曇天が続く静岡です。
異常な猛暑、猛烈な暴風台風と塩害を乗り越えた柿たち。
今年は生理落果と夏の猛暑による落果、暴風台風での落果と実りは少なくなりましたが、何とか収穫までたどり着けたのは嬉しい限りです。
鉢栽培はブドウに1番力を入れていますが、私は果物として食べるのは柿が1番好きです特に渋抜きした渋柿が大好きなんです✨
甘柿なら次郎、花御所、興津20号
渋柿なら西条、祇園坊、四つ溝、平核無
の甘味や肉質が特にお気に入りです。
大好きな柿を楽しめる季節になってまいりました
渋柿は渋抜きするとあまり日持ちしないので、第一弾はこれだけにします。これをホワイトリカーを使って渋抜きします(ヘタと果実に35度のホワイトリカーを塗りビニール袋に入れて密閉、暖かい場所に置くと1週間程(温度や品種の渋の抜けやすさで異なる)で渋が抜けます)
不完全甘柿『禅寺丸』(神奈川県原産)
雄花を着ける受粉樹として育てていますが、今年は沢山の果実を着けてくれました✨
我が家の鉢植え果樹の中ではスタート初期から居る古株です
禅寺丸のような不完全甘柿は、お尻に丸い筋のような条紋が入ると甘柿になっているサインです。
こうした果実は種が入ってゴマが沢山出ているので切ると黒っぽい見た目となりますよ。
全体的に条紋がある果実は沢山の種子が入っていますが、半分だけ条紋がある果実は条紋のある側の半分だけ種子が入っています(半分だけ甘柿で半分は渋柿となります)。
ちょっと難しい話ですが…、柿の雑学。
柿の渋みは柿の持つタンニンという成分によります。普段はこのタンニンが可溶性(溶け出す)の為、舌の味覚で渋い!と感じてしまうのですが、不完全甘柿は種子が出来る事で種子が周りのタンニンを不溶化(溶け出さない)する力が強く現れるため、柿の渋みを味覚で感じなくなるので甘柿になります
不完全甘柿は種子による影響力が強いので、種子が沢山入るとしっかり渋が抜ける(タンニンを感じなくなる)んですね
焼酎やドライアイスを使った渋抜きも同じで、可溶性のタンニンを不溶性のタンニンに変えて味覚で渋を感じなくさせています。
柿は大きく分けると四つに分類されます。
1、完全甘柿
種子が入っても入らなくても甘柿
(次郎、富有など)
2、不完全甘柿
種子が入ると種子によりタンニンが不溶化され、その範囲が広いため甘柿になる
(禅寺丸、筆柿、甘百目など)
3、完全渋柿
種子が入っても入らなくても渋柿
(愛宕、祇園坊、蜂屋など)
4、不完全渋柿
種子が入ると種子によりタンニンが不溶化されるが、その範囲が狭いため渋柿になる
(会津身不知など)
柿は元々は全て渋柿だけだったのが、突然変異により甘柿が生まれたと言われています。
(渋柿は寿命が長く、甘柿はそれほど長寿ではありません、柿の古木に渋柿が多いのは遺伝的に強い性質を受け継いでいるからなのかもしれませんね)
禅寺丸は日本で1番最初に発見された甘柿とされ、今の神奈川県川崎市麻生区柿生(小田急の柿生駅があります)が発祥地とされます。
なお、
★渋柿『大西条』(広島県原産)の結実はありませんでした
さ、今年も柿をバンバン食べるぞ~(о´∀`о)
それではまた~