ドイツに山はあるのか?

 

10月の末にドイツに行くことにした。けれども特にやることはないので、せっかくなので、山に行くことにした。当初は、今年の夏の1泊目で泊まったあるストラスブール近くの方にしようと思っていたのだが、なぜか宿がいっぱいだったのである。

 

それなので、別のオプションがないかと、だらーとネットを探していると、ドイツの北の方にブロッケンという山があるらしい情報をキャッチした。ブロッケンというと、あの山の中で起こる不思議な現象である。それがよく見える山なのか。

 

それは、未だよくわかっていないが、あいつのいる町から4時間以内で行けそうだったので、ブロッケン山の登山口の町に宿を予約した。

 

標高は1100m程度という。さてはて、どんな山なのだろうか。

 

久しぶりの山 やっぱり山が好き

 

1週間前くらいから、登山口の町の天気予報を毎日何回もチェックしていたが、なんとまあちょうど私たちが歩く時間だけがなぜか天気が悪いのである。ちょうど日曜日の午前中の天気が最悪であり、その後回復に向かう模様であった。おまけに、この週末は、UKでは天気がよかったという!なんとまあ、やはりあいつは雨男である。

 

けど、まあよいのだ。その代わりに土曜日は会心の快晴であり、ものすごく美しいドイツのブドウ畑を見ることができたから。人間あまり欲張りにならない方がいい。

 

前日は、シールケという町の国民宿舎?みたいな感じの宿に泊まった。登山口近くのなかなかよさそうなホテルもあったのであるが、この国民宿舎的宿の広さに惹かれたのであった。この宿は、長期滞在者もターゲットにしているらしく、ベットルームだけでなく、キッチン、そしてそこそこの広さのリビングルームもついているのである。まあ国民宿舎?レベルではあるが、普通にきれいだし、やっぱりこの広さがくつろげるのである。

 

そして、レストランも楽しかったし、まあまあ満足の滞在である。

 

前日の夜は、満点の星天も見えたので、もしや!明日の天気はこのまま雨を降り切れるのか?と淡い期待と共に、爆睡をするが、朝起きて外を見ると、雨に濡れた景色が広がっていた。

 

最近の天気予報は、かなりの確率で当たるのである。どうやら10時、11時ぐらいまでが最高潮に降水確率が高いので、それほど急がずに朝ごはんをおいしくいただき、全身雨対策装備にて、山に向かうこととした。

 

私たちの国民宿舎は、この町のはずれにあり、登山口までは少々時間がかかるようであった。だがしかし、あいつにはそういう事実は伏せておく。人間知らない方がいいことも多いのだ。

 

国民宿舎を抜けると、住宅街が広がっている。色使いがなんとも微妙である。垢ぬけているんだか、ださいのかよくわからない。それがなんともドイツっぽい。

 

今は、きっとシーズンでないのであろう。もしくは雨だからか、町にはほとんど人がいない。こんな日に山に登ろうというのは、こんな変な日本人ぐらいなのだろうか。

 

国民宿舎は、本当に村のはじっこにあったために、登山口まで30分以上はかかっただろう。だがしかし、その間になんとも奇妙な魔女のお店や魔女のオブジェに遭遇し、そういえば、WEBにここが魔女で有名な山って書いてあったこともなんとなく思い出してきた。

 

ずんずん進んでいくとインフォメーションセンターがあった。まるで人の気配がなかったのであるが、人がいた。おまけに親切であった。ブロッケン山までの道がよくわからなかったので、確かめることができたし、冬には雪が降ることもわかったのだ!果たして、ここにもう一度来ることがあるのだろうか。

 

非常にさびれたホテル、奇妙な木彫りの人形等を通りすぎると、立派な登山口にたどり着いた。

 

登山口だけは、非常に立派である。きっとこの村が作ったのであろう。こういう建物がるとなんだか安心するのである。

 

