こんにちは。結喜です。
前回は「地縁と法縁=寺院の由緒」について書きましたが、今回は「地縁と血縁=父方の先祖」について書いていこうかと思っています。
(↑前回の記事です。クリックすると移動します。)
.......................................................
【〜 結喜の父方の先祖について 〜】
さて、前回は私の実家(寺院)が肥前国小城郡(現在の佐賀県)にあり由緒が661年であることをお伝えしましたが、実は私の父方の先祖は元々は伊勢国鈴鹿郡(現在の三重県)の出身になります。
私から遡って7代前(1800年代=江戸時代)の先祖は僧医(真言宗の僧侶と医師)だったそうですが、廃藩置県後に伊勢亀山藩(三重県)から肥前国小城郡(佐賀県)に下り定住したのが始まりです。
実家は伊勢平家の流れを汲んでいるそうで、本来の家紋は平家(平氏)の代表紋である揚羽蝶でした。しかし途中で主君が変わったため家紋も変わり、現在は源氏紋である丸に笹竜胆になっています。(丸に笹竜胆の家紋は伊勢亀山藩主の石川家の代表紋になるのですが、平家筋なのに源氏紋になっていてなんだか不思議な気持ちになってしまいます。)
※ 実家(寺院)のある佐賀県小城市(肥前国小城郡)は桓武平氏である千葉氏(日本の第50代天皇:桓武天皇の末裔)が治めていました。同じ桓武平家筋ということもあり、何かしらの因縁を感じます。
.......................................................
【〜 伊勢国(三重県)から肥前国(佐賀県)へ 〜】
伊勢国から肥前国に引越ししたことを機に、先祖は真言宗から日蓮宗に改宗したそうです。以降、私の先祖たちは代々日蓮宗の僧侶として現在地に定住しています。
私の実家は由緒寺院になるのですが、本山や由緒寺院の住職になるためには条件があります。どこの宗派でも僧侶としての階級(僧階)というものがありますが、日蓮宗の場合は全部で14階級あり、僧正以上の階級がなければ由緒寺院の住職にはなれません。
うちの先祖は改宗後も僧階を見ると日蓮宗 最上位の大僧正・権僧正という華々しい地位を確立し続けているようです・・・。
※ ちなみに私は日蓮宗では一番下っ端の沙弥クラスでした。(私の場合、お坊さんになったのはご供養のための手段であり目的ではなかったので僧階はまったく気にしていません。)
※ 僧階は法衣や袈裟の色によって判別することができます。日蓮宗の場合、最上位である大僧正や権大僧正が使用する色は深紫・緋色と決まっているので法衣の色を見れば僧階が一目でわかります。
.......................................................
【〜 人格はともかく法力は確かにあった 〜】
うちの父も祖父も実際のところ法力にはかなりの定評がありました。特に御祈祷が非常によく効くとのことで、地元では僧侶・霊能者としてかなり有名だったようです。
祖父は荒行を七回出た日蓮宗最上位の大僧正でしたが、私はその祖父から絶対的に禁止されていたことがあります。
それは「霊を切る」ことです。
これだけは絶対にしてはいけないといつも口を酸っぱくして言われていました。(俗にいう九字切りと言われるものです。)
日蓮宗の場合は木剣と数珠を使って九字を切りますが、この修験行法は荒行を出た僧侶だけしかできない特別なものです。特に日蓮宗の場合、荒行が半端なく厳しいことで有名です。荒行中に亡くなる方も多々いらっしゃいます。(この荒行に入るためには男性のみ、入行条件があり誰でも行けるわけではありません。詳細は下記の修法師をご覧ください。)
ニコニコ大百科より抜粋
(↑クリックすると移動します。)
九字切りは呪術(呪詛)の一種ですが、霊的な力を使えば当然ながら等価交換としてそれなりの代償を支払うことになります。それは相当修行を積んだ僧侶だとしてもです。
そして同時に九字切り=相手を斬り捨てるということであり、その代償は何かしらの形で遅かれ早かれ跳ね返ってきます。
祖父の場合は九字切りの代償として、娘二人の命を取られました。そして私の父も法力(霊力)を使いすぎたことで寿命を削られ、四回目の荒行が終わった3ヶ月後に43才という若さで祖父よりも先に他界しました。
.......................................................
