨーク・ドールズとセックス・ピストルズで猥雑で破壊的なロックのアンチヒーローを産み出したマルコム・マクラーレンは元々ファッション・デザイナー。次なる流行ヒップホップをいち早く取り入れてポップチャートに送り込んだ才覚はペテン師ならではの閃き。duckには「(責任を)避ける、身をかわす」という意味があるから、Duck Rockとは世渡り上手なロックという意味かもしれない。えいたそもアヒルのように世渡り上手になって芸能界を生き抜いてほしい。

Malcolm Mclaren - Duck Rock (1983)



●Nurse With Wound / Stereolab『Crumb Duck』


エレクトロ系ロックバンド、ステレオラブと英国地下音楽の重鎮ナース・ウィズ・ウーンド(NWW)のコラボ作品。93年に10インチEPとしてリリースされた。クラウトロックバンド、ファウストに捧げられた「Animal or Vegetable (A Wonderful Wooden Reason ......)」とステレオラブの曲をNWWのスティーヴン・ステイプルトンがリミックスした「Exploding Head Movie」の2曲を収録。後にコンピレーションでリリースされるも既に廃盤。

90年代、筆者はギターロック一本やりだったのでステレオラブはあまり聴かなかったのだが、変態魔王NWWとのコラボにはちょっと驚いた。ノイ!やクラスター等音響系クラウトロックの影響がNWWにより肥大化し頭痛がするほどポップなサウンドが生まれた。「アヒルを粉砕せよ」というタイトルで言い得て妙。人差し指と人差し指に挟まれたアヒルの困惑した表情がカワイイ。瑛美がこんな表情をしたらキュン死しちゃうに違いない。

Nurse With Wound / Stereolab - Animal Or Vegetable (A Wonderful Wooden Reason)



●Daniel Johnston『Space Ducks:Soundtrack』


アメリカのアウトサイダーシンガーソングライター、ダニエル・ジョンストンのコミック・ブック『Space Ducks: An Infinite Comic Book of Musical Greatness』のサウンドトラック・アルバム。2012年リリース。D.ジョンストンの楽曲以外に他のアーティストがコミック『Space Duck』にインスパイアされた楽曲を提供している。

ビートルズとお化けのキャスパーとキャプテン・アメリカとマウンテン・デューを愛する永遠の12歳「世界イチピュアなおっさん」と呼ばれるダニエル・ジョンストンもアヒルが大好き。自分で描いた宇宙アヒルの冒険漫画に自ら音楽を付けて喜ぶ自己満足が世界中の音楽ファンを楽しませる。えいたそが自分が好きなことを追い求めると世界がハッピーになるのに似ている。

daniel johnston - space ducks - 2012



●Kaiser Chiefs『Duck』


2003年夏に結成。英国リーズ出身の5人組。今までのアルバム6枚全てが全英TOP10入りしている英国人気バンド=カイザー・チーフス、2016年アルバム『Stay Together』以来、3年振りのニュー・アルバム!プロデュースは2015年アルバム『Education, Education, Education & War』を手がけたBen H. Allen IIIと、Snow Patrol、James Bay、Jake Bugg等で知られるIain Archer。

遅れて来たブリットポップバンド、カイザー・チーフスはギターロックのスピリットを保ち続けて今や英国を代表する人気バンドに成長した。久々のアルバムに「アヒル」と名付けた真意は分からないが、太陽も登場する明るく楽しいサウンドは掛け値なしのロックの王道。8月に横浜アリーナで開催されたアイドルフェス「@JAM EXPO 2019」の選抜ユニット・@JAM ALLSTARS 2019のセンターに選出されたえいたそも名実共にアイドルの王道。王者の貫禄で突き進もう。

Kaiser Chiefs - People Know How To Love One Another (Official Video)


アヒルとは
サイケでパンクな
アイドル像

▼相性は70%くらいがベスト。


▼ラバーダックレースを一緒にやるのが夢。
Buck Creek Duck Race
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1 コメント

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鳥のカタログ (haragaki)
2019-09-11 21:28:02
先日の盤魔殿でのセトリのラス前が Euqisumorih「セキセイインコ」、そして今回のお題がアヒルと、ずいぶん鳥に寄せてきてくれたなあ、と思わず反応してしまいましたが、いかんせん、何も思い浮かびません(笑)。
<えいたそモダニズム>は前々回くらいから突如としてハードルが高くなり、手も足も出ないという感じで、唯一思い浮かんだのがマルクス・ブラザースの『我輩はカモである(Duck Soup)』ですが、あれ映画だしなあ・・。

ところで、アヒルは元々マガモを家禽化するために品種改良された人工種で、さらにそれをペット化するために小型化させたものが、最近密かにブームのコールダックです(鳥さん豆知識)。
https://www.youtube.com/watch?v=IGASPlLZz0U&vl=ja

で、実はDuckというのはカモの英名で、アヒルの英名は正確には<Domestic duck>なんですね。これは最近まで私も知らなくて、どうして『Duck Soup』なのに『カモである』なのか、積年の謎が解けた思いです。
それにしても、『Duck Soup』から『我輩はカモである』という邦題を導き出したパラマウント日本支社の人間(いったい誰なんだろう)はほとんど天才というほかなく、1930年代の映画人がいかに卓越したセンスを持っていたかがよくわかります。

最後に、アヒルやコールダックをペットとして飼育しておられる方、もしくは知人にそういう方がおられるのを知ってる方は、こういう団体が存在することを頭の片隅に留めてもらえれば幸いです。
https://ahirunetwork.org/

動物と人間の関係が少しでも善処されればと思い、この場をお借りしました。剛田様、ありがとうございます。

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