妙に立派な登山口センター?みたいな場所を通りすぎると分岐があり、両方ともブロッケン山と書いてある。どうやら早くつくルートと距離が長いルートがあるようである。そうして、ほとんどの人が早くつくルートの方へ進んでいく。ここら辺になると犬を連れた人達や、家族、友人同士でハイキングに来ている人たちが、ぼつぼつ増えてきた。

 

こんな日に登るのは、私たちだけではなかった。ドイツ人も登るようだ。

 

やっぱりこんな日なので、他の人たちが登っているのは、なんだか心強い。

 

分岐では、たまたま通りかかった美男美女にどっちがいいか尋ねると、長い距離の方は緩やかでアスファルトの道をずっというという。それなので、私たちも他の人同様に、山道を歩いて早く到着する道を選んで進んでいった。

 

そういえば、久しぶりの山歩きである。8月のイタリアトレッキング以来である。

 

道は、そんなにきつくもなく、だらだらしていなくもない。ハイキングには、ちょうどいい感じの道である。だからだろうか、みんな大体適当な運動靴にジーンズという感じである。このころになると雨は止んできたが、こんな安定しない天気であればカッパを着た方がいいのであるが、ドイツ人は細かいことは気にしないのだろうか。

 

天気が悪くとも、やっぱりやっぱり私はこういうとこを歩くのが好きみたいである。

 

道を歩いていると、時折何か変な叫び声みたいな音が聞こえる。けれどもよくよく聞くと、昔ディズニーランドでよく聞いた音である。そう、蒸気機関車の汽笛なのだ。どうやら、この山には蒸気機関車でも山頂に行けるようなのだ。

 

途中では、線路を渡る場所もあり、ぼーっとしていると汽車にひかれてしまうかもしれない。山の中で汽車をみるものなんだか楽しい。雨もほとんど止んだが、全体的に湿った感じ、下はどろどろな感じである。

 

けどいいのである。山を登っているってことが楽しくて仕方ない。

 

山の上の方にくると人がどんどん増えてきた。こんな天気の日にこんなに人がいるなんて、非常に驚きである。そして、山頂に近づくにつれて、霧がどんどん濃くなってくる。そして、なんだかあったかいものを飲みたい気分になってくるのである。

 

一応山頂に行き、写真を撮るが、それもそこそこに、あったかいものをいただくべく、レストランに入ることにした。

 

ここは、何といっても汽車で登ってくることができるので、山を歩かなくても登ってくる人たちがたくさんいるのだろうと思った。けど、なんとなく、ほとんどの人が汽車ではなく、自力で登ってきているような雰囲気である。

 

垢ぬけないブロッケン

 

さて、ブロッケンホテルなるホテルのレストランで、何かおいしいあったかいものにありつけるだろうと思いレストランと書かれた方向に歩いていった。

 

そうして、辿りついた場所とは、30年くらい前の日本のスキー場にタイムスリップしたような場所であった。

 

ここって、ホテルのレストランのはずなんだけど・・・。

 

学食って言った方が近い感じである。

 

けれども少しでも温かい場所を求めてだろうか、たくさんの人がいた。

 

自分で、トレイをとって、中の人に注文をする。私はスープとはじめから決めていた。あいつは、ドイツ語もわからないのに、あれちょうだいと言い、でてきたのはあいつの好きなお肉が全く入っていないベジタリアンっぽいプレートであった・・・。

 

かわいそうなあいつである。

 

私の選んだスープは、見た目の通り豆や野菜がたっぷり入り、まさに私が今いただきたいものであった。

 

まわりを見渡すとほとんどの人がビールを飲んでいる。ビール、ソーセージ、そしてパンという組み合わせをしている人が非常に多かった。非常に不健康ではあるが、かなり心が躍るランチである。

 

それにしても、蒸気機関車で帰る人もいるだろうが、ほとんどがまた自力で下りていく人たちのはずである。ドイツ人はビールを飲んでも酔っぱらわないのだろうか?山の中で、それもこんな寒いなかほとんどがビールを選んでいる事実にびっくりするのである。

 

