細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

コロナ2020の師走

2020-12-19 17:56:56 | 人生論

前回のエッセーから随分と時間が空いてしまいました。

師走に入ってから特にスケジュールがタイトになり、過去に自分が経験した極めて忙しい時期に比べるとまだ余裕はあるものの、あまり無理をしたくないという意識もあり、しっかりと睡眠時間は確保しながら乗り切ってきました。いつのまにか年の瀬も迫り、波乱の2020年も残すところ10日あまり、今日は土曜日です。

異様な1年だったと思いますので、ちなみに(参考までに)師走の今週がどのような一週間であったかを記録しておきます。

12/14(月)に始まった今週は、一度も大学には出勤しませんでした。講義・会議系がほとんどオンラインでなされることと、出張が少しあったことによります。

14日(月)の朝一番は、過去ずっと続けている学部3年生用の「人間学とリーダーシップについて考える」の少人数ゼミの最終回でした。今年は6名の学生が受講してくれ、オンラインで4回の議論でしたが、非常に楽しい、有意義な、深い議論にまで踏み込めたゼミであったと思います。受講してくれたメンバーが良かったのもあったと思いますし、主体的に議論を活性化してくれたのもあるでしょうし、私もベストを尽くしました。年末にこれらの学生からのレポートが提出されますので、このブログで公開したいと思います。このゼミもいつまで続くのか分かりませんが、大切にしたい教育の場、です。

14日の午後は、共同研究での技術開発のミーティングのため都心へ。技術開発は、これまで私も少なくない数に関わってきましたが、今回の案件はその中でも困難でやりがいのあるものです。私も多くを学ばせてもらっています。少しでも貢献したいと思っています。

15日(火)は、朝一番で、研究室の教員3名(前川、細田、藤山)と10月に新しく入ってきたドクターの留学生2名の研究テーマについての5名でのミーティング。これもオンライン。このような全員でのミーティングは過去行ったことがありませんが、とても新鮮でした。研究室のメンバーが非常に多くなると、コミュニケーションが粗になってしまう箇所も出てくるのですが、意識的に密度を高めるべき箇所があることを今回も学びました。

15日の午後は、仙台での会議。東北地整の品質確保(NATMトンネル覆工コンクリート)、耐久性確保(RC床版)の手引きの改訂の議論。私の研究チームの成果の還元もなされますし、もちろん議論から多くを学ばせていただいております。雪の仙台。日帰り。

16日(水)は在宅勤務。終日、オンライン会議でしたが、有意義な一日でした。朝一番の研究室ゼミでは、ポスドクの2名が発表。コンクリートの火災による爆裂に対して、ポリプロピレンなどの合成短繊維が効くことは知っていましたが、そのメカニズムがこれまで言われてきたことが全く間違っていた、ということを知り、やはり研究の面白さ、メカニズムを明らかにすることの重要さ、などを学びました。

16日は様々な種類の会議が続き、教授会の後、土木の教員の短いミーティングを行い、その後、また研究室の教員3名で議論。前日のドクターの学生のテーマ設定について、前川先生からご提案があり、コンクリートの舗装をテーマとして、私と一緒に指導しよう、とのこと。これまで前川先生との共著の論文は少ないですが、「最後に細田さんと一緒にやりたい」と言っていただき、とても意気に感じました。エチオピアからの優秀な女性の学生ですので、私も大変に楽しみにしています。

17日(木)は、またまた在宅勤務。秋学期の木曜日の講義はこの日が最後、ということで、耐久設計・耐震設計を教える大学院の講義(英語)を午前に行い、昨年度立ち上げた「メインテナンス工学」(学部3年)を午後に行いました。大学院の英語での講義は、なるべくディスカッションも取り入れつつ、私が研究や実務で学んできた哲学を学生たちになるべく伝える努力をしています。この日は耐震設計の初回で、わが国の鉄道の耐震設計・耐震補強のエッセンスを伝えました。学部の講義では、NEXCO中日本のエンジニア(三井さん)に、トンネルのメインテナンスを軸にご講義いただきました。

17日の夜は、研究室の忘年会。これもオンライン。幹事の中山君の工夫で、Zoomでのブレイクアウトルームという機能を使い、5つくらいの小部屋を作り、メンバーをシャッフルしてそれぞれの小部屋での会話を楽しむ時間を作ってくれました。初めてこの機能を使いましたが、とても楽しく、2回の小部屋トークセッションも挟み、1時間半で、学生たちからのスピーチや、教員からのスピーチもあり、YNUコンクリートチームに属している幸せを感じた時間でした。

18日(金)も在宅勤務。2つ、留学生と研究ミーティングをしてから、10:30より土木史の講義。今年は、土木史の講義もオンラインで行っており、講義スタイルは変えず、オンラインでの講義システムもすでに確立されました。例年と違うのは、手書きのレポートを講義中に提出させるのではなく、その日の夜10時までにオンラインでレポートを提出してもらうシステム変更しましたが、学生たちのレポートが素晴らしく、私もとても刺激を受けています。中には、お母さんと一緒に講義を受けてくれている学生もいるようで、オンラインならではの効果でしょうか。学生のレポートに紹介されていた図書を私も購入するなど、相互のやり取りがかなり高いレベルで実現できているようにも感じます。

18日は昼休みも会議で、13時からは建設マネジメントの大学院生用の講義の聴講。建設マネジメントの第一人者の草柳俊二先生が講師で、コーディネータが前川先生という超豪華布陣。今年度で草柳先生が引退されるので、来年度からは前川先生が主担当で引き継ぎ、私もサポートに入る予定ですが、その後はYNU土木でこの講義をどう運営していくか、分岐点となります。13時~18時まで、留学生が聴講生で、母国では役人を務める学生も少なくないため、ディスカッションも濃厚で、私も大変勉強になりました。さらに、18~19時15分は、学部3年生の平野君の主催のオンライン見学会。この日は、OGの大成建設の鈴木三馨さんがゲスト講師で、女性技術者としての働き方、土木偉人かるたを含む広報活動、最近従事している3Dプリンティングの技術開発、など盛沢山で楽しい時間でした。

そして、本日19日(土)。午前に、指導している3人の卒論生の研究指導ミーティング。それぞれ別のミーティングでしたが、進捗状況もそれぞれでしたが、今日のミーティングは私もとても楽しく、進捗状況に応じたアドバイスがたくさんできたように思います。これからの数か月間、どのように進展していくか、それぞれ楽しみです。

といった感じで、今週は一度も職場に出勤できなかったのですが、それなりに?充実した一週間でした。

今年度は土木工学教室の主任教授を務めており、いろいろ学ぶことも多い一年でしたが、一年の振り返りにはまだ早いので、あと10日余り、まずは2020年をしっかり生き切ることに専念したいと思います。。。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