柿を収穫しました | 晴耕雨読の果樹園芸 『 晴れたら気まぐれ鉢栽培 』

晴耕雨読の果樹園芸 『 晴れたら気まぐれ鉢栽培 』

大型スリット鉢や大型NPポットを使った趣味の果樹園芸も15年目をむかえました。

最近は深型プランターで野菜も育てています、一応メインはぶどう、柿、いちじく、柑橘類ですが野菜もメインになりつつあります。

静岡県からボチボチと発信しております。

【柿を収穫しました】

曇天が続く静岡です。
異常な猛暑、猛烈な暴風台風と塩害を乗り越えた柿たち。



今年は生理落果と夏の猛暑による落果、暴風台風での落果と実りは少なくなりましたが、何とか収穫までたどり着けたのは嬉しい限りです。

鉢栽培はブドウに1番力を入れていますが、私は果物として食べるのは柿柿が1番好きですチュー特に渋抜きした渋柿が大好きなんです✨

甘柿なら次郎、花御所、興津20号
渋柿なら西条、祇園坊、四つ溝、平核無
の甘味や肉質が特にお気に入りです。

大好きな柿を楽しめる季節になってまいりました酔っ払い


渋柿柿『祇園坊』(広島県原産)
今年は少ないのですが、台風により落ちた果実を渋抜きして食べてみたところ、収穫期前にもかかわらずかなり甘かったので味は期待が持てます。

着色も良好ウインク、収穫ですね!

渋柿は渋抜きするとあまり日持ちしないので、第一弾はこれだけにします。これをホワイトリカーを使って渋抜きします(ヘタと果実に35度のホワイトリカーを塗りビニール袋に入れて密閉、暖かい場所に置くと1週間程(温度や品種の渋の抜けやすさで異なる)で渋が抜けます)

祇園坊は大型の果実になります、大きい物だと500gを超えます。渋も抜けやすい品種なので家庭でも簡単に渋抜き出来ますよ。

果実の色は黄色、肉質は緻密で繊維は少ないです。ほとんど種が入らない品種です。


こんな風に四つの縦溝が入りますが、果実によって入り方や深さが異なります。

ちょっと不格好な果実も出来たりします、摘果では出来るだけ形の綺麗な物だけを残しますが時々こんな感じの果実もあります。

今年はまあまあな大きさです、平均的ですね。




渋柿『四つ溝』(静岡県原産)
今年は四個の収穫です。
なかなか樹の成長がゆっくりな特徴(枝が垂れやすい)があるので、焦らずに樹の勢いが上がるのを待ちます。

形は小ぶりなハート形で四つの縦溝が入る品種です。

果実は90g程度と小さいのですが肉質や甘さは渋柿の中では一級品の品種でして、干し柿にすると綺麗な赤紅色に仕上がります。我が家では干し柿にしますよおねがい


不完全甘柿『禅寺丸』(神奈川県原産)
雄花を着ける受粉樹として育てていますが、今年は沢山の果実を着けてくれました✨
我が家の鉢植え果樹の中ではスタート初期から居る古株です照れ

禅寺丸は種子が入れば甘柿に、種子が入らない果実は渋柿になります。

禅寺丸も我が家では干し柿にします。


禅寺丸のような不完全甘柿は、お尻に丸い筋のような条紋が入ると甘柿になっているサインです。
こうした果実は種が入ってゴマが沢山出ているので切ると黒っぽい見た目となりますよ。

全体的に条紋がある果実は沢山の種子が入っていますが、半分だけ条紋がある果実は条紋のある側の半分だけ種子が入っています(半分だけ甘柿で半分は渋柿となります)。


ちょっと難しい話ですが…、柿の雑学。

柿の渋みは柿の持つタンニンという成分によります。普段はこのタンニンが可溶性(溶け出す)の為、舌の味覚で渋い!と感じてしまうのですが、不完全甘柿は種子が出来る事で種子が周りのタンニンを不溶化(溶け出さない)する力が強く現れるため、柿の渋みを味覚で感じなくなるので甘柿になりますびっくり

不完全甘柿は種子による影響力が強いので、種子が沢山入るとしっかり渋が抜ける(タンニンを感じなくなる)んですねウインク

焼酎やドライアイスを使った渋抜きも同じで、可溶性のタンニンを不溶性のタンニンに変えて味覚で渋を感じなくさせています。


柿は大きく分けると四つに分類されます。

1、完全甘柿
種子が入っても入らなくても甘柿
(次郎、富有など)

2、不完全甘柿
種子が入ると種子によりタンニンが不溶化され、その範囲が広いため甘柿になる
(禅寺丸、筆柿、甘百目など)

3、完全渋柿
種子が入っても入らなくても渋柿
(愛宕、祇園坊、蜂屋など)

4、不完全渋柿
種子が入ると種子によりタンニンが不溶化されるが、その範囲が狭いため渋柿になる
(会津身不知など)


綺麗な形の禅寺丸です。

柿は元々は全て渋柿だけだったのが、突然変異により甘柿が生まれたと言われています。
(渋柿は寿命が長く、甘柿はそれほど長寿ではありません、柿の古木に渋柿が多いのは遺伝的に強い性質を受け継いでいるからなのかもしれませんね)

禅寺丸は日本で1番最初に発見された甘柿とされ、今の神奈川県川崎市麻生区柿生(小田急の柿生駅があります)が発祥地とされます。


甘柿『興津20号』(農水省作出)
晩生なので収穫は11月上旬となります。
秋の気温が高くなるべく冬の訪れが遅い地域に向く品種です(積算温度が必要な品種)

なお、
渋柿『大西条』(広島県原産)の結実はありませんでしたショボーン

さ、今年も柿をバンバン食べるぞ~(о´∀`о)
それではまた~ウインク