A Challenge To Fate

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【私のB級サイケ完全コレクション#13】ドリームサイケのC~Ceyleib People/Chamaeleon Church/The Charlatans/The Children etc.

2020年08月06日 00時13分00秒 | 素晴らしき変態音楽


覚醒的なファズギターもいいが、甘くとろけるようなドリームポップの魅惑にはかなわない。Cのバンドには知名度は低いが陶酔感では他に負けないドリームサイケが多数ある。短命に終わったバンドが数多いが、彼らが奏でる天上のメロディは、半世紀すぎた現在でも筆者の心を夢の世界にいざなうのである。

●The Ceyleib People ‎/ Tanyet

1968 / US: Vault ‎– SLP 117 / 1994.8.15 New York Revolver $50.00

セッション・ギタリストMike Deasyを中心にロサンゼルスで制作されたコンセプト・アルバム。シタール、タブラ、タンブーラ等を多用した疑似インド音楽インストを聴かせる。ライ・クーダーがRy Cooterとして参加していることで有名。他にもJim Gordon (ds)やJim Horn (sax)といったセッション・ミュージシャンが参加している。インド神話に基づいたストーリーのあるコンセプト・アルバムだが、AB面併せて21分という短いアルバムなので、90年代にCD化された時は同じ内容が2回繰り返して収録されていた。B面最後Menyatt Dyl Comのシタール+トランペットの高揚感に満ちたフリークアウトで昇天する。

The Ceyleib People - Tanyet (1967) Part 3



●Chamaeleon Church ‎/ Chamaeleon Church

1968 / US: MGM Records ‎– SE-4574 / 1994.11.29 Boston Nuggets $10.00

1967年ボストンで元The Lostのメンバーが結成したサイケデリックバンド。メンバーはTed Myers (g, vo), Tony Scheuren (g, b, key, vo), Kyle Garrahan (b, g, p vo), Chevy Chase (ds, p, org, vo)。"Bosstown Sound"のひとつとして売り出された。当時ニューヨークで唯一8トラック・レコーディングが可能だった録音された。凝ったアレンジの室内楽ロックにドリーミーなコーラスが乗った極上のソフトサイケ。どの曲も素晴らしいが、シタール入りのB-6 Off With The Oldが特に好き。アルバム・リリース後解散し、MyersとScheurenは同じボストンのUltimate Spinachに参加。Chevy Chaseはコメディアン、俳優として現在も活躍中。

Chamaeleon Church - Blueberry Pie



●The Charlatans / The Charlatans

1968 / France reissue 1983 Eva ‎– 12004 / 1968.7.1 吉祥寺レコファン ¥950

1964年サンフランシスコ結成のサイケデリックフォークバンド。メンバーはMike Wilhelm (vo, go), Richard Olsen (vo, b, woodwind), Darrell DeVore (vo, key, b), Terry Wilson (ds, perc) 。最初期のシスコ・ロック・シーンを支えたバンドで、フィルモアやアヴァロン・ボールルームなどに定期的に出演した。68年にリリースしたこの1stアルバムはフォーク、カントリー、ブルースの要素が濃いルーツ的なサウンドで、モダーン・ミュージックの故生悦住英夫が、何度も聴かないと分からない本当のサイケデリックの例に挙げていた。しかしギターやホーンが複雑にオーバーダブされたアレンジや狂おしいヴィブラートギター、突き抜けたようなヴォーカルは、一回聴けば尋常じゃない妄念を感じる。特にギターとサックスが荒れ狂うA-5 The Blues Ain't Nothin’、常軌を逸した変拍子のB-2 Double Waltzは知覚の扉を開けた者にしか作れないに違いない。69年末に解散するが、90年代以降に何度か再結成ライヴをしている。

The Charlatans "High Coin"



●Cherry People / Cherry People

1968 / US: Heritage ‎– HTS-35,000 / 1991.7.6 下北沢Flash Disc Ranch ¥1,280

67年にワシントンD.C.で結成されたサイケデリックポップバンド。メンバーはChris Grimes (g,vo), Punky Meadows (g,vo), Rocky Isaac (ds), Doug Grimes (g,vo), Jan Zukowski (b,vo)。MGM傘下のHeritage Records第1弾となった唯一のアルバムは、スタジオ・ミュージシャンが演奏を担当したバブルガムポップ作品。ガレージっぽい音作りに好感が持てる。全米45位のヒット曲A-1 And Suddenly、マイナー調のメロディが印象的なB-3 I'm The One Who Loves Youがお気に入り。発売後、リズム・セクションはジミ・ヘンドリックスとセッションした。 70年代にハードロック化し、75年まで活動した。パンキー・メドウズは人気ハードロックバンドAngelのギタリストとして活躍。

The Cherry People - ( And Suddenly )



●The Children / Rebirth

1968 / US: Atco Records ‎– SD 33-271 / 1991.7.6 下北沢Flash Disc Ranch ¥1,880

テキサス州サン・アントニオで66年に結成されたThe StoicsがThe Mind's Eyeとなり、最終的にThe Chilrenとなった。メンバーはWilliam Ash (g),
Louis Cabaza (b,org,p,tuba,vib), Stephen Perron (vo), Andrew Szuch, Jr. (ds), Cassell Webb (vo)。同郷のテキサスのサイケバンド13th Floor ElevatorsやThe Golden Dawnなどの作品を手掛けたLelan Rogersのプロデュースで68年にリリースした唯一のアルバム。女性ヴォーカルをフィーチャーし、牧歌的なサイケフォークからバロック風室内楽ロック、狂おしいファズナンバーまで多彩な音楽性を持つ。泣けるフォークバラードB-1 I'll Be Your Sunshine、長尺スペースサイケB-4 Pictorial、弦楽サイケB-5 Dreaming Slaveなど名曲揃いの隠れた名盤。女性ヴォーカリスト、カッセル・ウェッブは80年代ニューウェイヴ時代にソロシンガーとして活躍した。

Children - Sitting On A Flower From Rebirth 1968 Music for a Mind and the Body



●Chrysalis / Definition

1968 / US: MGM Records ‎– SE-4547 / 1992.9.16 下北沢WIND ¥4,800

ニューヨーク州Finger Lakesで結成されたロックバンド。メンバーはJames "Spider" Barbour (vo. g), Jon Sabin (g), Ralph Kotkov (key), Paul Album (b), Dahoud Shaar (ds, perc), Nancy Nairn (vo)。マンハッタンのグリニッジ・ヴィレッジに移りライヴ活動するうちにフランク・ザッパと知り合う。アルバムのプロデュースをザッパに依頼したが、レーベルのMGMとの確執があったザッパは断ったという。このデビュー・アルバムではフルート、室内楽、チェンバロ、ピアノを駆使したクラシカルなアレンジが施され、男女ヴォーカルの美しいメロディがたっぷり。随所にザッパ風の狂った展開が聴ける。この1枚のみで70年に解散。全曲を作曲しているBarbourはSpider名義でザッパのアルバム2枚に参加。Shaarはヴァン・モリソンのドラマーとして活動した。
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Chrysalis - Lacewing


夢の中
サイケデリックな
恋をしたい

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