ランチをいただいたホテルには、お土産屋さんらしきお店があった。だがしかし、そこにあったものといえば、非常に趣味の悪い魔女の人形だったり、Tシャツだったり、ものすごいレベルのお土産たちであった。

 

いや、これは、ひどいのである。

 

あいつがなんとか日本のお土産にでも買えるものがないか探していたが、無理であった。本当に買いたいと思うもの、買ってもいいかなと思うものが全くないである。

 

きっとここのホテルの担当者だけでデザインを決めたりしてるから、こんな悲惨な感じになるのであろう。あいつとしばらくどうしたら、ここのお土産屋さんがよくなるかの議論をしたのである。

 

ホテルを出ようとすると、あいつが寒いと言い出す。確かに寒いのである。それなので、私が念のためにもってきたフリースとダウンと毛糸の帽子をザックから出したのである。本当に念のためで、まさか使うとは思っていなかったのだ。

 

もってきた装備を全部身に着けてちょうどよい感じであった。

 

そうして、歩いて来た道をまた戻っていくと、なんと蒸気機関車の駅が出現した。さっき通った時には、霧で駅があったことすら気づかなかったのである。なんと!

 

蒸気機関車ってのは、近くで見るとかっこいいのである。みんなの注目を浴びて、写真を撮られまくっている。

 

駅のプラットフォームは誰でも入れるので、歩いていると温度計を発見。温度を見て、唖然としたのである。寒いのは肌で感じていたが、なんとマイナス2度であったのだ。

 

寒いはずである。

 

来た道と違う道を行くかそれとも同じ道を買えるか、迷ったのであるが、結局同じ道で帰ることにした。それより前にあいつは、機関車で下山を考えていたらしいが、私が却下、さらにあいつは30ユーロ近いことを知り、さっさと考えを変えたのである。

 

しかしながら、ある分岐で、シールケ向けの違う道を発見したので、そちらに行ってみることとした。この道はなんとなく、新しくできたような感じの道であった。下の道は、きちんと水切りの道も作られ、石がところどころ埋め込まれて、誰かがつい最近作ったような雰囲気が非常にただよっている。しかしながら、道の周りがどうにもこうにもひどい有様なのである。木がめったくさに倒されたりしているのである。道を作る時に、道の幅を間違えて木を予定に倒してしまったのではないのだろうか。イギリスだったら、普通に起こりそうだが、ドイツでもそんな間違いが起こるのだろうか。

 

道はきれいなのだが、周りのひどい有様を見ながら、下山していく。

 

来た道は、昔からの道で登山道っぽかったのだが、ここは少々違う感じである。

 

まあ、両方歩けたので、よしとするが、この下山道の木のなぎ倒され方を見て、もうここに来ることはないかもしれないなあなんて思うのである。天気はかなり回復してきており、時折太陽の光を感じたりもしたのである。

 

そうして、朝とは違った道からシールケの町に戻ってきた。

 

結構いい時間なので、帰った方がいいのであるが、シールケのパン屋さんでお茶をしてしまったのである。カプチーノとおいしい巨大ケーキ。冷えた体にカプチーノがしみこみ、おいしい甘いケーキが気持ちをほっこりさせる。

 

食べ物ってほんとありがたい。

 

その後また30分以上かけて国民宿舎系ホテルに戻り、車をピックし、あいつの家に向けて出発したのであった!久しぶりの山、寒かったけど、やっぱりいいのである。ドイツの山体験もできたしよしとしよう!

 

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登山口にあった超立派な登山センターらしき建物。こういうの見ると安心する。

 

 

山頂駅 機関車かっこいい!

 

 

魔女の絵がいたる場所にあるのである!趣味のいい魔女ならいいのだが、結構しゃれにならないレベルの魔女が至るところに。この標識の魔女は、ぜんぜん許容範囲。怖いのは、写真すら怖くてとれない。

 

 

車での帰り道で。けっこういい感じの観光地だった。今度?はここに泊まってもいいかも。