【〜 九字切りの危険性 〜】
↑真言宗
作法があり守らないと
仏法の罪その恐れあり。と
記載されています。
修験道や神道を始め他の宗派でも九字切りはありますが、九字切りにも作法があり、それを怠った場合何かしらの反動がきます。
現在コロナウィルス退治を称して、「苦しい時の神頼み」的にお祓いとか御祈祷とか御祈願とかされる方がいらっしゃいますが九字切りだけに関しては、自分でやることは絶対にお勧めしません。
九字切りはそれなりに修行を積んでいる僧侶でさえ命を削られます。素人が流行っているからとか誰かがやっているからとかで面白半分でやるものではありません。信仰を持たず、たいした修行もしていない。知識もない状態で遊び半分で九字切りをすれば、それはもう大変なことになります。
命をかけるくらいの覚悟があれば話は別ですが、その覚悟がない方、もしくは僧侶なり神主なり霊能者なりそれを生業にしていてきちんと神仏との縁を作っていない方(専門じゃない方)は、コロナウィルスを退治する前に九字切りの反動(呪詛返し)で自滅する可能性がありますので、九字切りは控えた方が賢明でしょう。
※ 「触らぬ神に祟りなし」と言われるように、神仏がもっとも嫌うのは「真剣さ」が足りない中途半端・遊び半分の人です。神仏を扱うということは、それだけこっちもの必死になる必要があります。中途半端な気持ちでやると自分のみならず家族や関係者まで祟られたり呪われたりしますのでご注意を。
※ 人によっては「人の幸せを祈っているんだからいいじゃないか。」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、私からすれば「人の幸せを祈る」ことが目的であれば、九字切りのような非常に危険な方法を取らなくても別の方法があるのではないかと感じてしまいます。
そもそも九字切りはお祓いのような「怨敵退散」するためのもので、「人の幸せを祈る」「ご利益をもたらす」ための祈願・祈祷ではないので趣旨が違うとも思います。(個人的意見です。)
↑私の持っている経本です。
様々な宗派のものがあり50冊以上あります。
私は知識として九字切りは知っておりますが実際には行いません。それは大僧正であった祖父から禁止されていたからです。(最上位の大僧正でさえ禁止するのですから、その危険性はわかりますよね?)
祖父は常日頃から霊に対しては、「切る」のではなく「得道退散」をせよ。と言っておりました。そのため私がお祓いをする場合は切る「除霊」ではなく成仏に導く「浄霊」を心掛けております。
.......................................................
【〜 僧侶について〜】
今では僧侶は当たり前のように結婚して子供を作り、その子供が寺院を引き継ぐという世襲制のところがほとんどですが、本来僧侶は浄土真宗以外は妻帯禁止でした。
しかし、明治5年(1872年=今から148年前)4月25日の太政官布告第一三三号により各宗派の僧侶の肉食・妻帯・蓄髪等が解禁され、これにより俗化する僧侶(職業坊主・葬式坊主)がどんどん増えていきました。(肉を食べていいし、結婚していいし、髪の毛伸ばしてもいいってことです。この法律によりそれまで国家に保護されていた僧侶の権利が事実上なくなったわけですから保護されなくなった分僧侶が好き勝手やるようになってしまったのでしょうね・・・。)
真面目に努力してらっしゃるお坊さんたちはいらっしゃいますが、私が見る限り世襲制になり堕落しているお坊さんの方が圧倒的に多く、「信仰」や「信心」(祈り)に対しての在り方をいつも考えてしまいます。僧侶でも「酒」「タバコ」「女」(浮気・不倫含める)を当たり前のように嗜む方が多すぎて、見ていて嫌になってきます。
一番ひどいのが「霊はいない」と言い切るお坊さんです。そこまでいくと「故人の霊のご供養」が前提のお葬式はどうなるのでしょうか・・・。お坊さんによっては霊のご供養ではなく遺族の方の気持ちを切り替えさせるため、整理するための儀式と割り切っている方もいらっしゃるようですが・・・。確かにお葬式は儀式ですが、ご供養が目的ではない儀式と割り切るのであれば、わざわざお坊さんじゃなくてもいいのではないかと思ってしまいます。
霊のご供養が前提の私からすれば葬式詐欺、供養詐欺なのではないかと思ってしまいます・・・。霊の存在を信じていない方のご供養なんか効果あるのでしょうか・・・?
(↑クリックすると移動します)
(↑クリックすると移動します)
僧侶の職業が世襲制になる前までは弟子の中で一番能力が高く実績のある僧侶が次期住職になっていました。
当然ながら私の実家(寺院)も同様で、今でこそ私の一族が由緒寺院を引き継いでいますが世襲制になる前は血の繋がりがない実績・能力が共に高いお坊さんたちが次期住職として代々由緒寺院を引き継いでおりました。
私が言うのもなんですが霊的なものや信仰に関する目に見えないものを扱う職業は、堕落しやすい世襲制より実力や能力主義で次の世代へと継承するべきだと思います・・・。
.......................................................
今回は私の父方の先祖の話をしましたが、次回は私の母方の先祖についてお話ししたいと思います。(次回は同和問題・先住民問題が絡んでくる内容になります。)
⑪ 日本の歴史:〜《3》(妖怪編)母方/地縁・血縁継承による因縁〜
に続く
《関連記事》
⑦ 日本の歴史:《1》(書籍編)アイヌ民族の先祖の因縁・土地の因縁について。
⑧ 日本の歴史:《2》(関連編)アイヌ民族の先祖の因縁・土地の因縁について。
⑨ 日本の歴史:〜《1》(宗派編)地縁・法縁継承による因縁〜
⑩ 日本の歴史:〜《2》(先祖編)父方/地縁・血縁の継承による因縁〜
⑪ 日本の歴史:〜《3》(妖怪編)母方/地縁・血縁継承による因縁〜
《特別編:① 汚れ(物理的・環境)》神と繋がって守護してもらう方法。
《差別について》
【人権編】コロナウィルスに対する差別」 と 「障害者への人権侵害。」
《ご供養について》