福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

仁王護國般若波羅蜜多經 護國品

2023-12-20 | 諸経

仁王護國般若波羅蜜多經卷下 護國品第五(大廣智大興善寺三藏沙門不空 奉詔譯) 
爾の時に世尊、波斯匿王等の諸大國王に告げたまわく、「諦聽諦聽、我れ汝等が為に護國の法を説かん。一切國土、若し亂れんと欲する時、諸の災難あり。賊、來りて破壞せん。汝等諸王應當に此の般若波羅蜜多を受持讀誦すべし。道場を嚴飾し、百の菩薩像、百の師子座を置き、百の法師を請じ、此の經を解説せしめよ。諸の座前に種種の燈を然し、種種の香を燒き、諸の雜華を散じ、廣大供養し、衣服・臥具・飮食・湯藥・房舍・床座、一切供事して、毎日二時に此經を講讀せよ。若しは王・大臣・比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷、聽受讀誦して、如法修行せば、災難即滅す。大王よ、諸の國土中に無量の鬼神あり。一一に復た無量の眷屬あり。若し、是の經を聞かば、汝の國を護せん。若し國亂れんと欲する時は、鬼神先ず亂る。鬼神亂るが故に即萬人亂る。當に賊起りて百姓喪亡することあるべし。國王・大子・王子・百官、互相いに是非し、天地變怪し、日月衆星、時を失い、度を失い、大火大水及大風等の是の諸の難、起らば皆な應に此般若波羅蜜多を受持講説すべし。若し是の經において、受持讀誦せば、一切所求・官位富饒・男女慧解行來、隨意にして、人天の果報皆滿足を得、疾疫厄難、即ち除愈を得、杻械枷鏁ちゅうかいかさ撿繋其身けんげごしん皆得解脱かいとくげだつ。四重戒を破し、五逆罪を作し、及び諸戒を毀る、無量の過咎は悉く消滅することを得ん。大王、往昔過去に、釋提桓因あり。頂生王となり四軍衆を領しきたりて、天宮に上りて帝釋を滅さんと欲するときに、彼の天主、即ち過去諸佛の教法に依り、百の高座を敷き、百の法師を請じて、般若波羅蜜多經を講讀せしに、頂生即ち退き、天衆安樂なりき。大王、昔し天羅國王に一の太子あり。なずけて斑足という。王位に登る。時に外道師有り。名ずけて善施となす。王の與め灌頂す。乃ち斑足をして千の王の頭を取りて塚間の摩訶迦羅大黒天神を祀らしむ。自ら王位に登り、已に九百九十九王を得て、唯だ一王を欠く。北行すること萬里、乃ち一王を得る。名ずけて普明という。其の普明王、斑足に白して言さく。願はくは一日を聽して三寶を禮敬し、沙門を飯食せしめよ。斑足、聞き已りて即ち之を許す。其王乃ち過去諸佛所説の教法に依て百の高座を敷き、百の法師を請じて、一日二時に般若波羅蜜多經の八千億の偈を講説す。時に衆中の第一の法師、普明王の為に偈を説いて言く、
劫火洞然ごうかとうねん  大千倶壞だいせんくえ  須彌巨海しゅみこかい
磨滅無餘まめつもよ  梵釋天龍ぼんしゃくてんりゅう 諸有情等しょうじょうとう
尚皆殄滅しょうかいせんめつ  何況此身がきょうししん  生老病死しょうろうびょうし
憂悲苦惱うひくのう  怨親逼迫おんしんひっぱく能與願違のうよがんい
愛欲結使あいよくけっし  自作瘡疣じさそういう三界無安さんかいむあん
國有何樂こくうがらく  有爲不實ういふじつ  從因縁起じゅういんえんぎ
盛衰電轉じょうすいでんてん暫有即無ざんうそくむ諸界趣生しょかいしゅじょう
隨業縁現ずいごうえんげん  如影如響にょようにょきょう 一切皆空いっさいかいく
識由業漂しきゆごうひょう乘四大起じょうしだいき  無明愛縛むみょうあいばく
我我所生ががしょしょう  識隨業遷しきずいごうせん  身即無主しんそむしゅく
應知國土おうちこくど  幻化亦然げんけやくねん

法師、此偈を説已るとき、普明王は法を聞きて悟解し、空三昧を證し、王の諸の眷屬は法眼空を得たり。其の王、即便ち、天羅國に詣り、諸王の衆中に而して是言をなす、「仁等今者、就命の時に到れり、悉く應に過去諸佛の所説の般若波羅蜜多の偈を誦持すべし」と。諸王聞き已りて、亦た皆な悟解し、空三昧を得、各各誦持す。

時に斑足王、諸王に問うて言く、「汝等今者、皆な何法を誦するや。」爾時、普明、即ち上の偈を以て斑足王に答ふ。王聞是法、亦空定を證し、喜踊躍して諸王に告げて言く「我れ外道邪師のために誤たる。汝等の咎にあらず。汝、各の國に還り、當に法師を請じて般若波羅蜜多を解説すべし」と。時に斑足王、國を以て弟に付し、出家して道となり、無生法忍を得たり。

大王、過去に復た五千の國王あり。常に此經を誦し、現生に報を獲たり。汝等十六の諸の大國王、護國法を修せば、應當如是、受持讀誦して、此經を解説すべし。若し未來世、諸の國王等國を護し、自身を護せんと欲する為には應如是、此經を受持讀誦解説すべし。是の法を説ときたまふ時、無量人衆、不退轉を得、阿修羅等天上に生ずることを得、無量無數の欲色の諸天は無生忍を得たり。(護國品第五終わり)

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